中国鄭州市、洪水による停電被害がもたらした「デジタル暗黒時代」(2021/07/30)
大洪水に見舞われた中国の河南省。広範囲にわたる停電により、インターネットに依存してきた住民の日常生活に様々な支障をきたしたという。鄭州の何百万人もの人々は、基本的なコミュニケーション、交通手段、食料の購入、さらには人々の生命維持に苦労した。
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『エポックタイムズ』 によると、中国人の日常生活は多くの場面で、スマートフォンと連携しているという。老若男女を問わず、銀行口座と連動した国内開発のアプリを使って、携帯電話で商品やサービスの代金を支払っている。そのため、今回の洪水でスマートフォンへのインターネット接続が遮断された鄭州の市民は、オンライン決済ができなくなったため、食料品を含む様々な商品やサービスの注文が不可能になってしまった。
7月22日に中国のソーシャルメディアに掲載された「災害後の鄭州:都市が突然インターネットを失ったとき」という記事では、同市の住民の消費習慣の急激な変化が詳しく紹介されている。...
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『エポックタイムズ』 によると、中国人の日常生活は多くの場面で、スマートフォンと連携しているという。老若男女を問わず、銀行口座と連動した国内開発のアプリを使って、携帯電話で商品やサービスの代金を支払っている。そのため、今回の洪水でスマートフォンへのインターネット接続が遮断された鄭州の市民は、オンライン決済ができなくなったため、食料品を含む様々な商品やサービスの注文が不可能になってしまった。
7月22日に中国のソーシャルメディアに掲載された「災害後の鄭州:都市が突然インターネットを失ったとき」という記事では、同市の住民の消費習慣の急激な変化が詳しく紹介されている。記事によると、現金での取引が可能な店もあれば、物々交換に頼らざるを得ない店も出てきた。フードデリバリーサービス、ホテル、タクシーなどが、電力不足の影響を受け、電気を失った都市は、技術的に20年ほど後退した状態に陥ったという。
記事はさらに、災害支援は限られており、飲料水を手に入れるのは難しく、陥没した穴の周りで交通を誘導しているのは、当局ではなく善良な一般市民だと報告している。
香港の『サウスチャイナモーニング・ポスト』 は、鄭州市の何百万人もの人々は、大規模な洪水によって市内全域の電力が失われたことで、インターネットにどれほど依存しているかを知ることになったと報じている。
過去数十年の間に、中国では多くの都市部が本格的な「スマートシティ」に生まれ変わり、生活のあらゆる場面でデジタル化が進んでいた。大多数の人々は、商品の購入、タクシーの手配、病院の予約、地下鉄での通勤、公共料金の支払いなどをスマホ決済で行っている。鄭州が電力とインターネットを失ったとき、人々は突然「デジタル暗黒時代」に放り込まれた。
生死に関わる事態も起こっている。鄭州大学第一付属病院の救急部門で勤務する王という名字の医師によると、停電に伴いICUの生命維持装置も停止したという。病院は非常用電源を最も重篤な患者に迅速に回さなければならず、1万人以上の患者が電気の供給がより安定した別の地区の病院に移された。
交通機関もダウンした。テンセントニュースは、安全性を考慮して鄭州でタクシーの配車サービスアプリが停止されたと報じた。まだ路上を走っている数少ないタクシーは、現金での前払いを求めている。鄭州では80%以上のタクシーが電気エンジンに切り替わっていたという。
鄭州で起きたことを見て、ある人々は、将来の災害にどのように備えるべきかを考えるきっかけになったとコメントしている。中国SNSウェイボーには、「鄭州で起きたことを見て、私のサバイバルリストにポータブル電源バンクを加えた」と書き込む人もいれば、缶詰、救急箱、トランシーバー、現金、金塊など、様々なサバイバル必需品が提案された。
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中国、大雨に続き台風6号「インファ」の上陸で数十万人が避難(2021/07/26)
大雨による被害を受けたばかりの中国で、今度は台風6号が東海岸に上陸してきた。上海では日曜日の早朝に数万人が避難した。
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『NBC』 によると、国営新聞「チャイナ・デイリー」は、未曾有の洪水が中国中央部の広大な地域を襲い、100万人以上が家を追われた後、上海の南端に位置する奉賢区では約33万人の住民が避難したと伝えている。台風6号が上陸した後、浙江省は時速100キロの暴風に見舞われ、250~350ミリの雨が降ると予測されている。
人口約2600万人の上海では、当局が市民に屋内待機を命じ、上海浦東国際空港と上海虹橋国際空港の発着便は欠航が相次いだ。...
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『NBC』 によると、国営新聞「チャイナ・デイリー」は、未曾有の洪水が中国中央部の広大な地域を襲い、100万人以上が家を追われた後、上海の南端に位置する奉賢区では約33万人の住民が避難したと伝えている。台風6号が上陸した後、浙江省は時速100キロの暴風に見舞われ、250~350ミリの雨が降ると予測されている。
人口約2600万人の上海では、当局が市民に屋内待機を命じ、上海浦東国際空港と上海虹橋国際空港の発着便は欠航が相次いだ。国営テレビが伝えたところによると、26日にはさらに多くの便が欠航する可能性があるという。また上海では、大雨のため、多くのサービスやビジネスが休業となり、地下鉄の運行が減便または停止とされた。
中国では、つい数日前に記録的な大雨が河南省の省都である鄭州を襲い、車が流されたり、人々が取り残されたりして、少なくとも58人が死亡した。
米『エポックタイムズ』 によると、人口1200万人の鄭州は、7月17日に大雨が降り始めて以来、最も被害の大きかった地域のひとつで、その後の4日間で、市内では617.1ミリの雨が降った。これは年間平均の640.8ミリにほぼ匹敵する。
また、鄭州から西へ車で約1時間の距離にある鞏義市や、北東へ車で1時間以上の距離にある新郷市など、近隣の都市でも大規模な洪水が発生したという。
7月24日の午後遅く、中国国営メディア新華社は、河南省で58人が死亡したと発表した。しかし、河南省に住むWang Ying氏は、『Epoch Times』 の取材に対し、公式統計に疑問を呈した。
Wang氏は、各地で死者数が発表されるはずだが、実際の死者数は反映されないだろうと語った。例えば、7月20日の洪水で、主要幹線道路にあるトンネルでは数百台の車が閉じ込められたものの、トンネルでの死者も含めた数字として、今回の大雨の犠牲者数は58人だったと発表されている。
香港の『サウスチャイナモーニング・ポスト』 によると、人口密度の高い鄭州市の中心部を通る2キロメートルのトンネルでは、頻繁に交通渋滞が発生し、雨季には渋滞が悪化するという。同紙は、今回の大雨によりトンネルは5分ほどで浸水し、トンネル内には数百台が閉じ込められたと伝えている。
Wang Ying氏はまた、今回の洪水は自然災害ではなく、中国政府が貯水池の水を流す前に公表しなかったことによる人災であると指摘している。中国政府は、今回の洪水を「千年に一度の大雨」だったと伝えている。しかし、中国当局は、7月20日午前10時30分頃、鄭州の上流に位置する貯水池からの放水を開始した。その数時間後に河南省の首都が浸水したが、放流について公表されたのは7月21日の早朝だった。
ネットライターとして活動しているWang Dejia氏は、『エポックタイムズ』 に対し、「実際の死亡者数や行方不明者数は謎に包まれたままになるだろう。中国当局にとっては、救助活動よりも、情報封鎖を行うことが重要であり、人々の命は取るに足らないものである」と語っている。
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