テレビえんすぽ
テレビ放送全番組をリアルタイムで抄録
【前川前事務次官の胸中】

前川前事務次官が、突如記者会見を開いたり、テレ朝の「報道ステーション」の独占インタビューに応えるなど、自身の発言したい思いが滲み出る今回の騒動を見ていると、大きく3つのことを考えさせられた。一つ目は、「特区という官僚主導の規制を打ち破る新たな手法の難しさ」である。二つ目は、「前川氏の官僚としての拘りや矜持と国民目線との齟齬」である。最後は、「その騒動の真実がなかなか明らかにされない」という問題である。この報道ステーションによるインタビュー報道は、その解明の切り口になるかも知れないという意味で、その詳細を取り上げた。

疑問深まる公文書ガイドライン(6月22日)
先の通常国会では、大阪府豊中市の国有地売却や国家戦略特区での獣医学部新設などをめぐり、公文書や省内で共有されたメールの管理や保管のあり方などが議論となった。

野党側は公文書の管理強化などを求める法案を提出した。菅官房長官は「ガイドラインを今年度中に見直す」と述べた。政府は、職員の間で共有された文書やメールを公文書として認定して保管する場合の基準を明確にするとともに、保存期間の徹底など公文書管理の適正化に向けて、今年度中にガイドラインの見直しを行い、すべての府省庁に周知徹底を図ることにしている。...
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なお燻る「文書」のポジション(6月21日)
加計学園の獣医学部新設をめぐり文部科学省は去年10月21日に“萩生田官房副長官が文部科学省の局長と面会し官邸や内閣府の考えを伝えた発言をまとめた”とする文書について、きのう存在を認めて公表した。この文書の性質について文部科学省は“職員の個人的な備忘録で不正確な内容が含まれている。本来、共有すべきものではない”として行政文書ではないと主張した。
ところが、公文書の管理について定めた法律では行政文書は職員が職務上作成し組織的に用いるため行政期間が保管しているものと定義されている。...
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安倍総理謝罪する(6月20日)
安倍首相は通常国会の閉会を受けて記者会見し、学校法人加計学園の獣医学部新設をめぐって国民の不信を招いたことを認め、信頼回復に努める考えを示した。
獣医学部新設は時代の必要性に応える改革だとして引き続き規制改革に取り組む考えを強調した。
文部科学省や内閣府での関連文書の追加調査では最初の調査段階で存在が確認できず、二転三転する等長い時間がかかることになった。
国家戦略特区での獣医学部新設については50年以上認められず、専門家の育成、公務員獣医師の確保は喫緊の課題で、時代のニーズに応える規制改革は歪んだ行政をただすものとあらゆる岩盤規制を打ち破っていくと決意を述べた。

安倍内閣支持率急落する(6月19日)
各報道機関による週末に行った安倍内閣の支持率が報道された。

NNN世論調査で安倍内閣を「支持する」と回答した人は39.8%、「支持しない」と回答した人は41.8%だった。
加計学園の獣医学部解説をめぐる安倍首相の説明については68.6%が「納得しない」と回答。文部科学省の内部文書をめぐり「文科省に“総理のご意向”と伝えた認識は無い」とする内閣府の調査結果については68.1%が「納得しない」と回答。...
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山本地方創生大臣・安倍総理からの指示なかった(6月16日)
山本地方創大臣は「内閣府において文科省の追加調査対象となった文書のうち4種類の文書等が確認され、新たに確認された4種類の文書等とあわせ、8種類の文書等の存在が認められた。内閣府が文科省に個別の項目や個別のプロジェクトについて“官邸の最高レベルが言っている”とか、“総理のご意向”などと伝えた認識はなく、総理からもそうした指示等は一切なかった。

