韓国軍によると、8日北朝鮮東部元山(ウォンサン)付近から地対艦巡航ミサイルを日本海に向けて発射、約200キロの飛行距離だったという。岸田外務大臣は「排他的経済水域(EEZ)内に落下するような飛翔体も確認されていない。」としている。日本海では原子力空母カール・ビンソンとロナルド・レーガンが自衛隊を交えた米韓軍事演習を先週終えていた。
先月、朝鮮融和政策を掲げる文在寅(ムンジェイン)政権が発足してから5度目のミサイル発射となり、一連のミサイル発射は、文在寅(ムンジェイン)政権に試練を与え、韓国の譲歩を促す北の圧力だと分析されている。韓国軍の報道官は、「ミサイル開発の幅広さを見せつけ、また正確な攻撃能力もアピールする狙いがあるのだろう」と述べている。分析機関によると、北朝鮮のミサイル開発には米国や韓国への敵対心だけでなく、各首脳らに政治的な要求を突き付ける目的もあると分析されている。
6月8日付韓国
『聯合ニュース』は「北朝鮮が地対艦ミサイル発射:韓国軍」との見出しで以下のように報道している。
北朝鮮は東海岸から地対艦ミサイル複数発を発射。200キロ飛行し東海に落ちたとみられる。韓国軍合同参謀本部は「今朝北朝鮮が元山(ウォンサン)付近から東海に向け、数発の飛翔体を発射。地対艦巡航ミサイルだとみられる。飛行距離は200キロ」と発表した。参謀本部は、韓国軍は更なる挑発に備え最大レベルの監視体制を敷いているとした。これは先月、軍事的緊張を解く融和政策を掲げる文在寅(ムンジェイン)政権が発足してから5度目のミサイル発射となる。
米国は核弾頭を積んだICBM技術を向上している北朝鮮に懸念を強めており、米ミサイル防衛局長は声明で北朝鮮の急速なミサイル開発向上に懸念を示している。
同日付韓国『聯合ニュース』は「韓国の2018年度軍事予算8.4%増額も」との見出しで次の様に報道している。
韓国国防部は木曜、次年度の防衛費予算として今年度の8.4%増額となる43.7兆ウォン(387億ドル)を要求。北朝鮮の高まる脅威と文在寅(ムンジェイン)政権の公約である韓国軍の改革に必要だとしている。多くの予算は人件費に回ると国防部は説明している。
7日付米国『RT』は「ミサイル防衛局長、北朝鮮のミサイルを非常に懸念」との見出しで次の様に報道している。
ジェームス・サイリング米ミサイル防衛局長は、来年の予算編成を念頭におくミサイル防衛に関する公聴会で、北朝鮮の核弾頭を積んだ大陸間長距離ミサイルの性能を例に挙げ、過去半年の進展で私他皆の懸念が高まっているとしたが、一方、先日米国で行われた迎撃実験の例を挙げ、米国の防衛体制への自信をのぞかせた。同氏はまた、「脅威へ楽観できるほどでないが、今ある危機には対処していると言える。北のミサイル実験にどんなメッセージがあるか確信はもてないが、国民には我々は不眠不休の防衛準備が或るとのメッセージを送る。」と述べている。
ミサイル防衛局は、来年末にかけまた複数のICBMに対抗する迎撃実験を行う予定だとしている。更に、イージス艦または地上発(ルーマニアで使用)搭載用のスタンダード・ミサイル3(SM-3)迎撃機36機を追加配備する計画を提案、2013年以降の迎撃機は合計182機となる。
一方、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)は52機が米軍に配備される予定で、2011年5月以来の総数が210機となる。
8日付英国『デイリーメール』(AP通信引用)は「米国の軍事演習後、北朝鮮が巡航ミサイル発射か」との見出しで次の様に報道している。
北朝鮮が発射したミサイルは先週米国のカールビンソンとUSSロナルドレーガン空母が韓国軍と合同軍事演習をしていた朝鮮半島と日本の間に落ちた。このミサイル発射は、北朝鮮との融和政策を掲げる韓国の文在寅(ムンジェイン)政権に試練を与え、また米トランプ政権の外交政策への懸念材料となる。韓国軍の報道官は、ミサイル開発の幅広さを見せつけ、また正確な攻撃能力もアピールする狙いがあるのだろうと述べている。
ミサイル開発には米国や韓国への敵対心もあるだろうが、外部の分析機関によると、各首脳らに政治的な要求を突き付ける目的もあるのだと考えられているという。最近のミサイル発射は文在寅(ムンジェイン)が譲歩するようプレッシャーを与えるものだと分析されているのだという。
日本の岸田外務大臣は、木曜のミサイル発射を受け、日本は「排他的経済水域(EEZ)内に落下するような飛翔(ひしょう)体も確認されていない。」としている。
