(ワームビア氏の死をきっかけに再び北朝鮮との緊張が高まる)
北朝鮮で1年半にも及んで拘束され、脳に損傷を負った状態で米国に帰国した米国人大学生オットーワームビア氏が21日に亡くなった。死因は明らかでないが、北朝鮮との対話ムードが高まっていた米国では、この問題がきっかけで再び北朝鮮との緊張が高まっている。ワームビア氏が拘束中に拷問で殴られたとする指摘もあるが、北朝鮮外務省は「事実無根だ」と反論し、責任を一切認めない姿勢だ。...
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(ワームビア氏の死をきっかけに再び北朝鮮との緊張が高まる)
北朝鮮で1年半にも及んで拘束され、脳に損傷を負った状態で米国に帰国した米国人大学生オットーワームビア氏が21日に亡くなった。死因は明らかでないが、北朝鮮との対話ムードが高まっていた米国では、この問題がきっかけで再び北朝鮮との緊張が高まっている。ワームビア氏が拘束中に拷問で殴られたとする指摘もあるが、北朝鮮外務省は「事実無根だ」と反論し、責任を一切認めない姿勢だ。一方、日本と米国が共同開発している新型の海上配備型迎撃ミサイルSM-3ブロックIIAによる迎撃ミサイル実験が21日ハワイ沖で行われたが失敗に終わった。北朝鮮側も同日、ICBM大陸間弾道ミサイルに使われる可能性がある弾道ミサイルのエンジン燃焼実験を実施するなどここにきてまた、不穏な動きが出てきている。ワームビア氏の死は北朝鮮側にとっても計算外で裏目に出ているようだ
(期待はずれに終わった米中外交安保対話・米国は7日の米中直接会談に賭ける)
21日、米中外交安保対話が行われ、米国が今以上に中国に対し、北朝鮮に圧力を加えさせることができるかどうかに注目が集まっていたが、中国・ヤンチェチー国務委員が「他国に圧力はかけない」と反論するなど、北朝鮮に対する圧力強化策はなんら打ち出せず、北朝鮮に対する国連安保理決議を履行する方針を確認しただけという期待外れの結果に終わった。終了後、ティラーソン国務長官とマティス国防長官による中国側抜きの異例の会見となった。来月7日からドイツ・ハンブルグでG20が開催されるが、この時にトランプ大統領と習近平国家主席の直接会談が行われる。米中首脳会談では7月中旬に期限の迫った中国の「100日以内行動」について話が出るとみられるが、中国側は行動を起こした場合のリスクを盾に期限の延長もしくは、「100日以内行動」そのものを拒絶する動きを見せるかもしれない。その場合、米国は同盟国と北朝鮮への軍事パフォーマンスを再開させるだろう。その意味で日米の南シナ海での警戒監視活動強化は中国への圧力強化の一環ととらえることもできる。
(トランプ大統領は米韓首脳会談で米韓関係の立て直し図る)
トランプ大統領と文在寅大統領の米韓首脳会談が29日に迫る中、文正仁外交安保特別補佐官が、米韓合同軍事演習縮小の可能性を口にした。これに対し米国国務省・エドワーズ東アジア太平洋担当報道官は「個人的な見解であり、韓国政府の政策を反映したものではない」としているが、文大統領自身も環境の調査を理由に米国韓国国内に6基配備したTHAADのうち、2基しか稼働させない方針で米韓の溝が浮き彫りになっている。29日はTHAADの稼働規模がどの程度になるのかや、米韓合同軍事演習の話などが焦点となる。
(どう出るか北朝鮮??)
25日(日曜日)からは北朝鮮の反米月間がスタートする(来月27日まで)。25日前後は日本の領海内に着水する短距離弾道ミサイルを発射する可能性がある。もうひとつの要注意日は米韓首脳会談が行われる6月29日で、ICBMをロフテッド軌道で発射する可能性もある。北朝鮮は核実験を使えるカードとして温存していくとみられるが、前倒ししてくる可能性も捨てきれない。
(日本としてできること)
北朝鮮のミサイルの射程範囲に収まっている日本では、弾道ミサイルが飛んできた場合、身をどのように守るかを案内する総務省のCMが23日から流されている。いよいよ北朝鮮の脅威が身近に迫ってきたと感じる。このCMは来月7日までオンエアされるというが、現状、日本ができることはこうしたCMを流すことや、自治体単位の避難訓練、米中韓への政治的働きかけ、日米共同の迎撃ミサイル実験の継続、その他、防衛関連施策の国内的検討などしかない。
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米国人大学生は北朝鮮に1年以上拘束された後解放され脳に障害を負った状態で帰国し死亡した。
大学生の葬儀が中西部オハイオ州で行われ、遺族や知人などおよそ2500人が出席した。会場を訪れた人たちはメッセージを書き残して大学生の死を悼み別れを告げていた。
葬儀に出席した男性は「北朝鮮は人に対してなぜこんなひどい扱いをできるのか理解できない。」と話した。
大学生の死因は明らかになっていないが米国では北朝鮮への非難が高まっている。...
