ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席(61歳)が9月21日、病気のために死去した。国家主席はベトナム憲法上の元首で、同国共産党書記長(グエン・フー・チョン氏)に次ぐ権力序列2位である。米国務省も、現職の政治指導者の突然の死を悼み、哀悼の意を表明するプレス・リリースをしている。また、国連総会開催初日に、参加全193ヵ国代表によって黙祷が捧げられた。
9月22日付米
『米国務省プレス・リリース』:「ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が急逝」
私たちは、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席の急逝の報に接し、深く哀悼の意を捧げます。
同国家主席は、米国・ベトナム両国間の友好関係維持・強化に邁進され、かつ、インド太平洋地域における平和、相互協力、繁栄、安全保障促進に当り大いなる貢献をしてくださった。
私たちは、同国家主席の功績を称える一方、ご家族やベトナム同胞の方々とともに、深い悲しみに沈んでいます。...
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9月22日付米
『米国務省プレス・リリース』:「ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が急逝」
私たちは、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席の急逝の報に接し、深く哀悼の意を捧げます。
同国家主席は、米国・ベトナム両国間の友好関係維持・強化に邁進され、かつ、インド太平洋地域における平和、相互協力、繁栄、安全保障促進に当り大いなる貢献をしてくださった。
私たちは、同国家主席の功績を称える一方、ご家族やベトナム同胞の方々とともに、深い悲しみに沈んでいます。
9月21日付フランス『AFP通信』:「ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席逝去、享年61歳」
ベトナム国営メディアは9月21日、クアン国家主席が逝去した旨報道した。
グエン・クオック・チュウ保健相は同メディアに対して、同国家主席が1年程前から日本での治療を検討していたが、容体が急変して9月20日に緊急入院した後、逝去したと語った。
同相によると、同国家主席は“稀少なウィルス”に侵されていたという。
同国家主席は2016年4月から現職で、国家元首として主に国家的行事を司っていたが、それ以前の40年余り、公安相として強硬派の政治家と呼ばれていた。
しかし、病魔に侵されていたためか、先日インドネシアのジョコ・ウィドド大統領をハノイで出迎えた際は、痩せて顔色も悪く、また足元も覚束ない状態であった。
なお、ベトナムにおける政治の実権は共産党書記長(グエン・フー・チョン氏)に握られているため、現職の国家主席の逝去ではあるものの、同国の政治局面に大きく影響を与えることはないとみられる。
また、9月23日付ベトナム『ベトナム・ピクトリアル』紙:「国連総会で、急逝したチャン・ダイ・クアン国家主席を悼んで黙祷」
9月23日に開会した国連総会において、総会議長を務めるマリーア・フェルナンダ・エスピノーサ=ガルーサ国連大使(エクアドル)が同国家主席の逝去について、同総会参加193ヵ国代表に告げた。
そして、同議長の提案に従って、同国家主席の逝去を悼み、全参加者が1分間の黙祷を捧げた。
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