トランプ大統領の新型コロナウィルス感染報道に、中国では歓喜の声【米・中国メディア】(2020/10/03)
トランプ大統領夫妻が、新型コロナウィルス(COVID-19)に感染していることが判明した。同大統領から散々敵視された中国では、多くの人がソーシャルメディア上で“COVID-19を軽視した罰が当たった”と言及すれば、国営メディアは、劣勢が予想される大統領選を延期させるための巧妙な作戦だ、とまで酷評している。
10月2日付米
『バイス』オンラインニュース:「トランプ大統領のCOVID-19感染報道に対する中国ソーシャルメディアの反応」
ドナルド・トランプ大統領及びファーストレディーのメラニア・トランプ氏がCOVID-19感染していることが判明し、自主隔離することになった。
数週間後に大統領選を控えた時期の現職大統領の感染報道に、米政治への影響が懸念される。
しかし、中国においては、数百万のインターネットユーザーが、10月2日に飛び込んできた驚くべきニュースに対して、驚いただけでなく、気晴らしだと感じたり、またシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ感情、注後記)を表した。...
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10月2日付米
『バイス』オンラインニュース:「トランプ大統領のCOVID-19感染報道に対する中国ソーシャルメディアの反応」
ドナルド・トランプ大統領及びファーストレディーのメラニア・トランプ氏がCOVID-19感染していることが判明し、自主隔離することになった。
数週間後に大統領選を控えた時期の現職大統領の感染報道に、米政治への影響が懸念される。
しかし、中国においては、数百万のインターネットユーザーが、10月2日に飛び込んできた驚くべきニュースに対して、驚いただけでなく、気晴らしだと感じたり、またシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ感情、注後記)を表した。
同ニュースは、まるで山火事のように僅か数分間でインターネット上に拡散し、ミニブログサイト微博(ウェイボー)では瞬く間にトップ・トレンドとなった。
同ブログ上でも、COVID-19の恐ろしさを無視しただけでなく、中国発症の感染症だと何度も繰り返していたリーダーが感染したとして、食後のおいしいデザートのような甘美な話だと言ったり、罰が当たったと罵倒したりしている。
また、中国国営メディアも10月2日、同大統領の感染につき大々的に報道し、中には、“劣勢となっている大統領選の投票日を延期させるための巧妙な作戦だ”との評論家コメントをも紹介している。
同大統領はこれまで、COVID-19を過小評価してきていた。
3月に全米で都市封鎖措置が講じられた際でも、同大統領は、感染症専門家が恐れる程深刻な感染症ではないと何度も述べている。
その上で、保健当局から大勢の集会は控えるようにとの警告が出ているにも拘らず、大統領選支持者集会を強行開催し、また、しばしばマスク不着用で登壇していた。
更に、陽性が判明する数時間前には、選挙関連の会食の席上、“COVID-19の終焉が見えてきた”とし、“来年は史上最高に素晴らしい年になる”とまでアピールしていた。
南カリフォルニア大(1880年設立の私立大学)政治学・国際関係部の中国専門家のスタンリー・ローゼン教授は『バイス』のインタビューに答えて、“中国は国を挙げてCOVID-19対策に取り組んできたので、習近平(シー・チンピン)国家主席が感染することなど考えられない”とし、“中国が抑え込んだに比べて、現職大統領が感染してしまうとは、米国は何と愚かにもCOVID-19を軽んじたことか、と多くの中国人は思っているはずだ”とコメントした。
なお、アジアのその他の国々でも注目され、フィリピンではハッシュタグ“#トランプ陽性”がトップ・トレンドに、シンガポールでは“トランプ”、“メラニア”、“COVID”が検索トップとなる等、数百万人がツイートしている。
同日付中国『チャイナ・ナショナル・ニュース』:「トランプ大統領感染のニュースに中国では様々な反応」
『新華社通信』は、トランプ大統領自身の感染ツイートに基づいて詳報しているが、『人民日報』は、一面掲載だが数行触れただけである。
中国外交部(省に相当)は、トランプ夫妻の早期快復を祈念するとコメントした。
しかし、『環球時報』の胡錫進(フー・チーチン)主筆は、“トランプ夫妻は、COVID-19を軽視した罰が当たった”とし、“これで、米国におけるCOVID-19感染が依然深刻であることが明らかになった”と辛らつにツイートしている。
一方、独立系学者の張同祖(チャン・トンチュー)氏は、中国以外の多くの国の指導者が感染しているのに、何故中国では、国家主席はもとより、首相や中央政治局委員等幹部の誰一人として感染していないのか、と素朴な疑問を呈している。
(注)シャーデンフロイデ:自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。「損害」「害」「不幸」などを意味する "Schaden" と「喜び」を意味する "Freude" を合成したドイツ語。
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米メディア;中国発の新型コロナウィルス集団感染問題を契機に日中関係雪解け促進と報道(2020/02/27)
周知のごとく、中国発の新型コロナウィルス集団感染問題は収束どころか、世界各地に飛び火している。そうした中、米国含めた多くの国が、“中国人お断り”と、このときとばかり中国廃絶運動を展開している最中、日本が友好の証として、心温まる支援を行っていることについて中国政府も市民も感謝していると米メディアが報じている。ただ、第二次大戦時から続く両国間の長い確執に漸く雪解けが訪れるようとしていると好意的に論じているものの、大戦中の南京大虐殺の犠牲者が30万人と、当時の当該地域周辺の総人口とほぼ同じ犠牲者数であることの非現実性に言及することなく、中国側の根拠のない言い分をそのまま掲載していることは気にかかる。
2月25日付
『CNNニュース』:「新型コロナウィルス問題を契機に日中関係が雪解け」
新型コロナウィルスが中国で猛威を振るう最中、日本青少年育成協会がマスクや体温計等の支援物資を中国宛に送付した際、段ボール箱に書かれた「山川異域・風月同天」という言葉に中国側が大いに感激している。
“違う地域だが、同じ空の下に住んでいる”という意味の漢詩で、1,300年以上前(奈良時代)、当時の天皇の孫が中国の高僧である鑑真和上(688~763年)宛に送ったものである。...