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米国人大学生は北朝鮮に1年以上拘束された後解放され脳に障害を負った状態で帰国し死亡した。
大学生の葬儀が中西部オハイオ州で行われ、遺族や知人などおよそ2500人が出席した。会場を訪れた人たちはメッセージを書き残して大学生の死を悼み別れを告げていた。
葬儀に出席した男性は「北朝鮮は人に対してなぜこんなひどい扱いをできるのか理解できない。」と話した。
大学生の死因は明らかになっていないが米国では北朝鮮への非難が高まっている。
国務省のナウアート報道官はワシントンでの会見で国務省ナンバーツーや北朝鮮問題担当の特別代表を葬儀に派遣したことを明らかにし、「われわれは遺族に哀悼の意を表し続ける。」と述べた。トランプ政権は現在も北朝鮮に拘束されている3人の米国人の解放を要求するとともに核やミサイルの開発を断念させるため北朝鮮に引き続き圧力をかける方針。
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米中外交安保対話・北朝鮮に対する具体策なし(6月22日)
米国と中国両政府はワシントンで初の外交・安保対話を開催した。
北朝鮮に対する国連安保理決議を履行する方針を確認したものの具体的な圧力強化策は打ち出せなかった。
この対話では米国国務省と国防総省両長官と中国・楊潔チ国務委員や人民解放軍の高官らが協議を行った。
北朝鮮に拘束されていた大学生の死亡で米国国内では反感が高まるなか、米国は中国に「経済・外交の両面で一層強い圧力をかけることが外交的責務」と迫ったほか、核や弾道ミサイル開発中止を呼びかける方針でも一致した。...
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米国と中国両政府はワシントンで初の外交・安保対話を開催した。
北朝鮮に対する国連安保理決議を履行する方針を確認したものの具体的な圧力強化策は打ち出せなかった。
この対話では米国国務省と国防総省両長官と中国・楊潔チ国務委員や人民解放軍の高官らが協議を行った。
北朝鮮に拘束されていた大学生の死亡で米国国内では反感が高まるなか、米国は中国に「経済・外交の両面で一層強い圧力をかけることが外交的責務」と迫ったほか、核や弾道ミサイル開発中止を呼びかける方針でも一致した。米国・ティラーソン国務長官は「北朝鮮に対する国連安保理の全ての決議を履行する決意を確認した」とコメントした。
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北朝鮮に1年以上拘束された後、脳に傷害を負い深刻な容態で米国に帰国した米国人大学生・オットーワームビアが死亡した。
米国国内では今後北朝鮮に対する批判が強まると見られ現在も北朝鮮に拘束されている米国人3人の開放を急ぐ方針である。
米韓首脳会談が、10日後に迫っている。この時期に米韓の軋みが出てきている。
現在の外交安全保障分野の課題は米韓首脳会談で北朝鮮政策について上手く調整できるかどうか文正仁外交安保特別補佐官が米韓合同軍事演習縮小の可能性を発言したがそれについて今後、様々な影響が出そうだ。
これについて米国国務省・エドワーズ東アジア太平洋担当報道官はボイスオブアメリカで特別補佐官の個人的な見解で韓国政府の政策を反映したものではないと理解していると述べ、アダムス報道官も米韓合同軍事演習は警戒態勢を強化し朝鮮半島の安定を維持ためのものだと強調した。...
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米韓首脳会談が、10日後に迫っている。この時期に米韓の軋みが出てきている。
現在の外交安全保障分野の課題は米韓首脳会談で北朝鮮政策について上手く調整できるかどうか文正仁外交安保特別補佐官が米韓合同軍事演習縮小の可能性を発言したがそれについて今後、様々な影響が出そうだ。
これについて米国国務省・エドワーズ東アジア太平洋担当報道官はボイスオブアメリカで特別補佐官の個人的な見解で韓国政府の政策を反映したものではないと理解していると述べ、アダムス報道官も米韓合同軍事演習は警戒態勢を強化し朝鮮半島の安定を維持ためのものだと強調した。
韓国大統領府の関係者も特別補佐官の発言は大統領府と事前に話し合った内容ではないと述べている。
しかし今月8日、トランプ大統領が国務長官と国防長官を呼び韓国へのTHAAD配備に強硬な立場を示したことから米国では韓国との政策調整について懸念の声が出ていることは明らかなようだ。これを払拭し北朝鮮の核問題を解決するため米国の確固たる協力を確認できるのか、この会談に注目が集まっている。
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