【日本の技術】
神奈川県とマリーナ運営会社など・“藻場”増やす共同研究へ(2月2日)
海藻が茂り様々な海の生き物が集まる“藻場”を増やそうと、神奈川県と県内のマリーナ運営会社「リビエラリゾート」「ブルーカーボンベルトリビエラ研究所」が共同で研究を進めることになった。
相模湾では海藻をウニや魚が食べ尽くす“磯焼け”が問題になっている。逗子市のマリーナでは県水産技術センターが発見した通常より繁殖期間が短い“早熟カジメ”が育てられており、今後周辺の藻場への影響を調査する。
研究成果を相模湾一帯に広げていくほか、海岸清掃などを行い豊かな海を守りたいとしている。
手触り感・共有できる技術・技能継承など活用期待(2月1日)
人が物に触れた際に感じる手触り感をデータ化して、ほかの人と共有できる技術が開発された。繊細な作業が求められる伝統工芸の技能の継承などで活用されることが期待される。
NTTドコモが、慶應義塾大学や名古屋工業大学と共同で開発したこの技術は、人が物に触れた際に指先で感じる手触り感を専用の機器で再現できる。
具体的には、指先につけたセンサーで物に触れたときに皮膚が感じ取る僅かな振動を周波数として計測し、そのデータを基に、手に握った半球型の専用機器を振動させることで感覚を再現する。...
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人が物に触れた際に感じる手触り感をデータ化して、ほかの人と共有できる技術が開発された。繊細な作業が求められる伝統工芸の技能の継承などで活用されることが期待される。
NTTドコモが、慶應義塾大学や名古屋工業大学と共同で開発したこの技術は、人が物に触れた際に指先で感じる手触り感を専用の機器で再現できる。
具体的には、指先につけたセンサーで物に触れたときに皮膚が感じ取る僅かな振動を周波数として計測し、そのデータを基に、手に握った半球型の専用機器を振動させることで感覚を再現する。
こうしたシステムで手触り感をデータとして保存することで、職人の繊細な指先の感覚など、さまざまな手触り感をほかの人と共有できるということで、伝統工芸の技能の継承などで活用することが期待できる。
また、洋服の生地などの手触り感を確認することもできることから、ネット通販での活用も期待できるとしている。
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食料危機に対応を“代替シーフード”開発(1月18日)
世界的な食糧危機に対応しようと日本ハムが代替シーフードを開発した。
海老をイメージした業務用のポップコーンシュリンプと白身魚をイメージしたフィッシュフライで、業務用と家庭向けに今年3月から順次発売予定。
大豆など植物由来の原材料を使い海藻成分で魚の風味や食感を再現したという。
魚介類の消費量は世界的に拡大が続き水産資源の不足による将来の食糧危機への対応が課題となっている。
日本の基幹産業の将来占う異業種連携(1月14日)
ソニーグループとホンダが合弁会社「ソニー・ホンダモビリティ」を立ち上げて以来、第一弾となる「アフィーラ(AFEELA)」のプロトタイプが米国ラスベガスの家電・IT展示会「CES」で公開され、未来を先取りしていると評判となった。
「アフィーラ」はAutonomy(進化する自律性)、Augmentation(身体・時空間の拡張)、Affinity(人の協調、社会との共生)と3つのAをコンセプトに掲げ、2025年以降、北米や日本での発売を見込んでいる。...
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ソニーグループとホンダが合弁会社「ソニー・ホンダモビリティ」を立ち上げて以来、第一弾となる「アフィーラ(AFEELA)」のプロトタイプが米国ラスベガスの家電・IT展示会「CES」で公開され、未来を先取りしていると評判となった。
「アフィーラ」はAutonomy(進化する自律性)、Augmentation(身体・時空間の拡張)、Affinity(人の協調、社会との共生)と3つのAをコンセプトに掲げ、2025年以降、北米や日本での発売を見込んでいる。
ソニー・ホンダモビリティの川西代表取締役社長兼COOは、メカ的な色彩が強かったそれまでの携帯電話を例に挙げ、「携帯電話がスマートフォンになり、ものすごくシンプルで洗練されたものに変わったが、モビリティのデザインもスマートフォン同様にこれからシンプルでクリーンなものに変わっていく」との考えを持っている。
川西氏の言葉が示す通り、「アフィーラ」の外見は流線形で未来的であり、従来の車とはかなりかけ離れた、洗練された外見となっている。それだけではない。「アフィーラ」のドアにはノブがなく、近づくと自動的に開く。ドア近くに内蔵されたカメラやセンサーがドライバーや家族を自動認識しているのである。
「アフィーラ」は「移動するAV空間」と評されている。エンジン技術に定評があるホンダは単なる自動車メーカーに留まらず、ジェット機や二足歩行ロボットなど、先端技術を開発する抜きん出た技術力を持っている。
一方、ソニーはセンサー開発力やカメラ技術に強みを持ち、インターネットに絡め映画や音楽、ゲームなどエンターテインメントの引き出しを多く持っている。この2社がお互いの得意技を持ち込んだことによって「アフィーラ」を未来の車にしている。
日本の自動車産業はEV化の波にやや出遅れてしまったことは否めず、日本の基幹産業は観光にその座を譲りつつあるとも言われるが、ソニーとホンダの実験的試みが日本の自動車産業の意地を見せることにつなげられるのか注目していきたいところである。
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電力を調整する日本の技術力(1月7日)
再生可能エネルギーの大量導入が期待される中でボトルネックとなっているのが、日本の電気のしくみ全体にかかわる「系統制約問題」である。
発電や送電、変電や配電のために使う電力設備がつながって構成するシステム全体を「電力系統」と呼ぶが、このシステムの中で特に重要なのが需要と供給のバランスをとることで、需給のバランスが崩れると周波数が乱れて発電機や工場の機器に悪影響を及ぼし最悪、ブラックアウト(大規模停電)につながることもある。...
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再生可能エネルギーの大量導入が期待される中でボトルネックとなっているのが、日本の電気のしくみ全体にかかわる「系統制約問題」である。
発電や送電、変電や配電のために使う電力設備がつながって構成するシステム全体を「電力系統」と呼ぶが、このシステムの中で特に重要なのが需要と供給のバランスをとることで、需給のバランスが崩れると周波数が乱れて発電機や工場の機器に悪影響を及ぼし最悪、ブラックアウト(大規模停電)につながることもある。
国同士が陸つづきの欧州では、網の目のように電力網が張りめぐらされた「メッシュ状」になっているため電気の融通が簡単に行なえるのに対し、日本はエリアごとに需給が管理される串団子のようなつながり方をしていて特にバランスが崩れやすい。
加えて太陽光や風力のような再生可能エネルギーは天候や時間帯で供給量の差が大きく、需要と供給のバランスを崩しやすい。こうした「系統制約問題」が再生可能エネルギーの普及を妨げる要因にもなっている。
蓄電池開発を手掛ける東大発のスタートアップ企業「エクセルギーパワーシステムズ」は三井不動産とタッグを組み、千葉県柏市で「系統制約問題」に対処するための実証実験を夏に行う。乱れた電力の需給バランスを検知すると、1秒未満で電力供給可能な新型蓄電池を使い、停電を防ぐことができるという。
三井不動産は柏市で得られたデータを使い東京・日本橋でも実証実験を展開していきたい考えである。
電力を調整する日本の技術力に注目していきたい。
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