ただし総理が常々特区諮問会議等で規制改革全般についてスピード感をもって実現すべきという旨を発言されていることからこれを受け事務方が関係省庁と議論を行う際、こうした発言に言及させてもらうことはあったと報告を受けた」と内閣府調査結果を公表した。...
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松野文科相・会見で「文書の存在を確認した」
松野文部科学大臣は15日午後1時半過ぎから記者会見し、学校法人「加計学園」の獣医学部の新設をめぐる文書の追加調査の結果について、民進党などから提示された19の文書のうち14の文書について“前回の調査対象となった共有フォルダ以外で、新たに調査対象とした共有フォルダや個人フォルダなどに同趣旨の記述のある3つの文書を含め、同内容の文書の存在が確認できた”と述べ、2つの文書については“確認できず、残りの3つの文書については法人の利益に関わることから、存否を含め明らかにできない”と述べた。...
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松野文科相・追加調査の方針表明
学校法人「加計学園」が国家戦略特区に指定された愛媛県今治市に計画している大学の獣医学部の新設をめぐり、官邸の最高レベルが言っているなどと記された文書について、松野文部科学相は、改めて文書が省内に存在するのかどうか追加の調査を行うことを明らかにした。
文部科学省は先月、“該当文書は確認できなかった”と発表したが、当時の前川喜平事務次官は“文部科学省で作成し共有していた”と主張している。
文書を見たことがあるという文部科学省の職員は、職員の証言や世の中の批判が高まってようやく動き出したが、判断が遅かったと思うと話している。

「共有ホルダーに・・・」複数の現役職員が話している
加計学園が計画している獣医学部をめぐり、内閣府と文部科学省とのやりとりを記したとされる文書について文部科学省内の個人のパソコンだけでなく、部署ごとに設けられている共有フォルダーにも一時登録されていたと複数の現役職員が話していることが分かった。文部科学省は確認できなかったとしているが、調査は専門教育課だけで他の部署の共有フォルダーは調べていなかった。文部科学省は作成部局を調べれば十分だと考えているとしている。(NHKニュースウォッチ6月5日より)

<要約篇>平成29年6月1日放送・テレビ朝日「報道ステーション」より
出演:富川悠太(キャスター)、後藤謙次(コメンテーター)、文部科学省前事務次官・前川喜平氏、安倍晋三内閣総理大臣

「木曽参与から“よろしく頼む”と」
(前川喜平前事務次官)文部省での先輩にあたる木曽功さん(当時の内閣官房参与)がみえて、国家戦略特区における獣医学部新設の件、「よろしく頼む」という話があった。「国家戦略特区諮問会議が決定するから、その決定に文科省は従えばいい」という話だった。ご本人が加計学園の理事だから、これは加計学園の獣医学部の新設の問題だということはわかった。

「和泉総理補佐官から“総理は自分の口では言えない”と」
(前川喜平前事務次官)和泉総理補佐官は「文科省の対応を早くしてほしい。総理は自分の口からは言えないから私が代わりに言う。」と話した。はっきりと「早くやってくれ」と言われたことがあったから、これは官邸のご意向でもあるんだろうなということは分かった。

「退官した立場として」
(前川喜平前事務次官)私の座右の銘は「面従腹背」。役人の心得として面従腹背はどうしても必要だったが、(退官して)必要なくなった。だから今、「面背腹背」。38年宮仕えして、初めて自由を獲得した。私が見たこともない資料もたくさんあるとは思うが、今のところ(私が)隠しているものは見当たらない。

「総理がラジオでコメント“なぜ反対しなったのか”」
(安倍総理大臣)前次官は、(私の意向なのかどうか)確かめようと思えば確かめられた。大臣と一緒に私のところに来ればいい。一体、なんでそこで反対しなかったのか不思議でしょうがない。

「文科省は従えばいい、と言われた」前川前事務次官(17/06/01)(再生)

<詳細篇>平成29年6月1日放送・テレビ朝日「報道ステーション」より
出演:富川悠太(キャスター)、後藤謙次(コメンテーター)、文部科学省前事務次官・前川喜平氏、安倍晋三内閣総理大臣


