米国政府「瀬取り」の台湾企業などに(8月31日)
米国財務省は30日、北朝鮮に対する国連の制裁決議に違反したとして、台湾と香港の海運会社3社などに対し、資産を凍結するなど米国独自の制裁を科すと発表した。
洋上で船から船に積み荷を移す「瀬取り」の手口で北朝鮮に石油を密輸したということで、このうち台湾の会社の代表は去年4月から5月にかけて、フィリピンに運ぶとうその届け出をした上で、石油製品約170万リットル(ドラム缶で8500本分)を公海上で北朝鮮の船に渡したという。...
全部読む
米国財務省は30日、北朝鮮に対する国連の制裁決議に違反したとして、台湾と香港の海運会社3社などに対し、資産を凍結するなど米国独自の制裁を科すと発表した。
洋上で船から船に積み荷を移す「瀬取り」の手口で北朝鮮に石油を密輸したということで、このうち台湾の会社の代表は去年4月から5月にかけて、フィリピンに運ぶとうその届け出をした上で、石油製品約170万リットル(ドラム缶で8500本分)を公海上で北朝鮮の船に渡したという。
米朝の非核化協議が進まない中、北朝鮮は先週、リヨンホ外相が談話を出し、「米国が対決姿勢を捨てずに制裁で立ち向かおうというなら誤算だ」として、米国への反発を露わにしている。
米国財務省は「違法な瀬取りに関わった者には今後も制裁を科していく」と強調していて、北朝鮮が非核化に応じなければ制裁による圧力を強めていく姿勢を改めて示した。
閉じる
北朝鮮:最高人民会議で憲法修正(8月30日)
29日、北朝鮮は4月に最高人民会議を開催したのに続き、今年2回目となる最高人民会議を開催した。会議では憲法の修正が議題となり、国務委員長の権限を強化し、国務委員長は代議員(国会議員に相当)を務めないことが明示された。
3月に行われた代議員選挙の当選者の名簿に、金正恩氏の名前がなかったことが注目されていたが、国務委員長は代議員を務めないことが、憲法で明確にされたわけである。
会議では、崔竜海最高人民会議常任委員会委員長が、第一議題の報告を行い、「金正恩同志の指導の下、社会主義強国の建設をさらに推進するための法律的担保として朝鮮社会主義憲法の修正案が提出された」ことが明らかにされ、新しい憲法の条文では、国務委員長の法的地位や権能に関連し、国務委員会委員長は最高人民会議で選挙され、代議員としては選挙しない、ことが明らかにされた。...
全部読む
29日、北朝鮮は4月に最高人民会議を開催したのに続き、今年2回目となる最高人民会議を開催した。会議では憲法の修正が議題となり、国務委員長の権限を強化し、国務委員長は代議員(国会議員に相当)を務めないことが明示された。
3月に行われた代議員選挙の当選者の名簿に、金正恩氏の名前がなかったことが注目されていたが、国務委員長は代議員を務めないことが、憲法で明確にされたわけである。
会議では、崔竜海最高人民会議常任委員会委員長が、第一議題の報告を行い、「金正恩同志の指導の下、社会主義強国の建設をさらに推進するための法律的担保として朝鮮社会主義憲法の修正案が提出された」ことが明らかにされ、新しい憲法の条文では、国務委員長の法的地位や権能に関連し、国務委員会委員長は最高人民会議で選挙され、代議員としては選挙しない、ことが明らかにされた。また国務委員長は最高人民会議の法令、国務委員会の重要政令と決定を公布し、他国に駐在する外交代表を任命、または召喚することが付け加えられた。
これにより国務委員長の法律的地位がさらに強化されたことになる。
第二議題は人事で、最高人民会議常任委員会副委員長がこれまでの金永大議員から朴勇一議員に変わり、また内閣総理の提議により、孫英訓氏が内閣事務長に新たに任命された。
韓国聯合ニュースによると、当日は687名が出席したが、金正恩委員長は中央電視台の画面には映らなかったという。金正恩政権になって以来これまで10回最高人民会議がなされているが、参加したのはうち7回であった。
また1年に2回最高人民会議が開催されたのは2012,14年に続いて3度目になる。
非核化問題や米韓との外交問題が話し合われたどうかは不明だが、議題とならなかった可能性が高い。
なお憲法は本年4月の最高人民会議でも一部修正されており、そのときは国務委員長が「国家を代表する」とされた。また金正恩政権になってからは2012年、13年、16年に各々憲法に修正が加えられている。
閉じる
北朝鮮・金委員長の権限強化(8月30日)
北朝鮮で国会にあたる最高人民会議が開かれ、金正恩委員長の権限を強化する憲法の改正などが決まった。一方、金委員長自身は出席せず、注目されていた非核化をめぐる米朝協議についても触れられなかった。
北朝鮮国営の「朝鮮中央テレビ」は昨夜のニュースで、国の基本政策や国家機関の人事などを決める最高人民会議が開かれたと伝えた。
最高人民会議はことし4月にも開かれていて、1年に2回開くのは2014年以来。...