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2月25日付
『CNNニュース』:「新型コロナウィルス問題を契機に日中関係が雪解け」
新型コロナウィルスが中国で猛威を振るう最中、日本青少年育成協会がマスクや体温計等の支援物資を中国宛に送付した際、段ボール箱に書かれた「山川異域・風月同天」という言葉に中国側が大いに感激している。
“違う地域だが、同じ空の下に住んでいる”という意味の漢詩で、1,300年以上前(奈良時代)、当時の天皇の孫が中国の高僧である鑑真和上(688~763年)宛に送ったものである。
同僧はこれにいたく感激して、日本に渡って仏教を広める決意をしたと言われている。
この漢詩は、中国のツイッター微博(ウェイボー)で瞬く間に中国全土に拡散された。
現在、中国における新型コロナウィルスでの死亡者は2,700人を超え、感染者は8万人を上回っている。
そうした中での日本からの支援に対して、中国外交部(省に相当)の耿爽(クァン・シュアン)報道官は今月初め、困難なときに厚い支援の手を差し伸べてくれる日本に大いに感謝すると表明した。
と同時に、同報道官は、米国が過剰な反応を示して、いの一番に武漢(ウーハン)から同国人を退去させただけでなく、中国人の入国を拒否するという暴挙に出ていると非難している。
中国にとって日本は、第二次大戦中の様々な被害をもたらした敵であった。
すなわち、1937年7月から始まった旧陸軍による中国侵攻作戦(支那事変)、同年12月の推定30万人が犠牲になった南京(ナンキン)大虐殺(編注;南京は当時の中華民国首都)、更には、1938年2月から1943年8月の間に数多行われて推定3万2千人が犠牲になった重慶(チョンチン)戦略爆撃(編注;重慶は南京から退散した中華民国の新たな首都)等々である。
爾来、日中間では旧日本軍の侵略の歴史としてしばしば問題提起され、近年でも、2013年に尖閣諸島(中国名釣魚島)の領有権問題で激しく対立している。
特定非営利活動法人言論NPO(多くの有識者ネットワークから成るシンクタンク、2001年設立)が当時行った世論調査によると、中国人回答者の92.8%が日本に対して否定的な感情を持っていたという。
しかし、言論NPOが2019年に行った調査によると、日本に否定的な感情を持っていると答えたのは52.8%まで減っている。
背景には、2014年11月北京開催のアジア太平洋経済協力会議(APEC)で安倍晋三首相と習近平(シー・チンピン)国家主席が世界の報道陣の前で初めて握手したことを皮切りに、2018年5月に両首脳間で朝鮮半島非核化問題について電話会談が行われ、同年10月に安倍首相が首相就任以来初めて訪中(日本の首相として7年振り)するという、一連の政治的歩み寄りがあると言える。
言論NPOの工藤泰志理事長は、政治的関係改善に触発されて、民間ベースでの交流、特に中国人による日本旅行や日本の文化(アニメ等)への関心の高まりが進んでいったと分析している。
同理事長によれば、2018年の訪日中国人旅行者は838万人で、2013年時の実に6倍増となっているという。
なお、新型コロナウィルス問題に関わり、2月18日現在、日本の民間レベルでの対中国支援は、300万余りのマスクや4,396万人民元(630万ドル、約6億9千万円)に上る義援金が贈られている。
また、日本政府からも、例えば武漢在住邦人退去のために送ったチャーター機に様々な防疫品を積載させたことを初め、厚い支援が行われている。
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