在韓米軍の駐留費:米韓ともに譲歩(2月5日)
在韓米軍の分担金や協定の期間をめぐって米韓での交渉が2018年中にまとまらず、「在韓米軍駐留経費負担に関する特別協定」の期限切れとなっていたが、このほど米韓双方が譲歩することによってまとまることとなった。
2014年の協定では期間5年で、韓国の負担金は9600億ウォン(約8.6億㌦)であったが、トランプ大統領は韓国側の負担を2倍近い16億㌦まで引き上げるように要求し、期間は1年としていた。...
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在韓米軍の分担金や協定の期間をめぐって米韓での交渉が2018年中にまとまらず、「在韓米軍駐留経費負担に関する特別協定」の期限切れとなっていたが、このほど米韓双方が譲歩することによってまとまることとなった。
2014年の協定では期間5年で、韓国の負担金は9600億ウォン(約8.6億㌦)であったが、トランプ大統領は韓国側の負担を2倍近い16億㌦まで引き上げるように要求し、期間は1年としていた。現在在韓米軍は2.85万人である。
今回韓国が期間については1年で譲歩し、一方分担金については、10億㌦を超えない範囲ということで、米国が譲歩することで、新しい協定が結ばれることになった。
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目が離せないトランプ大統領の動き(1月26日)
(トランプ大統領の動き・民主党への譲歩)
トランプ大統領が民主党に譲歩し3週間にわたって政府を再開するための暫定予算案に署名すると発表した。これにより、少なくとも2月15日まで閉鎖されていた政府機関が再開されることになり、その間にトランプ大統領と民主党の交渉が続く。ただ民主党も強硬姿勢を変えておらず、トランプ大統領が対話を不調に終わったと判断すれば2月15日を待たずに再び政府機関が閉鎖される可能性や非常事態宣言が大統領権限で出される可能性もある。...
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(トランプ大統領の動き・民主党への譲歩)
トランプ大統領が民主党に譲歩し3週間にわたって政府を再開するための暫定予算案に署名すると発表した。これにより、少なくとも2月15日まで閉鎖されていた政府機関が再開されることになり、その間にトランプ大統領と民主党の交渉が続く。ただ民主党も強硬姿勢を変えておらず、トランプ大統領が対話を不調に終わったと判断すれば2月15日を待たずに再び政府機関が閉鎖される可能性や非常事態宣言が大統領権限で出される可能性もある。
(トランプ大統領の動き・2月中旬にもコーエン被告が証言に応じるか)
現在、メキシコ国境壁予算問題以外にもロシア疑惑や女性スキャンダルなど国内問題でもトランプ大統領は苦しめられている。元顧問弁護士のマイケルコーエン被告は2月7日に元不倫相手とされる女性への口止め料の問題など大統領に不利な証言をすると見られていたが、「大統領から脅迫された」との理由で出廷を拒否していた。ところが24日、議会上院の情報特別委員会がコーエン被告に議会での証言を求める強制力がある召喚状を出したため、強制的に証言台に立たされる可能性が出てきた。証言を拒めば罪に問われる可能性もあることから、一部のメディアは「2月中旬にもコーエン被告が証言に応じる」という見方を伝えている。コーエン被告はロシア疑惑解明のカギを握る人物とみられており、その証言内容によってはトランプ大統領の行く末に大きな影響を与える可能性もある。
(トランプ大統領の動き・偽証や司法妨害の罪に問われているストーン被告)
