中国河南省の洪水被害:支援が来ない中、地元の人々が自ら救助活動を展開(2021/07/27)
中国河南省を襲った大洪水で、多くの市民がソーシャルメディア(SNS)を利用して救助活動の迅速化を図っている。
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『BBC』 によると、3日間で1年分の雨が降った鄭州市では、市民によるSNSを活用した救助活動が活発化している。多くの人々が危機に瀕している状況を投稿し、オンラインで助けを求めた。SNS上の数千人の人々が、こうした投稿を緊急救助隊に共有してあげている。
また、線路が水没して一部の列車が立ち往生しているというニュースが流れると、人々は各列車の番号と乗客が必要としているリソースをリストアップしてあげた。...
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『BBC』 によると、3日間で1年分の雨が降った鄭州市では、市民によるSNSを活用した救助活動が活発化している。多くの人々が危機に瀕している状況を投稿し、オンラインで助けを求めた。SNS上の数千人の人々が、こうした投稿を緊急救助隊に共有してあげている。
また、線路が水没して一部の列車が立ち往生しているというニュースが流れると、人々は各列車の番号と乗客が必要としているリソースをリストアップしてあげた。他にも、大雨の影響でインターネットの速度が低下し、画像をダウンロードできない地域があることを知り、重要な連絡先リストをテキストのみで投稿する人もいた。
地元メディアの報道によると、列車に閉じ込められた乗客たちが投稿した動画が8億回以上再生された後、最寄り駅周辺の住民らが、閉じ込められた乗客に食料やペットボトルの水を届けたという。
しかし、洪水に関する投稿が検閲されるケースも相次いだ。投稿が検閲されたかどうかを判断するサイト「フリーウェイボー」によると、検閲された投稿には、学校に閉じ込められた人、酸素を必要とする高齢者、キャンパスに閉じ込められた何千人もの人々の投稿が含まれていたという。
中国政府は何百万人もの人々を雇い、インターネット上の活動を監視・検閲している。2015年の長江での船の沈没事故など過去の災害では、安定性を維持し、反政府的な感情を防ぐために、一部のSNS投稿が削除されてきた。
米『エポックタイムズ』 によると、河南省には、民間主導の救助隊が数十名到着し、救援活動を行っている。Zhang Ye(仮名)は、隣の湖南省からの救助隊の一員として活動している。Zhang氏によると、彼らは洪水に見舞われたすべての家を訪れ、中に人がいないかどうか確認をとっている。その後、救助した住民を安全な場所に連れて行き、地元のボランティアに引き継いでいるという。救助活動を行っている間、政府の救助や支援は「どこにも見当たらなかった」と語っている。
地元の村人たちは民間の救助隊を熱烈に歓迎し、25日には、村人の協力を得て、近くの村で取り残されていた約236人の人々を救出したという。「村の人たちは私たちにいなくならないでほしいと訴えてきたので、私たちも残ることを伝えてあげた」という。
鄭州市で事業を営むQiu Kaiさんは『エポックタイムズ』 の取材に対し、これまでにボート、ウォーターポンプ、救命胴衣、ブイ、ロープなど合計5万元(約80万円)以上を購入し、地元の自治体に寄付するつもりだったが、「受け取ってくれるところがなく」、どこからも拒否されたため、救援物資の多くは、現在、倉庫に置かれたままになっているという。
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中国テンセント、子供の夜間オンラインゲームを防止するために顔認証システム導入(2021/07/09)
中国でゲーム業界最大手のテンセントゲームズは、18歳未満の未成年者が夜間にオンラインゲームで遊ぶのを防止するために、顔認証システムを導入したと発表した。
『AFP通信』 によると、中国では、視力の低下やオンライン中毒など、若者の間に蔓延するゲーム文化を排除するために、2019年からは18歳未満を対象に午後10時から午前8時までの間、オンラインゲームで遊ぶことを禁止した。しかし、多くの若者は、大人が登録したゲームアカウントを使用することで、この規制を回避していることが懸念されている。
オンラインゲーム大手のテンセントは6日、こうした抜け道を塞ぐために、午後10時以降に大人のIDでゲームをしている人を対象に顔認証システムを導入した。...
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『AFP通信』 によると、中国では、視力の低下やオンライン中毒など、若者の間に蔓延するゲーム文化を排除するために、2019年からは18歳未満を対象に午後10時から午前8時までの間、オンラインゲームで遊ぶことを禁止した。しかし、多くの若者は、大人が登録したゲームアカウントを使用することで、この規制を回避していることが懸念されている。
オンラインゲーム大手のテンセントは6日、こうした抜け道を塞ぐために、午後10時以降に大人のIDでゲームをしている人を対象に顔認証システムを導入した。また、テンセント社は、「一部の子供たちが親の携帯電話を盗んで設定を変更している」として、親が子供のゲーム利用を制限するための設定を変更する際に、ユーザーの顔認証を義務付けることを開始すると発表した。
この新機能は、1日のユーザー数が1億人を超える大人気のマルチプレイヤーバトルゲーム「Honor of Kings」をはじめとする約60種類のモバイルゲームで導入される。中国の規制当局は、オンライン中毒や子供の近視などの社会問題の原因とされている、携帯電話を中心としたビデオゲームへの旺盛な需要に対応するために奔走している。
米『ニューヨーク・タイムズ』 紙によると、こうした規制に対し、思春期世代のネット依存症対策になると、賛成する人もいる一方で、データがどのように当局に用いられるのかを疑問視する声も上がっている。また、テンセント社が保護者の役割に侵入してきているという意見も出ている。
また何千人ものネットユーザーが、規制が強化され、サイバースペースでの匿名性の空間が縮小していることに不満を表明した。中国最大のソーシャル・メディア・プラットフォーム「ウェイボー」では、カメラに顔以外の部分が写ってしまった場合に備えて、ゲーマーがちゃんと服を着て遊ぶよう呼びかけられている。
中国では、顔認証システムは、日常生活や公共の場での行動規制のためによく使われている。ホテルでは宿泊客のチェックインに、銀行では支払いの確認に使われている。犯罪者の追跡にも利用されている。ある都市では、市民が寝間着姿のまま公の場に出る習慣をなくすために、この技術を導入した。
なお日本でも昨年、香川県で子供のゲームやスマートフォンの利用時間を制限する全国初の条例が施行されている。この動きを受けて、17歳の高校生が政府を相手に裁判を起こし、この訴訟は現在も続いている。
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