(前川前次官インタビュー「木曽参与から“頼む”と」)
(富川)加計学園をめぐる問題はどのように動いてきたんでしょうか。 今日、前川前文部科学事務次官に話を伺ってきました。その中で、新たな人物の名前が出てきたんですね。
年表で確認します。去年の11月9日に京都産業大学が事実上断念したことによりまして加計学園と今治市に絞られたわけなんですが。この2か月ちょっと前、8月下旬に、木曽内閣官房参与が前川氏を訪れたんですね。この内閣官房参与は、実は、加計学園の理事も務めているんです。まさに、ここから大きく加計学園の問題が動き始めたと前川さんは話しています。
(以下インタビュー映像)
(前川)木曽さんの訪問が一つの転機。「よろしく頼む」という話があったんですね。私ね、座右の銘が「面従腹背」なんですよ。
(富川)この加計学園の問題が動き始めたなと思ったのは、いつごろのどんな出来事がきっかけですか?
(前川)一番私にとって大きかったな、印象深かったなと思うのは(去年の)8月下旬ですね、私の文部省での先輩にあたる木曽功さんが訪ねてみえて、事務次官室で20~30分お話をしたことがあったんですが、そのときに木曽さんからこの件、国家戦略特区における獣医学部新設の件、「よろしく頼む」という話があった。

(ナレーター)木曽功氏は、文科省の元官僚で総理に助言などを行う内閣官房参与を務めていた。更に、加計学園の理事で系列の大学の学長でもある。その人物が、「よろしく」と発言したというのである。

(前川)その際に木曽さんのお話の中で私が聞いたのは、「国家戦略特区諮問会議が決定するから、その決定に文科省は従えばいいんだ」という話だった。
(富川)じゃあ、木曽さんの口からは「獣医学部」とか「国家戦略特区」という言葉が出てきて、「加計学園」という文言は出てきてない?
(前川)「加計学園」という言葉を聞いたかどうかは覚えてませんが、(木曽さん)ご本人が加計学園の理事ですからね。これは加計学園の獣医学部の新設の問題だということはわかりました。私の次官室においだになった後、その後の文部科学省の検討の状況をお問い合わせのかたちでお電話はございました。(去年の)9月、10月にかけて2、3回だったと思います。
(富川)圧力っていうのは感じたんですか?その時点で。
(前川)ちょっと気にはなりましたけれども、圧力というほどのものではないですよね。こういう先輩からお話があったからといってですね、そこで行政のあり方をゆがめるようなことはしてはいけないと承知していたし、そういうご希望があるんだなということは、そこで分かったと。それ以上のことではないですね。

(ナレーター)そのころ、前川前次官は担当課からの説明で、加計学園の加計孝太郎理事長が安倍総理の友人だと知ったそうである。担当課は写真も示したという。

(前川)まあ、相当仲のいい方々なんだなということは分かりましたよね、その写真でね。なんとなく背景がわかったような気がしましたけどね。


(ナレーター)加計学園の木曽理事(当時:内閣参与)は「前川前次官と面会したのは事実だ」としたうえで、「面会の用向きは前川氏の退官後の身の振り方について考えを聞いてほしいと知人からの依頼を受け、意向を確認しに行った次第です。人事の話の後、雑談で私が4月から加計学園の経営する千葉科学大学の学長であることから今治市の国家戦略特区の話も出ました。話がでれば加計学園は申請をしている立場なので社交辞令として『よろしく』くらいは言うかもしれませんが、特区の県は手続きに従って進んでいたころであり具体的なお願いをする必要はありませんし、まして圧力をかける理由もありません。」とコメントした。
(VTR:「(前川氏が)木曽功氏から『早く進めてほしいのでよろしく』との話があったと明らかにした。事実関係は把握しているか?」との記者の質問。
「承知していません」との菅官房長官の応答。)
木曽氏の訪問で 事態が動き出したように感じたという前川前次官。その翌月には和泉洋人総理補佐官に呼ばれる。前川前次官の証言によると、この時和泉総理補佐官は「文科省の対応を早くしてほしい。総理は自分の口からは言えないから私が代わりに言う」と発言した。

