7月13日付米
『ブライトバート』オンラインニュース、7月11日付フィリピン
『CNNフィリピン』、7月12日付
『ザ・フィリピン・スター』紙等は、フィリピンがこの程、中国主張の領有権問題を支持する映画だとして物議を醸していた実写版
『バービー』について、問題はないとして上映を許可したと報じている。
「フィリピン映画テレビ審査・格付委員会」(MTRCB、注後記)は7月12日、物議を醸している実写版映画『バービー』の上映を許可すると発表した。...
全部読む
7月13日付米
『ブライトバート』オンラインニュース、7月11日付フィリピン
『CNNフィリピン』、7月12日付
『ザ・フィリピン・スター』紙等は、フィリピンがこの程、中国主張の領有権問題を支持する映画だとして物議を醸していた実写版
『バービー』について、問題はないとして上映を許可したと報じている。
「フィリピン映画テレビ審査・格付委員会」(MTRCB、注後記)は7月12日、物議を醸している実写版映画『バービー』の上映を許可すると発表した。
但し、同映画の中で使用されている、中国が南シナ海で領有権と主張する“九段線”を模した“漫画的”に表現された地図をぼやかすことが条件だとした。
フィリピンは、中国との間で同海域における領有権問題を抱えているが、中国と同様に対峙しているベトナムは今月初め、当該地図が映像として使われていることを理由に上映を禁止している。
ただ、このときにフィリピン政府は、同映画を精査した上で決定するとしていたが、何人かの議員は、中国主張の領有権を模した地図が使用されるなら、上映は禁止すべきだとコメントしていた。
一方、同映画配給会社ワーナー・ブラザース(1923年設立)は、映画の中で使われているのは“主人公バービーが、夢の国のバービーランドから「現実世界」まで旅するルートを線で描写したものだ”とし、“偶々中国の九段線に似通っただけだ”と強調している。
そして、MTRCB自身も、同映画上映に最も反対を表明しているフランシス・トレンティーノ上院議員(63歳、2019年初当選)に宛てた書簡の中で、“同映画に映し出されている漫画的な地図は、「九段線」を表したものではなく、主人公が旅するルートを描写したに過ぎない”とした上で、“今回の結論に至るまでに、あらゆる角度から検討しているし、これまでも架空の産物である「九段線」が描写された作品に制裁を科すことを躊躇ったことはないので、この決定が揺らぐことはない”と説明している。
ただ、MTRCBは同書簡の中で、“無用な誤解を生じさせないよう、映像に使われている地図をぼかすようにワーナー・ブラザースに伝えている”とも言及した。
これに対して、同上院議員は7月12日の記者会見で、“MTRCBの決定を尊重する”と表明する一方、“中国の度重なるフィリピン領海侵入に断固として反対していく”とも強調している。
(注)MTRCB:「1985年大統領布告第1986号」により設置された大統領府の直属機関で、映画及びテレビ番組の内容の審査、分類を実施。
閉じる