米国は年末までに北朝鮮に対する考え方を変えよ(10月28日)
北朝鮮のアジア太平洋平和委員会の金英哲委員長が27日談話を発表し、米国が北朝鮮に対する敵対政策を止めず、北朝鮮の忍耐心を誤って判断していることを強く非難し、年末前には北朝鮮に対する新しい考え方を示すように促した。
さらに米国が国連の第一委員会の会議で、北朝鮮が自国の防衛力を高めているとして、米朝対話を安易に行うことはできず、北朝鮮がFFVD(最終的、全面的、検証可能な非核化)の新しい提案をしなければならないなどと非難した、として米国を非難した。...
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北朝鮮のアジア太平洋平和委員会の金英哲委員長が27日談話を発表し、米国が北朝鮮に対する敵対政策を止めず、北朝鮮の忍耐心を誤って判断していることを強く非難し、年末前には北朝鮮に対する新しい考え方を示すように促した。
さらに米国が国連の第一委員会の会議で、北朝鮮が自国の防衛力を高めているとして、米朝対話を安易に行うことはできず、北朝鮮がFFVD(最終的、全面的、検証可能な非核化)の新しい提案をしなければならないなどと非難した、として米国を非難した。
また米国のこのような敵対的な言動は朝米関係を幾度か脱線の危機目前まで来させたが、今日まで関係を維持できたのは朝米両首脳が親密な関係にあったからだが、何事にも限界はあり、両国首脳が親密な関係にあるからといって、いたずらに時間を引き延ばすことができると考えているならば、それは大いなる妄想である、とも述べている。
金正恩委員長は今年の「新年の辞」や4月12日の最高人民会議で、米国との交渉の期限を年内までと区切っていた。その年末が近づいたことから、改めて金英哲氏の談話を発表したものと思われる。ただし今回金英哲氏は労働党の副委員長の肩書ではなく、アジア太平洋平和委員会委員長の肩書での談話の発表は、労働党と一線を画しているとのサインなのだとしたら、本音は米国に対話に応じてくれ、ということなのだろう。米朝首脳の親密な関係を強調していることも、対話を希望していることの表れだろう。
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朝鮮戦争の参戦記念日、中朝各々の報道(10月27日)
10月25日は1950年6月に始まった朝鮮戦争に中国の志願軍が参戦した日である。69周年となる同日、北朝鮮と中国の党の機関紙である「労働新聞」と「人民日報」は各々参戦について報じている。
「労働新聞」では「中国の党と政府と人民は建国初期の多くの困難をものともせず・・・志願軍を朝鮮戦線に派遣して朝鮮人民の正義の偉業を血潮を流して援助し」と述べ、その結果両国は「互いに血と生命を捧げて結ばれた戦闘的友誼と真実な信頼で固く結合されている」親善関係となったと述べている。...
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10月25日は1950年6月に始まった朝鮮戦争に中国の志願軍が参戦した日である。69周年となる同日、北朝鮮と中国の党の機関紙である「労働新聞」と「人民日報」は各々参戦について報じている。
「労働新聞」では「中国の党と政府と人民は建国初期の多くの困難をものともせず・・・志願軍を朝鮮戦線に派遣して朝鮮人民の正義の偉業を血潮を流して援助し」と述べ、その結果両国は「互いに血と生命を捧げて結ばれた戦闘的友誼と真実な信頼で固く結合されている」親善関係となったと述べている。さらに最後には両国首脳がこの1年余で5回も対談しており、両国の親善関係の強化と発展に不滅の業績を積み上げた、と現在のことにも言及している。
一方「人民日報」では「漫画新中国史」のなかで「抗米援朝」の題名で参戦に至った経緯や停戦までの様子が描かれている。
米軍を中心とする国連軍が仁川に上陸し、38度線に迫る中、金日成から援軍を要請され、毛沢東は「荒廃した国家は復興半ばであり、海空軍は創設されたばかりであり、陸軍の装備も劣るなかで、どれほどの犠牲を払わなくてはならないのか」と悩みながらも北朝鮮を支援することを決め、「抗米援朝、保家衛国」のスローガンの下、志願軍が北朝鮮に赴いたのであった。激しい戦闘の末、1953年7月に停戦協定が結ばれるのだが、この戦争は米国が「勝てなかった戦争」であった、とされている。
また米軍の行動の背後には台湾を共産主義が拡大する「橋頭保」にしたいとの思惑もあると中国は見ていたことも描かれているが、全体を通じて「鮮血で固められた中朝の友誼」という決まり文句はどこにもない。
なお26日の「人民日報」では、平壌の友誼塔に中朝双方が献花を行い、「抗米援朝」戦争で犠牲になった烈士に哀悼の意を表した、との記事が掲載された。
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北朝鮮、中国に希土類の採掘権を、太陽光発電所への投資を要求(10月26日)
24日ロイター社が伝えるところによると、北朝鮮が自国内のレアアースの採掘権を中国に譲渡するかわりに、中国に太陽光発電所への投資を依頼しているという。中国希土類協会がHP上に掲載されていたもの。
中国のレアアースの生産量は世界の70%を占めているが、北朝鮮にも膨大な埋蔵量があるとみられている。
中国希土類協会のHPによると、北朝鮮の内陸地に250万キロワットの太陽光発電所を建設するための費用は25億㌦前後になるとみられる。...
