英国では先月23日からロックダウン(都市封鎖)状態に入っているが、この実施後、家庭内暴力ホットラインに寄せられた電話やネットでの相談件数が25%増加したという。ロックダウンや「ソーシャル・ディスタンス」(距離の確保)が継続すると、被害者が加害者と多くの時間を蜜に過ごす傾向があり、結果として虐待や自由の制限の脅威が高まるとされている。
4月5日付英国
『BBC』は「新型コロナウィルス:ロックダウン後の家庭内暴力相談件数25%増と慈善団体」との見出しで以下のように報道している。
Refuge(家庭内暴力の支援をする英国の慈善団体)によると、英国のロックダウン実施後、家庭内暴力ホットラインの電話やネットでの相談や支援要請件数が25%増加した。2週間前と比べ先週は電話相談が数百件増加。
これは自粛制約により、家庭内での緊張感が高まり、逃げ場を失うことによるという。...
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4月5日付英国
『BBC』は「新型コロナウィルス:ロックダウン後の家庭内暴力相談件数25%増と慈善団体」との見出しで以下のように報道している。
Refuge(家庭内暴力の支援をする英国の慈善団体)によると、英国のロックダウン実施後、家庭内暴力ホットラインの電話やネットでの相談や支援要請件数が25%増加した。2週間前と比べ先週は電話相談が数百件増加。
これは自粛制約により、家庭内での緊張感が高まり、逃げ場を失うことによるという。他のサービスや啓蒙活動でも増加が見られたという。数日前助けを求めてきたある女性は、ロックダウンから状況が変わったという。パートナーから半年間に渡り心身共に虐待を受けてきたが、ロックダウンを機に一層激しくなったという。
全英の家庭内暴力ホットラインのホームページへのアクセスは先週150%上昇。ソーシャル・ディスタンスが継続すると、家庭内暴力や殺人事件が増加するともいわれ、「隔離」をコントロールする手段として加害者が悪用することもあるという。ロックダウンや自己隔離中は、女性や子どもは加害者と多くの時間を蜜に過ごす傾向があり、結果として虐待や自由の制限の脅威が高まる。警察は、ロックダウン中に家庭内で被害に遭う女性や男性も警察に報告しサービスの支援を受けるべきだとする。
4月4日付英国『ガーディアン』は「ロックダウン後の家庭内暴力件数が急増」との見出しで以下のように報道している。
ロックダウンと病気によるスタッフ不足により、女性への十分な支援を行えない慈善団体もあるという。家庭内暴力の被害者を支援する25以上の団体で、コロナ蔓延が始まってから、相談件数が増加している。その一つ 「Chayn」は、先月ホームページへのアクセス数が前年同月比で3倍以上になったという。
119団体への調査によると、前線でのサービス需要が高まる一方で、多くの団体は主要なサービスを減らさざるを得ない状況だという。多くの団体では対面や電話でのサポートをしているが、4人に1人は成人の被害者への技術的な障害や被害者に会えないこと、又はスタッフの病気などにより、効果的なサポートが出来ていない。
一方で、政府による被害者の緊急支援への要求が高まっている。この困難な時期に命を守るための被害者への支援の重要性が認識されてきている。
暴力はパンデミックの結果として増加傾向にある。最初にウィルスが見つかった中国の湖北省でも、2月のロックダウン期間中の家庭内暴力報告件数が3倍以上となったとされている。
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