一方、トランプ大統領の盟友で選対顧問を務めたロジャーストーン被告が起訴された。ストーン被告は大統領選中、ロシアにハッキングされたとされるメールに関し、ウィキリークスの創始者アサンジ氏と頻繁に連絡を取り合っていたにも関わらず、議会の調査に対して「連絡はしていない」というウソの証言をしたとされ、米国議会に対する偽証や司法妨害の罪に問われている。こうした様々な問題が次々と浮上してきていて、特に2月中旬までの期間はトランプ大統領にとって大きな試練になるかもしれない。
(米国不在の中、韓国・文大統領が反日路線・日本の孤立化を図る)
一方、徴用工問題、慰安婦問題、レーダー照射問題、低空威嚇問題など日本に対しては次々と反日姿勢を鮮明に打ち出してきている韓国。その中心にいるのは南北融和路線を強力に推し進めている韓国・文大統領である。お目付け役だったマティス国防長官が解任されたこともあり、米国の目を気にすることなくやりたい放題にやっているという印象である。3月1日には韓国臨時政府発足100年の記念式典を南北共同で企画し、世界に向かって日本の過去を批判するプロパガンダ作戦を展開しようとしている。実を言えば2000年に韓国で初めて三菱重工を相手に元徴用工の裁判を起こしたのも、当時弁護士だった文大統領であり、徴用工問題では南北共同調査を提案したり、日韓合意により設立された慰安婦支援財団の解散を表明するなど、様々な反日的行動を見せている。文大統領が失脚しない限り、現在の日韓関係が改善に向かうのは難しいのかもしれない。そんな韓国国内では社会主義に共感する親北朝鮮・親中国陣営と自由主義を信奉する陣営に分かれ内戦状態になっていると指摘する専門家もいる。24日には「徴用工の判決を故意に遅らせた」との理由で前韓国最高裁・ヤンスンテ長官が逮捕されたが、韓国で最高裁長官が逮捕されるということはかってなかった事態だという。今後、韓国国内でどのような動きが出てくるかということにも注意を払っておく必要がある。3月中にはベトナムで2度目となる米中首脳会談が開かれる可能性が高いが、北朝鮮の非核化プロセスに話が進んだ場合、その非核化費用を日本に負担させようとしているとの指摘も一部からは聞こえてきている。日米韓の連携がこれ以上こじれると日本だけがババを引かされる可能性もないとはいえない。
(中国、日本は?)
3月1日は韓国臨時政府発足100年の記念式典以外にも重要なイベントを控えている。米国が中国への追加関税を猶予すると決めた90日の期限がこの日にやってくる。この日までに中国から(1)技術移転の強要、(2)知的財産権保護、(3)非関税障壁、(4)サイバー攻撃、(5)サービスや農業分野の市場開放などの分野で「具体的な何か」を示さなければトランプ政権は関税引き上げに再び動くとしている。ファーウェイの問題も含め猶予期間・協議中での米中の動きにもアンテナを張っておく必要がある。一方、1月中に行われるとされていた事実上のFTA交渉である日米物品貿易協定(TAG)交渉の開始が、米政府機関の一部閉鎖を理由に2月以降に先送りとなっている。TAG交渉妥結の山場と見られているのは6月のトランプ大統領の来日だが、TAG交渉の動きを今後とも見守っていきたい。
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激変する日本を取り巻く環境(1月13日)
(カルロスゴーン被告の長引く拘留)
日本を取り囲む国際環境が激変してきている。一つ目は日産自動車前会長・カルロスゴーン被告の逮捕をきっかけにした日仏関係の悪化である。この事件が起きる前までは「フランスにおける日本年」イベントが大々的に喧伝され、プロジェクションマッピングでエッフェル塔に日の丸が映し出されるほど日仏関係は良好であった。その流れがゴーン逮捕によって一気に変わった。事件の背後には日産とルノーの統合を推し進めたいマクロン大統領の意向が働いていた。...
