【健康のおはなし】
第六十二回 手根管症候群
手指のしびれ・痛みが感じられた場合には手根管症候群の可能性がある。初期には痛みが強いことが多く、進行するとしびれだけになる。注意したいのはしびれだけの場合、脳卒中や糖尿病、首の病気など手以外の病気の可能性があることだ。脳卒中はからだの片側にしびれや麻痺が出る。糖尿病は初期には症状がない。進行すると末梢神経に障害が出て、手以外にも足にもしびれが出てくる。
手のひらの付け根にある手首の骨と靭帯に囲まれたトンネルに正中神経が通っている。その隣に9本の腱が通っている。手根管症候群はこの腱を覆う膜が炎症を起こして腫れ正中神経が圧迫され正中神経が通っている小指以外にもしびれが出てくる。 手根管症候群の原因はよくわかっていないが、妊娠、出産期や更年期の女性に多く、女性ホルモンのバランスの乱れが関係しているのではないかと言われている。 NHK「きょうの健康」6/11放送分を参照。 第六十一回 がん治療と仕事の両立
がんは極めて身近な病気でもある。日本人の2人に1人が人生のどこかでがんと診断されているが、そのうち約3割は働く世代。
3分の1から4分の1の人ががんと診断された際、職場を退職すると報告されている。十分な能力があるにも関らず、職場に迷惑をかけたくないと早まった決断をする人も少なくない。言葉のイメージに振り回されないことが何よりも重要だし、病気を完全に治してから復職するというのももう時代遅れ。現代は治療と仕事の両立が常識。 がんと聞くと多くの人が治らない病気を連想し労働者としての戦力外通告のように考えがちだが、がんは必ずしも命に関る病気とは限らない。 最新のデータを見ると治癒の目安とされる5年生存率はすべてのがんで平均約6割。なかには8割、9割を超える種類もありがんは今や長く付き合う慢性病になりつつある。 手術、抗がん剤、放射線療法、ホルモン療法など複数の方法を組み合わせて行うのが一般的で以前なら入院が必要だった治療も通院でできるようになった。 従業員ががんになった場合、職場の担当者が病状について本人や主治医から正確な情報を得ることがとても重要になる。数は少ないが従業員が職場に病院を報告した直後に状況を把握せずにいきなり配置転換や退職勧告がなされるケースもあった。...
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第六十回 虫歯菌を殺してくれるヨーグルト!
口腔微生物の研究一筋30年の二川浩樹氏によると、食べるだけで虫歯菌を殺してくれるヨーグルトがあるという。それはL8020菌。
虫歯になったことのない人を集めその唾液を調べその中の乳酸菌を分離して虫歯菌に強い効果を持つ菌を捜したのだという。 8020の意味は80歳で20本の歯を残そうという意味。 L8020を2週間食べ続けた25人のグループと普通のヨーグルトを2週間食べ続けた25人のグループで実験したところ、L8020を食べたグループは8割以上虫歯菌が口の中から減ったという。 L8020は心臓病や脳血管障害、糖尿病や肥満の原因となる歯周病菌にも強く4割から9割減らせるという。朝か昼、歯磨きをした後で食べると効果的だという。 フジ「ホンマでっか!?TV」5/25放送分を参照。 第五十九回 まぶたのたるみ・簡単予防法!!
人はゲゲゲの鬼太郎の右目のように老化するに従い、まぶたが垂れ下がり目が見えにくくなる傾向がある。これらは全て腱膜の損傷と深いかかわりがある。
まぶたと目をつなげているうすい膜を腱膜と呼ぶが、この腱膜がちょっとした物理的刺激ではずれてしまうためだ。腱膜損傷は花粉症やアレルギー、メイク落とし、ハードコンタクトの長期着用などまぶたを強くこすることや目の疲労などが原因で起こる。 腱膜を回復させるためには、手術をするしか無いが、驚くことに腱膜損傷による視界の狭さをメークによって十分補うことができるという。 今、いろんなタイプの目元パッチリメーク道具が出ている。例えばファイバータイプ、テープタイプ、のりタイプのものがあるのでまずは自分にあったものを選ぼう。 接着剤をまぶたにつきやすい状態にしておくことが大事。まぶたをクレンジングオイルで浸した綿棒などで軽くふいておき肌をさらさらな状態にしておくこと。 まぶたが重めの人はのりを幅広につける(テープタイプを利用する人は2本使用する)とよい。半乾きの状態(半透明)になったところでスティックでもちあげる。その時に一緒に目をあけ、しばらくキープし最後に微調整をすることがポイント。...
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第五十八回 “骨の老化”の話
骨の老化といえば一番最初に思いつくのが骨折を引き起こす骨粗しょう症。加齢や偏った食生活の影響で骨密度が低下し、骨がすかすかになる病気だ。これを防ぐにはカルシウムをよく摂り、普段から骨の老化を防ぐ必要がある。ところが近年、それだけでは骨の老化が防げないことがわかってきた。
近年、骨密度が正常でも簡単に骨折してしまう新型骨折が増加しているが、その原因は骨がサビてしまうことにあった。骨のサビつきは、カルシウムを十分摂っている人にも起こっている。これは一体なぜなのか。 東京慈恵会医科大学整形外科・斎藤充准教授によると骨のサビつきの原因は骨に糖分が付着して骨の一部が悪玉物質になってしまうことだという。サビつくと骨はもろくなり折れやすくなってしまうのだ。 コラーゲンとカルシウムがあるからこそ骨は硬さを保ちながら必要なときにはしなって衝撃を吸収できているが、甘いものを食べ過ぎると余った糖分が骨のコラーゲンに付着し、その一部が悪玉物質に変化してしまう。 するとしなやかだったコラーゲンがかちかちの状態になり、骨密度は十分でも折れやすい骨になってしまう。 骨に糖分がついてしまう原因は糖分の摂り過ぎから起こる高血糖と活性酸素がある。...
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