(前川)はっきりと「早くやってくれ」と言われたことがあったので、これは官邸のご意向でもあるんだろうなということは分かりました。高圧的なとか、そういうことではなかったと記憶していますけど。
(富川)総理という言葉が直接官邸側から出てきたというのは、それまでにあったんですか?
(前川)例えば色々な改革を進める時に、総理の指示という形で指令が出るということはこれまでもありましたけど、しかしこの個別の案件で総理という名前が出てくるというのは、ちょっと私はあんまり記憶がない。

(ナレーター)このときのことについて和泉補佐官は「面会記録が残っておらず確認できません」としている。官邸や内閣府から複数のルートで獣医学部新設への対応を急ぐよう求められていたという文科省。前川前次官は官邸側に真意を問いたださなかったのだろうか。

(富川)事務次官という立場の方ですから、(総理に)聞いてみるという行動には出なかったんですか?
(前川)そこは和泉さん(総理補佐官)との関係で、和泉さんを飛び越えて「総理に確認しますけどいいですか」というような形で総理のところにいくっていうのは、これは考えられない行動ですね。すでに総理の一番そばにいる人たちの話を聞いているわけですから。
(富川)確かめてみたいという気持ちはあったんじゃないですか?
(前川)いや、確かめてみるというよりも、そう言われたらそうなんだと受け止めるべきだというふうには思いました。これは(高等教育)局長に任せておけばいい問題だと思っていたんですね。局長が頑張って筋を通してくれれば大丈夫じゃないかと思ってたんですけど、最終的には押し切られちゃった。ただそこで私がもっと頑張るべきだったと。自ら出ていって、私も内閣府に行ってこれはちょっと筋が違うんじゃないか、おかしいんじゃないかということは言うべきだったと今は反省している。

(ナレーター)安倍総理からの指示はあったのか。それとも周りが忖度した結果なのか。

(前川)総理が友達の加計さんのためになんとかしてやってくれとおっしゃったかどうかは我々はわからないんですよね。本当に筋が通っていれば総理の意向がどうであれ構わないんですよ。それが国の将来にとって本当に役に立つ、規制緩和するだけの意味があるということがちゃんと説明できるのであれば、それが総理の親友の方が運営している大学であっても全然構わないし、そこのところは本来別問題だと思っていますけども。総理との関係が原因になって、理由になって、特例が認められるというのであれば、これは特別扱い、良い特別扱いではなくて悪い特別扱いだと思いますよね。

(ナレーター)前川前次官は一連の問題で感じていることがある。

(前川)政治主導と官邸主導ということが同時並行で進んできている。特にその官邸主導が私の感覚で言えば、私の公務員人生40年近くありますけど、その間ずっと官邸の力が強くなる過程だったという気がしますね。特に小泉政権が一つのきっかけだったと思いますけど、しかしその時も各省各省それぞれの自立性、独立性というものはある程度あったと思うんですよね。

(ナレーター)前川前次官は小泉政権時代、三位一体改革で義務教育費の在り方が変わろうとした時、公然と政権に反旗を翻した過去がある。
(VTR:「国民がどこに生まれたとしても、どこに生まれて育ったとしても、一定の義務教育が受けられる保障がなければいけない。これは憲法が求めているもの。」との初等中等教育企画課長当時の前川喜平氏のコメント。)
小泉政権と今で違うことは?

(前川)総理指示という言葉もずいぶんその頃(小泉政権時代)からはやるようになったんですけど、それは明確に総理自身がおっしゃっているものだったんですよね。だから“総理指示”とか、“総理の方針”とか言われているものに対して、各省の中から「いや、反対です」とう声があったとしても、それはそれなりに受け止めてくれたような気がするんですよね。で、「まあ、よく議論しなさい」みたいな話になっていた。ところがそれが、もう少し、司令塔の所在が曖昧になっている感じがするんですね、今はね。だから確かに“指示”じゃなくて“意向”とか“お考え”とか、そういう曖昧な形で伝わってくる。その違いは確かにあるなと。曖昧な形なんだけども、それに逆らえない雰囲気があるというようなね。小泉内閣の時は「明確に言われたが明確に反対できる」というような、ある意味風通しの良さというか、明るさみたいなものがあった気がしますね。内閣人事局はなかったですからね、その頃は。(当時は)真正面から抵抗したんですよね。だけどすごく抵抗したにもかかわらず、例えばその後の人事で何か報復みたいなことがあったかというと、そんなこと全然なかったんですね。

(ナレーター)今回一連の行動に出たのはなぜなのか?