全部読む
北朝鮮で国会にあたる最高人民会議が開かれ、金正恩委員長の権限を強化する憲法の改正などが決まった。一方、金委員長自身は出席せず、注目されていた非核化をめぐる米朝協議についても触れられなかった。
北朝鮮国営の「朝鮮中央テレビ」は昨夜のニュースで、国の基本政策や国家機関の人事などを決める最高人民会議が開かれたと伝えた。
最高人民会議はことし4月にも開かれていて、1年に2回開くのは2014年以来。今回の最高人民会議では憲法が改正され、金正恩朝鮮労働党委員長が兼任している国務委員長の任務として、外国に駐在する外交の代表を任命することなどが加わり、金委員長の権限が強化された。
4月の最高人民会議では、金委員長が出席して米国との関係などについて演説したが、今回は出席せず注目されていた非核化をめぐる米国との協議についても触れられなかった。
閉じる
北朝鮮、韓国との対話は「時間の無駄」(8月27日)
26日に北朝鮮の「祖国平和統一委員会」が運営するメディアである「我が民族同士」は「南朝鮮当局者とはこれ以上話すことも、向かい合って座ることもない。時間の無駄だ」と報じた。
祖国平和統一委員会は8月16日にも、文在寅大統領が15日の光復節に行った演説のなかで、南北対話は平和経済に言及したことに対し、妄言だと述べていたが、米韓合同軍事演習が終わったにも関わらず、韓国非難と韓国を相手にせずの主張を繰り返している。...
全部読む
26日に北朝鮮の「祖国平和統一委員会」が運営するメディアである「我が民族同士」は「南朝鮮当局者とはこれ以上話すことも、向かい合って座ることもない。時間の無駄だ」と報じた。
祖国平和統一委員会は8月16日にも、文在寅大統領が15日の光復節に行った演説のなかで、南北対話は平和経済に言及したことに対し、妄言だと述べていたが、米韓合同軍事演習が終わったにも関わらず、韓国非難と韓国を相手にせずの主張を繰り返している。
合同軍事演習が終わった後の24日には北朝鮮は新型のロケット砲を発射したこととあわせて、米韓への挑発を続けていることになる。さらにGSOMIAを韓国が破棄したことで、米韓の亀裂が入ったことを利用して、韓国ではなくて、米国のみを北朝鮮の交渉相手とすることを鮮明にした。
閉じる
度重なるミサイル発射をこのまま放置して良いのか(8月26日)
(北朝鮮がまたしてもミサイル発射)
24日、北朝鮮が7月末以降通算7回目となる短距離弾道ミサイル発射実験を行った。実に2週間に3回の実験を行っている計算になり、異常な状況である。これに対し日本政府が何の声明も出さないことについては驚きを禁じ得ない。日本も射程に入りかねない武器の実験が目の前で展開されているにも関わらず、政治もメディアもこの案件で北朝鮮を批判するトーンはなぜか抑え目だ。北朝鮮が発射したミサイルは韓国を狙ったものであり、まるで日本には関係ないかのような無責任なコメントも目立つ。...
全部読む
(北朝鮮がまたしてもミサイル発射)
24日、北朝鮮が7月末以降通算7回目となる短距離弾道ミサイル発射実験を行った。実に2週間に3回の実験を行っている計算になり、異常な状況である。これに対し日本政府が何の声明も出さないことについては驚きを禁じ得ない。日本も射程に入りかねない武器の実験が目の前で展開されているにも関わらず、政治もメディアもこの案件で北朝鮮を批判するトーンはなぜか抑え目だ。北朝鮮が発射したミサイルは韓国を狙ったものであり、まるで日本には関係ないかのような無責任なコメントも目立つ。北朝鮮には異なる発射方法を試してデータを集め、容易に撃ち落されない武器開発に生かす狙いがあるとみられる。24日に発射した飛翔体について北朝鮮メディアは新兵器である超大型多連装ロケット砲の試験射撃と伝えている。政府高官によれば、対北朝鮮弱腰姿勢の背景にあるのは日本人拉致問題の解決に全面協力を表明し、2020年大統領選に向けて北朝鮮との融和を進めたいトランプ大統領への配慮があるようだ。だが、トランプ大統領は北朝鮮の短距離ミサイル発射について「どの国もやっていること」として許容する意向を示しており、韓国がGSOMIAを破棄した今、国際社会は金正恩委員長にやりたいようにできる機会を与えてしまっているように見える。フランスで行われた日米首脳会談でトランプ大統領は「私は短距離ミサイルは好きではない。なぜなら晋三の領土に関わるからだ。しかし、金党委員長は我々の合意には違反していない」と切り出した。これに対し安倍首相は、「日本は短距離弾道ミサイルを国連の決議違反であると思っているし、短距離のミサイルの発射については極めて遺憾である」と答え日米の北朝鮮への温度差が目立った。
閉じる
「北朝鮮を追う」内の検索