ロシアでは、政財界のエリートに対して優先的に開発中の新型コロナウィルス用ワクチン投与【米・ロシアメディア】(2020/07/21)
英国、米国、カナダの情報セキュリティ当局が先週末に共同で声明を出し、国家の支援を受けたロシアのハッカー集団が、新型コロナウィルス(COVID-19)のワクチン開発に携わっている製薬会社や医療機関、学術研究機関などの組織にサイバー攻撃を仕掛けていると警告した。そうした中、一方のロシア国内では、数百人の政界・実業界のエリートや大富豪が優先的に、ロシア国営研究所が開発中のCOVID-19用ワクチンの投与を受けているという告発報道がなされた。
7月20日付米
『Foxニュース』:「ロシアのエリートだけに何ヵ月も前からCOVID-19用ワクチン投与」
7月19日付『ブルームバーグ』報道によると、ロシアの政財界のエリートに対して、ロシア国営研究所が開発中のCOVID-19用ワクチンが4月から投与されているという。
事情通が同メディアに語ったところによると、実業界の幹部、大富豪や政府高官ら数百人のみに対して、ロシア国営のガマレイ疫学・微生物研究所(GIEM、ロシア保健省傘下)が開発中のワクチンが投与され、有効性や安全性、副作用等について臨床試験が進められているという。...
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7月20日付米
『Foxニュース』:「ロシアのエリートだけに何ヵ月も前からCOVID-19用ワクチン投与」
7月19日付『ブルームバーグ』報道によると、ロシアの政財界のエリートに対して、ロシア国営研究所が開発中のCOVID-19用ワクチンが4月から投与されているという。
事情通が同メディアに語ったところによると、実業界の幹部、大富豪や政府高官ら数百人のみに対して、ロシア国営のガマレイ疫学・微生物研究所(GIEM、ロシア保健省傘下)が開発中のワクチンが投与され、有効性や安全性、副作用等について臨床試験が進められているという。
その事情通は、“当該臨床試験について、被験者となると手を挙げた人たちにワクチンを投与することは合法的だが、どうやってその候補者を選んだか等が公開されていないことが問題”だと告発している。
COVID-19用ワクチン開発は、ロシア直接投資基金(RDIF、注後記)及びロシア軍の支援を受けて進められているという。
免疫性を速やかに確認できるよう、COVID-19近似とされる重症急性呼吸器症候群(SARS)の凍結されていたウィルスを使用し、現在第1段階の臨床試験が進行中とされる。
RDIFのキリル・ドミトリーエフ理事長は先週、第3段階の臨床試験が8月3日に開始される予定で、被験者はロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の数千人が対象となり、9月には一般向けにワクチン供与ができるよう取り進められていると語った。
同理事長は、彼自身及び家族がワクチン投与を受けているとし、被験者の中には、軽度の副作用-発熱や筋肉痛-を訴えている人がいるという。
一方、GIEMのアレクサンデル・ギンツブルグ所長はロシア非政府メディアの『インテルファクス通信』のインタビューに答えて、彼自身は被験者の中に大富豪が含まれているのか等承知していないとコメントしている。
なお、ロシアメディアが被験者とみられる複数の人たちに直接コンタクトしたが、誰も名前を公表することは許されていないと回答しているという。
一方、同日付ロシア『タス通信』:「RDIF、開発中のCOVID-19用ワクチンによって感染第2波食い止め可能と表明」
RDIFのドミトリーエフ理事長は7月20日、“現在臨床試験中のCOVID-19用ワクチンについて連邦政府から8月初めに許可取得後すみやかに、RDIFが支援している製薬会社R-ファーム及びアリウムの工場で大規模生産に着手し、9月にはロシア国内及び提携している数ヵ国向けに供給可能となるとみている”と表明した。
更に、ロシア国内では3千万回分、また、提携先含めた複数の国々に生産を依頼して2億回分のワクチンが年末までに供給できるようになろうと付言した。
(注)RDIF:先端技術や成長産業と期待される企業等を支援するために2011年に立ち上げた政府系基金。