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24日ロイター社が伝えるところによると、北朝鮮が自国内のレアアースの採掘権を中国に譲渡するかわりに、中国に太陽光発電所への投資を依頼しているという。中国希土類協会がHP上に掲載されていたもの。
中国のレアアースの生産量は世界の70%を占めているが、北朝鮮にも膨大な埋蔵量があるとみられている。
中国希土類協会のHPによると、北朝鮮の内陸地に250万キロワットの太陽光発電所を建設するための費用は25億㌦前後になるとみられる。北朝鮮は長く電力不足に悩まされているが、この発電所が建設されれば、電力不足は緩和されることになる。
瀋陽総領事館にいる北朝鮮の官員は「今北朝鮮に投資を行うのは絶好の時期である」と述べ、今年が中朝国交樹立70周年にあたるので、中国との交渉も容易であろう、と述べたという。
ただしこのことに関しては、中国希土類協会の関係者は、北朝鮮側の「一方的な願望」に過ぎないとして、中国側に利点があるかどうかは疑わしいとした。さらにある有識者は、北朝鮮への投資の安全性には問題があり、多くの企業が不安をもっている、と語っていた。さらに現在北朝鮮との希土類の取引は国連の経済制裁の対象となっていることから、実現性は低いものと思われる。
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北朝鮮、金剛山の施設撤去を韓国に要求(10月26日)
25日韓国の統一部は、北朝鮮から金剛山の韓国側施設を、合意した期間内に韓国が撤去するようにと要求する通知文が届いたことを明らかにした。同時に詳細については、書面の交換によって協議したいと述べているという。金正恩委員長が金剛山の韓国側施設を撤去するようにと指示したことが23日の「労働新聞」などで伝えらえていた。
韓国側としては、施設の財産権を維持しつつ、金剛山の特別な用途を鑑みて、「有意義な解決方法」を探りたいとしている。...
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25日韓国の統一部は、北朝鮮から金剛山の韓国側施設を、合意した期間内に韓国が撤去するようにと要求する通知文が届いたことを明らかにした。同時に詳細については、書面の交換によって協議したいと述べているという。金正恩委員長が金剛山の韓国側施設を撤去するようにと指示したことが23日の「労働新聞」などで伝えらえていた。
韓国側としては、施設の財産権を維持しつつ、金剛山の特別な用途を鑑みて、「有意義な解決方法」を探りたいとしている。
韓国のなかでは、北朝鮮が金剛山の施設の撤去を言い出したのは、南北協力事業が進展しないことへの不満の表れではないかとの見方が多い。
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北朝鮮、米国との年内交渉に期待か(10月24日)
北朝鮮の金桂寛外交部顧問は24日、金正恩委員長とトランプ大統領との親交が続いていることに言及しつつ、米国が年末までに賢く過ごすことを期待する旨の談話を発表した。米朝首脳会談を年内に開催することに期待を寄せたものと見られる。
米朝間では今月5日にスウェーデンで、米朝首脳会談に向けた実務者協議が行われたが、北朝鮮側は「決裂した」と述べ、米国側は継続に含みのある発言をしていた。
また金正恩委員長は、ハノイでの米朝首脳会談が決裂した後に、今後の非核化交渉の期限を年末までと区切っていた。...
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北朝鮮の金桂寛外交部顧問は24日、金正恩委員長とトランプ大統領との親交が続いていることに言及しつつ、米国が年末までに賢く過ごすことを期待する旨の談話を発表した。米朝首脳会談を年内に開催することに期待を寄せたものと見られる。
米朝間では今月5日にスウェーデンで、米朝首脳会談に向けた実務者協議が行われたが、北朝鮮側は「決裂した」と述べ、米国側は継続に含みのある発言をしていた。
また金正恩委員長は、ハノイでの米朝首脳会談が決裂した後に、今後の非核化交渉の期限を年末までと区切っていた。ただし米国では間もなく来年の大統領選挙にむけた選挙戦が本格化することや、トランプ大統領自身がウクライナゲート疑惑やシリア問題などに忙殺されて北朝鮮問題どころではなくなっている可能性もある。もっともトランプ大統領としては北朝鮮問題で成果を見せられそうであれば、他の問題から国民の目をそらすためにも、金正恩委員長との対話を優先することもあり得よう。
なお在韓スウェーデン大使館は、米朝実務者協議が再開できるように、米朝双方に招待状を送る計画があると明らかにした。
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