タイ保健省は中国のシノバック製ワクチンを2回接種した医療従事者600人以上が新型コロナウイルスに感染したと発表している。タイのワクチン接種は殆どがシノバック製で、看護師1人の死亡例もあり、今後、別のワクチンでの3回目の接種も検討されている。
7月11日付
『ロイター通信』は「シノバック製ワクチン接種のタイ医療従事者数百人がコロナ感染」との見出しで以下のように報道している。
タイの保健省は11日、中国のシノバック製ワクチンを2回接種した医療従事者600人以上が新型コロナに感染したと発表。当局は免疫力を高めるため3回目の接種を検討しているという。
4月から7月で医療従事者67万人のうち618人が感染。看護師1名が死亡しており、1名が重症だという。...
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7月11日付
『ロイター通信』は「シノバック製ワクチン接種のタイ医療従事者数百人がコロナ感染」との見出しで以下のように報道している。
タイの保健省は11日、中国のシノバック製ワクチンを2回接種した医療従事者600人以上が新型コロナに感染したと発表。当局は免疫力を高めるため3回目の接種を検討しているという。
4月から7月で医療従事者67万人のうち618人が感染。看護師1名が死亡しており、1名が重症だという。専門家パネルは医療従事者の免疫を上げるため、今後到着する別のワクチンでの3回目の接種を推奨。同国の昨年以来の感染者数は約33万人、死者1700人となっている。
2月以降タイの医療従事者など最前線にいる人の殆どはシノバック製ワクチンを接種しており、アストラゼネカ製が到着したのは6月。今月末に米国からファイザー製ワクチン150万回分が提供される予定で、10月以降は発注済の2000万回分が到着予定。
隣国インドネシアでもシノバック製ワクチンが使用されており、医療従事者にはモデルナ製ワクチンで3回目の接種を行う予定だと9日発表している。
同日付タイ『Thai PBS』は「シノバック製ワクチンはアルファ株やデルタ株にほぼ有効性なし」との見出しで以下のように報道している。
チュラロンコン大学医学部のタイ赤十字感染症ヘルスサイエンスセンターのスタッフを被験者とした抗体テストによると、シノバック製ワクチンを2回接種した被験者の抗体レベルは初期段階の90%から急減し、30~40%まで減少していたことが分かったという。
ワクチンを2回接種した被験者のうち70%で、アルファ株(UK型)やデルタ株(インド型)変異種にはほぼ有効性がないという。
医療従事者の間では、ワクチン2回接種後、最初は感染例はなく、感染者が出始めても症状は軽いものに留まっていた。しかしその後、感染者が増加し、肺疾患に至るケースも出たが死亡には至らなかった。ところが、病院に勤務する30歳の看護師が体調を崩し、5日後に死亡した。
今後は医療の最前線にいる人に向けた3回目の接種の必要性が急務とされる。新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)は、医療従事者や60歳以上の高齢者、そして基礎疾患のある人向けに、米国からのファイザーとBioNTech製ワクチン150万回分を配分予定だとしている。
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