(前川)今回の行政府の中での意思決定は非常に問題がある。踏むべきステップを踏んでいない。決めたルールを守っていない。こういう形で意思決定が行われたということは、やはり国民が知るべきだと思うんですね。国民が知らなければ国民がそれを是正することもできませんから。知らないことはわからないままになってしまいますね。霞ヶ関はもう半分以上、権力に仕える装置になっていると思うんですけどね。元々、権力というものはそういうもので、確かにその権力は国民がコントロールしなければならないので、国民のコントロールの及ばない権力になってしまってはいけないんですよね。そのためには国民が知らなければいけないし、知らせる義務があるのはメディアですから。
(富川)官僚の皆さんも、なんで前川さんが加計学園のことにこれほど注力されているのかって疑問に思ってらっしゃる方がいたんですけど。
(前川)やはり間違った行政が行われたら、それはデモクラシー、民主主義の過程を経て国民が是正するべきことでありますからね。何が起きたのかということは、きちんと国民に知らせる必要があると思いますので。まあ、部内の情報が外に流出しているのは事実だと思うんですよね。流出元は複数あると思うんですけど。現役の人たちはなかなか自分の名前を出して言えないと思うので、私は少なくとも、これは私が見る限り、本当の物だということはちゃんと申し上げておきたいと思うし、それが守秘義務違反だと言われる危険性はあるんです。しかし守秘義務違反というのは本当に秘密である物をオープンにするから守秘義務違反なので、「秘」でないもの、むしろ「秘」にしてはいけないものを国民に知らせるというのは、むしろ積極的にやるべきことだと思いますし、それが無かったら本当に民主主義は成り立たないと思いますからね。
(富川)加計学園のことでも、「共有ホルダーを調べたけれども無かった」で終わっちゃって、「再調査しない」と言ってますけど…。
(前川)あまり文部科学省を責めないでください。こうするより他にないという状況に追い込まれていると思っておりまして
(富川)あるのにないと言わざるを得ない状況ということですか?
(前川)あの「ない」とは言ってないんで。「確認できなかった」と言ってるんですよね。なかったと言ったら本当に嘘になっちゃうから、「確認できなかった」というのがギリギリの説明であって、「確認できなかった」という説明をすることが先に決まっていて、確認できないように探したんじゃないかと思う。そうせざるを得ない政権中枢との力関係があると思うんですよね。

(ナレーター)もし今、自身が事務次官の立場だったら?

(前川)悩むでしょうけどね。悩みながら、文書を探すふりをして「見つかりませんでした」と言いつつ…。私ね、座右の銘が「面従腹背」なんですよ。これは普通は悪い意味で使われるんだけど、役人の心得として、ある程度の面従腹背はどうしても必要だし、面従腹背の技術というか資質はやっぱり持つ必要があるので、だから表向きとにかく、政権中枢に言われた通り「見つかりませんでした」という結論にもっていくけども、しかし“巷では次々に見つかっているという状態”ということを考えたかもしれない。

(ナレーター)事務次官を辞めた今、こうして公の場で話し始めているのも面従腹背ということなのか。

(前川)そういう面従腹背しきれなかったかというと、しきれたかもしれません。今、わたし、面従する必要がなくなったんでね。だから今、面背腹背なんですよね。けしからんと思われる方もたくさんいると思うんです。「今になって」と。でも38年宮仕えして、初めて自由を獲得したんですよ。「表現の自由」をですね、本当に100%享受できる喜びというのは、これは大変なものですよ。多くの公務員はものすごく息苦しい中で暮らしているわけですよね。もともと政治活動についてもものすごく制限されていますし、物言えば唇寒しなんてどころじゃない。「辞めた人だから気楽でいいね」と言われるが、その通りなんです。
(富川)気が楽になったところで、実はこんなの隠してるよみたいなものはないですか?
(前川)いやないです。もうないです。ないというか、見当たりません。ないですと言うと嘘になる場合もあるから。私の知らないところで起こっていたプロセスもあると思うし、私が見たこともない資料ももっとたくさんあるだろうとは思いますね。


