ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は15日、教皇庁(バチカン)の外務局次官にフランチェスカ・ディジョバンニ氏を任命した。バチカンで最も重要な国務省の部局で女性が管理職に就任するのは初めてであり、副大臣級のポジションは女性職員の中で最高位であるという。
『AP通信』や
『ロイター通信』などのメディアが報じた。外務局次官に任命されたフランチェスカ・ディジョバンニ氏は66歳、国際法や人権を専門とするイタリア人弁護士で、外務局に1993年から約27年勤務するベテラン職員だ。
ディジョバンニ氏は、国務省に新設されたポストである多国間の外交関係を担当する次官となり、バチカンと国連や他の政府間組織との関係を調整する部門を管理する職務を担う。バチカンは、ローマ市内にある主権国家で、世界180カ国以上と外交関係を持つ。...
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『AP通信』や
『ロイター通信』などのメディアが報じた。外務局次官に任命されたフランチェスカ・ディジョバンニ氏は66歳、国際法や人権を専門とするイタリア人弁護士で、外務局に1993年から約27年勤務するベテラン職員だ。
ディジョバンニ氏は、国務省に新設されたポストである多国間の外交関係を担当する次官となり、バチカンと国連や他の政府間組織との関係を調整する部門を管理する職務を担う。バチカンは、ローマ市内にある主権国家で、世界180カ国以上と外交関係を持つ。
バチカンの他の省では、報道室次長、バチカン美術館の館長、司教会議の評議員など同等のポストに就いている女性職員が数人いる。しかし、国務省はバチカンで最も力があり、教皇庁の官僚組織の総務・人事などの内部業務や、バチカンの他国との外交的関係などを調整し、教皇の最高権限の行使を補佐している。女性で国務省の次官に登用されたのはディジョバンニ氏が初めてとのことである。
フランシスコ教皇は、バチカンやカトリック教会で、全般的に女性を行政部門の重要ポストに登用し、より大きな決定をする役割を与えようとしている。そうした主導的な職務は、これまで司祭、司教、枢機卿ら男性の聖職者が担ってきた。
この変化の背景には、カトリック教会の修道女らの上位組織を含む、女性の権利を推進する団体からの圧力があった。これらの組織は長年ローマ教皇に対し、世界で13億人のカトリック教徒のうちの半分以上を女性が占めているなどと数字を示し、男性支配のバチカンの官僚機構内で、もっと多くの女性を重要ポストに起用するよう求めてきた。
ディジョバンニ氏は、バチカンの国営メディアに対し、今回フランシスコ教皇が自分を任命したことは、「前例のないことであり、教皇が女性に注意を向けていることを示した」と指摘し、女性は平和の実現者、仲介者、癒し手としての才能を持っているとの教皇の持論に同意すると述べた。同氏は一方で、自身の「責任は女性であるという事実より、職務に関連してある」とも語っている。
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