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(カルロスゴーン被告の長引く拘留)
日本を取り囲む国際環境が激変してきている。一つ目は日産自動車前会長・カルロスゴーン被告の逮捕をきっかけにした日仏関係の悪化である。この事件が起きる前までは「フランスにおける日本年」イベントが大々的に喧伝され、プロジェクションマッピングでエッフェル塔に日の丸が映し出されるほど日仏関係は良好であった。その流れがゴーン逮捕によって一気に変わった。事件の背後には日産とルノーの統合を推し進めたいマクロン大統領の意向が働いていた。すでにマクロン大統領は経済産業デジタル大臣だった頃からこの考えを持っており、2018年2月、ゴーン被告にルノーの会長続投と引き換えにルノーと日産の経営統合を行うことを約束させたと言われている。それによってマクロン大統領は日産のハイブリッド車などの技術をルノーに移転させることを目論んでいた。この動きを事前に察知した日産側が司法取引をうまく援用し、ゴーン逮捕に至った。しかしフランスは黙っていなかった。メディアをたくみに使い、ゴーン被告の出身地であるブラジルやレバノンまで巻き込んで、外交問題化させる手法で日本に対する逆襲を開始した。論点をすり替え、ゴーン被告への日本の司法の粗悪な取り扱いに世界のメディアに注目を向けさせ、日本の司法の歪みを猛批判してきている。これを機会に日本の司法制度を見直す契機にするべきかも知れない。
(韓国は北朝鮮を巻き込み反日を鮮明に)
二つ目はレーダー照射問題、徴用工問題をきっかけに関係回復の糸口が見えない日韓関係も問題となっている。韓国は北朝鮮まで巻き込み3月1日に南北共同で「独立運動100周年」記念行事を開催する予定であり、北朝鮮と共に韓国が日本に対して外交的にも政治的にも牙を向いてくる可能性が高くなっている。レーダー照射問題でも数か国語に翻訳したビデオを公開したように日本を国際社会で孤立させようとする広報活動を展開してくる可能性もある。この動きでフランスが韓国支持に回ることもないとは言えない状況になっており、韓国は国際社会の顔色をうかがいながら日本を孤立させる動きに出てくるかもしれない。
(原発を推進する日本への国際社会の不信感)
三つ目は日立製作所が英国で進めていた原発建設計画が頓挫しつつあることである。3兆円規模に膨らんだ事業への出資企業を確保することが困難となったために計画を凍結するというが、背景には原発事故を起こした当事国である日本が原発を売っているという国際社会の不信感がある。凍結した場合の損失は少なくとも2900億円にのぼるという。海外での原発建設をめぐっては、政府と三菱重工業などによるトルコでの建設計画も暗礁に乗り上げるなど、安倍政権が目玉に掲げる原発輸出政策は岐路に立たされている状況といえる。
(商業捕鯨再開が観光や五輪に影響?)
四つ目はIWCを離脱し、商業捕鯨を再開する方針を表明したことが国際社会を敵に回す可能性があることである。国際会議や環境保護団体から日本が目の敵にされることはすでに予想がつくが、反捕鯨国と日本の関係が悪化することも懸念される。特に反捕鯨国で知られるオーストラリアとの関係はしっくりこなくなるかもしれない。不思議なことに反捕鯨国で知られる英国は日本の商業捕鯨再開について沈黙している。一方で国際社会は以前のように一枚岩ではなくなってきており、これまでの理想主義的価値観だけでは立ち行かなくなってきていることもある。日本は冷静に世界の動きを注視してく必要がありそうだ。
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最先端の技術国家というポジションは維持できるか(1月7日)
(注目される米国および北東アジアの動き)
現在、GDPの1位、2位、3位を擁する米国および北東アジアは世界で最もダイナミックな経済地域であり、最も注目を浴びている地域でもある。一方で、これらのエリアには安全保障上の懸念も多く、今後、米中覇権争いの煽りを受けて、容易ならざる事態に直面する可能性もある。北東アジアはデジタル革命の最先端を走っているともいわれており、デジタル化のほぼ全領域をこれらのプレーヤーたちがリードしているという。...