(総理がラジオでコメント「なぜ反対しなったのか」)
(富川)先ほどニッポン放送のラジオ番組の収録のあり、そこで安倍総理が前川前次官についてコメントした。
(以下、6月1日収録のラジオ番組「須田慎一郎のニュースアウトサイダー」より)
(安倍総理)前次官がですね、私の意向かどうかということは、確かめようと思えば確かめられるんですよね。確かめられないと言ってましたが。課長だったら確かめようがないと思いますが、次官であればですね、「どうなんですか」と、大臣と一緒に私のところに来ればいいじゃないですか。一体じゃあ、なんでそこで反対しなかったのか不思議でしょうがないですね。常に改革を進めようとするとですね、強い抵抗がある。抵抗勢力があって、これにですね、政局目当てで妥協したり、あるいはそれを利用しようとしてはならないと、こう思います。むしろこの学校はですね、ずっと真面目にコツコツやって、何回もここに穴を開けようと努力を重ねてきたと私は思いますからね。

(富川)「なぜ直接来ないのか」と総理が言っていましたけれども、このことについて、前川氏としては、「和泉総理補佐官を飛び越えて総理に聞くことはできない」 ということを話していたんです。それぞれ言い分があるんですが後藤さん、どうですか?
(後藤)確か、総理動静という新聞記事の記録によりますとね、前川次官は総理に大臣と一緒に3回くらい会っているはずなんですね、この時期に。だから確かに「言えば言えた」ということは事実なんでしょうけど、なかなか役人と大臣の関係から言うとですね、大臣を飛び越えて質問を発するというのは、なかなか役人の文化の中ではないですよね。その意味では総理がそう言うのは気持ちはわかるけど、実際はできないというのが実情だと思います。
(富川)2時間ほど前川氏にインタビューしたんですが、お聞きになっていかがですか?
(後藤)これ、一貫してですね、政治と官僚の関わりがどうあるべきかということをずっと問いかけていたような気がするんですね。政と官の関係、古くて新しい問題で、今回またそれを問題提起したと思いますよね。かつては官僚の力が強すぎて、省益あって国益なしといういびつな時代もあったんですね。それはそれでいきすぎなんですが、今の首相官邸というのは内閣人事局、これを握っていまして、各省庁の局長以上の人事は全部首相官邸のお墨付きがないとできない。ここで圧倒的な力関係ができてしまったんですね。ですから、全て官邸の顔色をうかがいながら物事を進めていくというのが今の実情だと思うんですね。今回の問題については、違法ではないんですけど、私はアンフェアだと思うんですね。突然、認可をする直前になってルールが変わったり、募集期間が8日間と非常に短かい期間だったり…。これはやはり一定のルールのもとできちっとやるのが筋だと思いますね。突然、認可をする直前になってルールが変わったり、募集期間が8日間と非常に短かい期間だったり…。これはやはり一定のルールのもとできちっとやるのが筋だと思いますね。ましてや総理に近い人にそれが下ろされるということになれば、「それはないだろう」とみんな思って普通なんですね。それがいわゆる常識的なルールだと思うんですね。「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」という言葉があると思うんですが、まさにその通りで、むしろ総理はトップリーダーとして、「この人は自分に非常に近しい人だから、決定は最後にしてもらいたい」、「自分は遠慮するよ」というのが、いわゆるトップリーダーのあるべき姿じゃないかと思いますね。
(富川)そもそも「人に疑われるようなことはするな」ということですね。

元内閣参与が「よろしく」“渦中”前次官に単独取材(17/06/01)(再生)

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