トランプ大統領はかねてから「ロシアのプーチン大統領を尊敬している、支持する」との意見を述べていたが、周知のとおり資源のためとはいえプーチン大統領はクリミア併合などで残虐な侵略行為をし、多くの被害者を出した。そのことで民主党だけでなく共和党内でもトランプ大統領のプーチン寄りの外交に対する反対意見が際立っている。
2月6日付
『zee news』(
『PTI』配信)、
『DAWN』(
『AFP』配信):
しかし、トランプ大統領はそのことに関しては「たとえそうだとしても我がアメリカも今まで人道的に正しいことをしてきたのだろうか?私は大統領になる前から散々イラク戦争は無益な戦いであると反対してきた。しかし、アメリカは自国の利益のために残虐な行為を繰り返してきた。アメリカはロシアやプーチン氏を批判する資格はない。」とコメントしている。またトランプ氏は続けて、「ISとの果てしない戦いは今後も続くであろう。そのためにはロシアとの協力が不可欠である。」とも述べている。
しかし、上院議員のベン・カーディン氏は「トランプ大統領は残虐な人権侵害国家であるロシアとアメリカを同等レベルにしようとしています。これはアメリカ全国民の信じる自由と平等な生き方や民主主義に反する考え方です。」とトランプ氏の意見に猛反対している。
しかし、トランプ大統領は「私はプーチン氏を尊敬しているし、ロシアとの外交を重視している。しかしだからといって必ずしも彼らと秘密裏な関係を構築しようとしているわけではない。」と述べている。
また民主党議員のリーダーであるナンシー・ペロシー氏は「トランプ大統領がロシアに対して寛容なのは何らかの個人的、経済的、政治的なコネクションを有しているからに違いありません。今後もCIAはトランプ氏とロシアとの関係性を調査していく必要があります。」との発言をしている。
このような意見対立があるためトランプ政権とCIAの間ではロシアの件に関していまだに和解が見られない。
また、ホワイトハウス内では「ロシアのプーチン大統領は元KGBのメンバーでロシア国民の民意に基づいて選ばれたわけではない。トランプ大統領はISとの戦いでロシアに協力するメリットは十分にあると述べているが、ロシアはアサド政権に肩入れしているのであり、シリアの民主化には反している。」との意見もある。また、トランプ大統領が繰り返しNATOを批判しているのはロシアを擁護しているからではないか?との意見も出てきている。
このようなことから、今後もトランプ政権のロシア外交には注目してみる必要があると考えられる。
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