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(注目される米国および北東アジアの動き)
現在、GDPの1位、2位、3位を擁する米国および北東アジアは世界で最もダイナミックな経済地域であり、最も注目を浴びている地域でもある。一方で、これらのエリアには安全保障上の懸念も多く、今後、米中覇権争いの煽りを受けて、容易ならざる事態に直面する可能性もある。北東アジアはデジタル革命の最先端を走っているともいわれており、デジタル化のほぼ全領域をこれらのプレーヤーたちがリードしているという。米国の横やりが入ったものの、ファーウェイが高性能・低価格の5Gスマホやその回線基地のリーディング企業であることは間違いなく、世界で初めて中国が月の裏側へ無人探査機による軟着陸を成功させたことは、ハイテク宇宙開発分野でも中国が世界をリードしていることを示している。米国はGAFA、中国はバイドゥ、アリババ、テンセントなどの巨大プラットフォーム企業群を有し、デジタルエコノミーでも市場を席捲している。国家社会主義の強みを生かし14億人から集めたビッグデータを使い中国はテクノロジーを進化させている。今後、中国は「量から質へ」の新常態(ニューノーマル)に突入し「中国製造2025」の実現に向けてスピードを上げていくとみられる。GDP世界第3位の日本は東京五輪や大阪万博を控え、米中覇権争いの調整弁としての役割やサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムや、キャッシュレス化を伴う経済発展と少子高齢化などの社会的課題の解決を両立する新たな未来社会ソサエティ5.0を押し進めている。一方、あえて日本へ生産拠点を移す動きもあり、日本には半導体や電子部品などのものづくりやiPS技術等などの先端医療分野においても強みがあり、最先端の技術国家というポジションをどう維持していくかが今後の課題となる。
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冷え込む日韓関係・韓国の敵対行動の背景(1月5日)
(レーダー照射問題・韓国が日本に猛反論)
北朝鮮とは融和路線を強く打ち出す一方で、韓国は日本に対し慰安婦問題、徴用工問題、自衛隊機へのレーダー照射した問題で、立て続けに日本に対し敵対的な姿勢を打ち出している。特にレーダー照射については戦闘行為直前に行う行為であり、日本にとっては看過できない行為である。防衛省としては、照射を韓国側が認めないことに抗議する一方、韓国国防省は北朝鮮の遭難船を探すための探索レーダーのみを使用していたと双方の主張は真っ向から食い違っている。...
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(レーダー照射問題・韓国が日本に猛反論)
北朝鮮とは融和路線を強く打ち出す一方で、韓国は日本に対し慰安婦問題、徴用工問題、自衛隊機へのレーダー照射した問題で、立て続けに日本に対し敵対的な姿勢を打ち出している。特にレーダー照射については戦闘行為直前に行う行為であり、日本にとっては看過できない行為である。防衛省としては、照射を韓国側が認めないことに抗議する一方、韓国国防省は北朝鮮の遭難船を探すための探索レーダーのみを使用していたと双方の主張は真っ向から食い違っている。こうした中、韓国国防省は日本側に反論するための動画を公開し、「自衛隊機が危険な低空飛行を行った」との主張を展開している。韓国駆逐艦上空を低空で飛行した事実はないとしている日本側に対して、「上空150メートルまで日本側が接近し、非紳士的な偵察活動で威嚇した」と猛反論し、防衛省が公開した映像に字幕をつけて自らを正当化している。日本側が「韓国側から応答がなかった」と発表したことについては、当時、韓国海軍が記録した哨戒機の音声を新たに公開し、「雑音がひどく明確に聞こえなかった」と主張し、「もし火器管制レーダーが照射されたなら哨戒機は回避行動を取るはずだが、駆逐艦に再び接近する常識外の行動を見せた」として、日本側に説明を要求した。さらに低空飛行の定義について「日本は国際法を恣意的に歪曲して解釈している」と批判し、謝罪すべきだと訴えている。防衛省は今後客観的なデータをもとに防衛当局間の協議を通じて反論する考えを明らかにしていく方針。
(韓国が日本に敵対的な行動をとる背景は何か)
韓国は今になって敵対的な姿勢を日本に対してとるのかについては、様々な見方がある。その一つとしては、支持率がこのところ急降下している文大統領が国内的に日本に対して弱腰とみられないように虚勢を張っているとの説や、文政権としては、親北朝鮮路線を明確にする為にも日本との距離を置き、北朝鮮への接近を続ける可能性も感じざるを得ない。ここは文政権の日本への対応や対処を凝視してゆかなくてはならない局面と言える。
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