米国ガソリン価格、史上2番目の下落で独立記念日休暇にドライブ旅行計画の市民に朗報【米メディア】(2023/07/02)
日本のガソリン価格は、高値で推移した1年前と比べて下がるどころかむしろ上昇していて高騰したままとなっている。一方、米国では史上2番目の下落となっていて、独立記念日休暇にドライブ旅行を計画している市民に朗報となっている。
6月30日付
『CNNニュース』は、米国全50州でガソリン価格が1年前より大幅に下落しており、独立記念日休暇にドライブ旅行を計画している市民に救いとなっていると報じた。
NPO団体米自動車協会(AAA、1902年設立)によると、週末から7月4日の独立記念日までの休暇期間にドライブ旅行を計画している市民は、史上最多となる計4,320万人に上ると推定している。
そして彼らにとって朗報なのは、6月29日時点のガソリン価格が1ガロン当り3.55ドル(1リットル当り約113円)と、1年前の4.87ドル(同約155円)より27%も大幅に値下がりしていることである。...
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6月30日付
『CNNニュース』は、米国全50州でガソリン価格が1年前より大幅に下落しており、独立記念日休暇にドライブ旅行を計画している市民に救いとなっていると報じた。
NPO団体米自動車協会(AAA、1902年設立)によると、週末から7月4日の独立記念日までの休暇期間にドライブ旅行を計画している市民は、史上最多となる計4,320万人に上ると推定している。
そして彼らにとって朗報なのは、6月29日時点のガソリン価格が1ガロン当り3.55ドル(1リットル当り約113円)と、1年前の4.87ドル(同約155円)より27%も大幅に値下がりしていることである。
ウェルズ・ファーゴ投資研究所(1993年設立)資産運用担当のジョン・ラファージ部門長によると、この下落率は米エネルギー情報局(EIA、1977年設立)が1990年以降データを取り始めて以来、史上2番目となるという。
史上最大の下落率を記録したのは、グレート・リセッション(注後記)の2008年6月末から2009年6月末の1年間で起こった1ガロン当り1.45ドル(1リットル当り約46円)、▼35%の下落であった。
自動車専門ウェブサイトの『ガスバディ』(2000年設立)のガソリン関連データ分析担当のパトリック・デ・ハーン主任は、“米国市民にとって、ガソリン価格の大幅下落は最大の関心事の一つである”とコメントした。
ただ、同主任は、“エネルギー価格上昇等に伴う諸物価高騰で、市民はガソリン価格下落以上の支出増に頭を悩ませていて、節約に努めざるを得ない”と付言している。
AAAの推定によれば、当該期間中にドライブ旅行に出る人数はコロナ禍以前の2019年比+4%増になるというが、同主任は、同期間のガソリン給油量は同年比▼5~10%下回ると推測している。
なお、ウェルズ・ファーゴのラファージ部門長は、連邦準備制度理事会(FRB、1914年設立)による利上げに伴う景気後退が懸念されたことや、欧米による対ロシア制裁にも拘らず、ロシア産原油供給が大きく影響を受けていないことから、ガソリン価格は下落しているが、来年にはガソリン供給がタイトになり価格上昇に転じることになるとみている。
『ガスバディ』のハーン主任も、“ロシア問題は依然ガソリン価格上昇の火種になるのは必至で、場合によって爆発的上昇をもたらす恐れがある”と分析している。
(注)グレート・リセッション:2000年代後半から2010年代初頭までの間に世界市場で観察された大規模な経済的衰退の時期を指す。景気後退の規模や時期は国ごとに異なるが、全世界への影響という点から、国際通貨基金(IMF、1945年設立)は、第二次世界大戦以来最悪の大規模景気後退局面であると結論付けている。
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米国、ガソリン価格が過去最高値更新も緩和の兆しは見えず(2022/05/11)
米国でしばらく小康状態だったガソリン価格が再び上昇し、今週過去最高値を更新した。米国自動車協会(AAA)によると、1ガロンのガソリンの平均価格は現在4.37ドルで、3月11日に記録したこれまでの最高値を上回っている。
米
『NBCニュース』によると、わずか1週間で1ガロン19セントから30セント値上がりしたミシガン州、オハイオ州、ニュージャージー州で最も高値を記録した。この価格高騰は、10日に100ドル前後で推移している原油価格の上昇と直接結びついている。
AAA広報担当のアンドリュー・グロス氏は声明で、「石油のコストがガソリンスタンド店頭価格の半分以上を占めているため、より高価な石油はより高価なガソリンにつながる。...
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米
『NBCニュース』によると、わずか1週間で1ガロン19セントから30セント値上がりしたミシガン州、オハイオ州、ニュージャージー州で最も高値を記録した。この価格高騰は、10日に100ドル前後で推移している原油価格の上昇と直接結びついている。
AAA広報担当のアンドリュー・グロス氏は声明で、「石油のコストがガソリンスタンド店頭価格の半分以上を占めているため、より高価な石油はより高価なガソリンにつながる。」と述べた。また、夏のドライブシーズンが近づくにつれ、価格はさらに上昇する可能性があると指摘した。
燃料価格・需要調査アプリの「ガスバディ」によると、現在の原油価格の高騰は、ウクライナ戦争と西側の対ロシア制裁によって引き起こされているという。ガスバディの石油分析部門の責任者は、「ロシアの石油はますます市場から姿を消し、夏のドライブシーズンを前に需要が回復する一方で、供給を圧迫している。夏に向けて燃料価格に関する良いニュースはほぼない。精製品の在庫が急落し続ける中、平年並み以上のハリケーンシーズンが来た場合、製油所の生産能力が追い付かなくなり、問題は悪化する可能性がある」と述べている。バイデン政権は、石油戦略備蓄から数千万バレルの石油を放出することで、ガソリン代を緩和しようとしたが、この措置は価格に持続的な影響を与えることはほとんどなかった。
さらなる要因として、ガソリンの 国内生産の停滞が指摘されている。与党民主党は、石油会社がパンデミック時に多額の損失を出し、投資家にお金を返そうとしていることが原因だとし、4月に公聴会を開き、石油会社が手をこまねいていると非難した。シェブロン社のマイケル・ワースCEOは、「原油や天然ガス、ガソリンやディーゼル燃料などの精製品の市場価格をコントロールすることはできず、価格高騰を容認してはいない」と、議会公聴会で反論した。
米『CNN』によると、バイデン大統領は10日のホワイトハウスでの演説で、インフレとガソリン価格の上昇は新型コロナウイルスやロシアのウクライナ戦争が要因であると述べた。大統領は演説の中で、石油戦略備蓄から1日100万バレルの原油放出を指示し、バイオ燃料販売拡大のための緊急対策を実施するなど、ガソリン価格の引き下げに向けて政権がいくつかの措置をすでにとってきたことを指摘した。また、億万長者をはじめとする超富裕層への増税や、高齢者向けの公的医療保険メディケアに薬価交渉を任せることで何百万人ものアメリカ人の処方薬価格を引き下げる案を挙げ、こうした措置がインフレを抑えるのに役立つだろうと述べた。
一方、CNNの最新の世論調査では、民主党の経済ビジョンが自分たちのビジョンと一致していると考えるアメリカ人は3分の1以下であることが示された。
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