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マクロン仏大統領;プーチン大統領の欧州ミサイル配備一時凍結提案を傾聴に値すると評価?【米・ロシアメディア】(2019/11/30)
既報どおり、今年8月に米ロ間「中距離核戦力全廃条約(INF)」が失効して以来、米ロによる軍拡競争が再燃の兆しを見せている。そうした中、ウラジーミル・プーチン大統領が9月に、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の首脳らに宛てて欧州へのミサイル配備凍結を提案する書簡を送ったことが物議を醸している。すなわち、NATOは、ロシア自らが既に配備しているにも拘らず、かかる提案は全く信用できないと一蹴している。しかし、この程明らかになったことによると、エマニュエル・マクロン大統領は、欧州の安全保障の観点から、無下に拒絶するのではなく、ロシア側との協議のベースにする価値はあるという。
11月28日付米
『ロイター通信』:「フランスのマクロン大統領、プーチン大統領のミサイル配備凍結案に賛同とのニュースを否定」
エマニュエル・マクロン大統領は11月28日、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長と会談した際、今週初めにドイツメディアが報じたニュースに関わり、自身はプーチン大統領のミサイル配備凍結提案に“全く同意していない”と同ニュースを否定した。
ただ、同大統領は、欧州の安全保障を考えた場合、当該提案を無視するのは賢明ではなく、今後のロシア側との協議のベースとすることを考えるべきだと付言した。...
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11月28日付米
『ロイター通信』:「フランスのマクロン大統領、プーチン大統領のミサイル配備凍結案に賛同とのニュースを否定」
エマニュエル・マクロン大統領は11月28日、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長と会談した際、今週初めにドイツメディアが報じたニュースに関わり、自身はプーチン大統領のミサイル配備凍結提案に“全く同意していない”と同ニュースを否定した。
ただ、同大統領は、欧州の安全保障を考えた場合、当該提案を無視するのは賢明ではなく、今後のロシア側との協議のベースとすることを考えるべきだと付言した。
冷戦時代に米・旧ソ連間で締結されたINFの下では、即時対応が難しい310~3,400マイル(496~5,440キロメーター)射程の短・中距離ミサイル配備が禁止されていた。
今年の8月に同条約が失効して以来、欧州においてかかる短・中距離ミサイルが配備される懸念が取り沙汰されている。
そこでマクロン大統領は、欧州の安全保障を確保するため、(米国などの)他国に頼るのではなく、欧州自身が真剣に向き合う必要があると強調した。
一方、NATOは、ロシアが既に短距離ミサイルを配備したとの噂があることから、かかるロシア側提案は全く“信用できない”と主張している。
なお、ロシアメディア『インテルファクス通信』によると、大統領府のドミートリィ・ペスコフ報道官は11月28日、マクロン大統領から返信をもらっていると明かし、詳細は言えないが、ロシア側提案に基づき対話の用意があると記されているという。
また、『タス通信』は、プーチン・マクロン両大統領が12月9日、パリにおいて本提案について協議することになろうと報じている。
同日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「マクロン大統領、プーチン大統領のミサイル配備凍結案を拒否」
プーチン大統領は今年9月、欧州・アジアその他の主要国首脳宛てに、欧州やその他の地域への短・中距離ミサイル配備の凍結を提案する書簡を送付していた。
ロシア外務省のセルゲイ・リャブコフ副大臣によると、NATOによる本提案に対する反応はとても失望させられるものであったという。
NATOは、同提案が現実を無視したものであるため、信用できないとしているとする。
一方、マクロン大統領は、当該提案に賛同していない、としながらも、欧州の“平和と安定のため”に、ロシア側と“明快かつ要求の厳しい協議”をしていく必要があると語っている。
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