5月3日打上げの中国月探査ロケット、チャンゲ6号は仏製ラドン検出器搭載(2024/05/04)
『フランス国際ラジオ局(RFI)』5月3日付けによると、昨年の中国月探査船が持ち帰った採取サンプルを近平主席からフランス側に提供したのに続き、今回の月探査ロケットでは、フランス側の科学者が設計したラドンガス検知器DORNを搭載しており、中国とフランスの科学技術協力関係をさらに深めることとなった。
DORNは、ラドンガスの飛散状況を検出する目的で製作されており、フランスのトゥ―ルーズにある宇宙物理学研究所IRAPで試作され、検出器の大きさはA4用紙2枚分である。ラドンガスは、重い貴ガスに属しているが、月の表面で開放し、ラドンガスの移動を測定することでフランス宇宙局の専門家が興味を持っている月面の’水‘に関する情報を入手したいと考えている。
ラドンガス検出器DORNの発案者の1人でIRAPのメスリン研究員は「この検出器の目的は、ラドンガスが、着陸地点から月の極地までどのように移動するかを知ることである。...
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DORNは、ラドンガスの飛散状況を検出する目的で製作されており、フランスのトゥ―ルーズにある宇宙物理学研究所IRAPで試作され、検出器の大きさはA4用紙2枚分である。ラドンガスは、重い貴ガスに属しているが、月の表面で開放し、ラドンガスの移動を測定することでフランス宇宙局の専門家が興味を持っている月面の’水‘に関する情報を入手したいと考えている。
ラドンガス検出器DORNの発案者の1人でIRAPのメスリン研究員は「この検出器の目的は、ラドンガスが、着陸地点から月の極地までどのように移動するかを知ることである。月面の水分については極地で氷の貯蔵庫が観測されている。従って、月面での水分の移動に関してもラドンガスの移動測定から何らかのヒントが得られると期待している。」と語った。
DORNは5月3日早朝、中国の月探査ロケット、チャンゲ6号に搭載されて中国南部の海南島ウェンチャン宇宙基地から打ち上げられた。
今回の中国の探査ロケットでは月の裏側の月面のサンプル(2kg)を採取後、53日後には地球に持ち帰り、詳細な分析を行うことを主な目的としている。
地球から遠く離れた宇宙空間で、フランスと中国が学術協力するのは今回が初めてのケースとなり、プロジェクトを進める上での両国間の学術文化の違いを乗り越えられるかに関心が寄せられている。
5月3日に打ち上げられた中国月探査ロケット、チャンゲ6号は、仏製ラドンガス検知器DORNを搭載して、1か月後の6月2日には月面着陸することが予定されている。
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ベニス:観光客の数を制限するため、5ユーロの入場料を徴収する(2024/04/26)
『フランス24チャンネル』4月25日付けによると、イタリアの観光都市ベニスは、観光客の過密状態を緩和するため、4月25日木曜日と5月から7月までの混雑時期に町に入る観光客には、5ユーロの入場料を徴収する実験的な試みを実施する。ベニス市の助役は、入場料を設けた目的として、市の観光と市民生活の調和を取るためだとしている。
4月25日からベニス駅に降り立った旅行者は、ベニス市への入場券(5ユーロ)をQRコード経由でチャージさせられる。ベニス市での試みは、世界で初めてとなるが、これで市内での観光客の過密状態を幾らかでも解消したいと考えている。
ベニス市中央駅のサンタルチア駅前の優雅な広場に、オンライン登録用のQRコードを表示した入場券売り場が設けられた。今回のベニス市でのテーマパークまがいの観光客に対する‘5ユーロの入場料システム’は、2024年中の29日(4月25日:祝祭日と5月から7月の各週末)に限られて実施されるという。...
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4月25日からベニス駅に降り立った旅行者は、ベニス市への入場券(5ユーロ)をQRコード経由でチャージさせられる。ベニス市での試みは、世界で初めてとなるが、これで市内での観光客の過密状態を幾らかでも解消したいと考えている。
ベニス市中央駅のサンタルチア駅前の優雅な広場に、オンライン登録用のQRコードを表示した入場券売り場が設けられた。今回のベニス市でのテーマパークまがいの観光客に対する‘5ユーロの入場料システム’は、2024年中の29日(4月25日:祝祭日と5月から7月の各週末)に限られて実施されるという。
一方、スペインなどでは、観光客の過密状態に対する市民の反対運動が起こっていて、地方自治体に対し、住民への福祉と、経済活動として重要となる観光産業の間に折り合いをつけることを要求している。
なお、ベニス市の観光客に対する入場料システムでは、たかだか5ユーロ(=約800円)の少額を設定し、観光客の数に上限を設けていないなどの緩い規制となっているが、このシステムが成功するか、各方面から注目されている。
ベニス市の観光担当の助役によると、「このシステムは、外国人観光客に対してではなく、専らベニス市近郊の住民がこれまで好き勝手にベニス市に訪れてきたのを抑制するために設けた。」と語った。
ベニス市への入場料は、日中(8:30~16:00)に旧市街を訪れる観光客に適用され、自分のQRコードを決められたサイトにダウンロードする必要がある。
これに違反した観光客には、一応50~300ユーロの罰金が科されることになっている。なお、入場料は多くの除外項目があり、例えば14才未満の未成年者や学生に対しては免除されるという。
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