テレビ映像には、スホーイ・スーパージェット100がモスクワ、シェレメーチエヴォ国際空港の滑走路に接触、バウンドし、その後機体後部が爆発、炎上した様子が映し出されている。アエロフロート1492便に搭乗していた乗客の多くは、緊急着陸後膨張した脱出スライドから脱出した。
ロシアの航空監視団体によれば、同機はモスクワからロシア北部のムルマンスクに向かっており、乗客73人、乗員5人が搭乗していた。
ロシア捜査当局のスベトラーナ・ペトレンコ報道官によれば、78人中37人のみ生存しており、41人が亡くなった。この惨事の原因はまだ確定していない。
ロシア捜査当局は捜査を開始し、パイロットの航空安全規則違反がないかを調べている。
乗客になかには、悪天候と雷のせいだという人もいる。
日刊紙のコムソモリスカヤ・プラウダは、生き残った乗客のピョートル・エゴロフ氏が「離陸後、飛行機に落雷があった」と語ったと報じた。
「飛行機は引き返し、緊急着陸した。恐ろしかったし、気を失いそうだった。機体が滑走路をまるでバッタのようにはね飛び、そして出火した。」
国営テレビは、他の乗客が撮影した、悲鳴を上げる人々の携帯電話の映像を放送した。
ウラジミール・プーチン大統領とディミトリ・メドベージェフ首相は哀悼の意をを表し、捜査当局に何が起こったかを解明するよう指示した。
インテルファクス通信は「匿名の情報源」の話として、乗客の一部が自分の荷物を取ることに固執したため避難が遅れたと報じた。
ロシアメディアは、負傷した乗客は病院で手当てを受けていると報じた。
エンジンのなかに破片
飛行中の民間航空機の現在位置をリアルタイム表示するフライトレーダー24によると、動機はモスクワ上空で2回旋回し、30分経過後に緊急着陸した。
機体下部が破損し、エンジンが火に包まれた。
インテルファクス通信は、情報源によるとし、次のように報じた。同機は二回目の試みで緊急着陸に成功したが、その後、機体のシステムのいずれかが故障した。緊急着陸は大変激しいもので、破片がエンジンに侵入し、火花を散らし、すぐに機体後部が炎に包まれた。
ロシア捜査当局は複数の仮設を検証していると語った。
ロシアメディアによれば、同機は2017年に製造され、今年4月まで運用されていた。
アエロフロートは、ソ連崩壊後悩まされてきた安全性の低さを既に払拭し、今や世界最先端の国際線を運航する航空会社であり、ボーイングやエアバス製の飛行機に頼っている。
ロシア政府は、まだ未成熟な同国の民間航空産業を支援するために、アエロフロートに小型旅客機のスホーイ・スーパージェットをもっと購入するようと強く望んでいる。同機はロシア極東で製造している。
スホーイ・スーパージェットは2012年インドネシアで墜落し乗客45人が死亡した。原因は人的ミスとされている。
スホーイ・スーパージェットは、ソ連崩壊後、初めてロシアで開発されたジェット旅客機として、2012年から運用が開始された。
しかし、同機については2016年12月に着陸後機体尾翼に欠陥が発見された例を含め、安全性や信頼性の懸念がしばしば取沙汰されてきた。
ロシア当局は、5月4日、現状では、今回事故について話す段階にはないと語った。同機はアエロフロートなどロシアの航空会社で多く運用されているが、メキシコの格安航空会社など一部の外国航空会社でも使われている。
この事故により、シェレメーチエヴォ国際空港の数十の発着便に遅れが出た。
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