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先月フランスのマクロン大統領就任後、同国を初訪問する首脳としてロシアのプーチン大統領が同国を訪問し、ヴェルサイユ宮殿で会談を行った。300年前に帝政ロシアのピョートル大帝がフランスのルイ15世を訪問したことにちなんだもので、両国関係で特筆すべき出来事だとプーチン氏も述べている。会談では、テロとの闘いが最も重要な課題として挙げられたほか、シリアの内戦、緊張が続くウクライナなどへの対応、また若者の交流など人道支援について協力関係を築くための意見交換をしたという。しかし一方、マクロン大統領の選挙陣営がロシアからサイバー攻撃を受けたと主張していた件で、共同記者会見が終了した後になってマクロン氏は、ロシア政府系メディア2社(「ロシア・トゥデー」と「スプートニク」)を名指しし、これらは偽ニュースを流し「プロパガンダ機関のように活動している」と鋭く批判したという。同陣営は両社の記者の選挙本部への立ち入りを禁止していた。
5月29日付フランス
『フランス24』は「プーチンとマクロンが探り合いの中緊張関係緩和」との見出しで以下のように報道している。
「ロ仏両首脳は豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿で初会談を行った。300年前にフランスのルイ15世が帝政ロシアのピョートル大帝をベルサイユ宮殿に招いたことにちなんでの設定。ロシア大帝はロシアの近代化に貢献し、足しげくフランスや欧州を訪問しロシア貴族の公用語をフランス語にしたほどであった。
マクロン氏は言葉に出さずさりげなくピョートル大帝の欧州に対するオープンさを国粋主義なプーチン氏と比較。
プーチン氏は両国の活発な経済関係を話題に持ち出し、ロシア国内のフランス企業も(EUの)制裁による影響を受けるのだと述べた。しかしロシアによるクリミア併合で制裁の主導をとったのはフランスであり、この発言にマクロン氏は動揺しなかった。
緊張の一方、両者とも現実主義者で、対立点もあるが協力し合える点も見出そうとしており、テロリズムとの闘いという共通の目的では派兵で一層の協力関係を築こうとしている。
またウクライナ問題での議論再開も議題に上がり、マクロン氏はロシア、ドイツ、フランス、ウクライナから成る「ノルマンディー形式」での会談再開を提案し、プーチンも興味を示しているという。
記者会見ではマクロン氏が両首脳を代表したコメントを沢山発言し、記者はプーチン氏がそれらにうなずく様子を確認することとなった。マクロン氏は両国間にまたがるシリア問題解決部会を発足したいと述べたが、プーチン氏は何も答えず、合意があったのかは疑問である。
両者の食い違いが決定的となったのは、マクロン陣営へのロシアによるハッキング疑惑の件に話が及んだ際で、明らかに不機嫌となったプーチン氏は「その件にはコメントできない。」、「首脳会談では話題にならないかった。」と述べたという。記者会見の場では何も言わなかったマクロン氏だが、その後ロシアの国営メディア記者を選挙で締め出した件について、率直にきつい口調で「選挙中、「ロシアトゥデー」と「スプートニク」は選挙結果に影響を及ぼすエージェントとして、私個人や陣営に関する偽ニュースを度々広めた。プロパガンダ機関のような行動を示していた。」と述べた。」
同日付ロシア
『ロシア・トゥデー(RT)』は「マクロン氏がRTとスプートニクを「プロパガンダ機関のように活動している」と批判」との見出しで以下のように報道している。
「今月ルペン氏を破り仏の新大統領となったマクロン氏は仏で行われたプーチン大統領との会談後ロシア国営メディアを「プロパガンダ機関のように活動している」と批判。両メディアは彼に関する不名誉な内容の報道をしたという。
マクロン氏は「外国メディアとは常に模範的な関係を築いてきたが、其れは真のジャーナリストだからだ」と説明。
プーチン氏のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアはマクロン氏の両メディアに関する発言に「同意できない」等とコメントし、RTの編集長は、マクロン氏のメディア攻撃は言論の自由への脅威だとコメントしている。
先月の仏大統領選中にロシアメディアが締め出された件を受け、ロシア外相報道官は「言論の自由にどこよりも敏感な国の大統領候補によるロシアメディアへの意図的で不名誉な差別」としていた。
このようにロ仏は冷えた関係だが、マクロン氏当選後渡仏したのはプーチン氏が最初。今回の会談をマクロン氏が「率直で打ち解けた意見交換」と呼んだのに対しプーチン氏は両国の「質的」改善につながった会談だとしている。」
同日付ロシア
『タス通信』は「プーチン氏:ロシアとフランスの利害関係が最優先」との見出しで以下のように報道している。
「プーチン大統領はマクロン仏大統領との初会談後の記者会見で、「政治情勢に関わらず、両国の経済関係が第一だ」と述べた。
500以上の在ロフランス企業は撤退しておらず、同氏によると、仏企業投資は昨年25億ドル規模に成長、両国間貿易は昨年第一四半期だけでも23%以上拡大したという。
両首脳は若者の交流促す目的での人道的支援協力でも一致、マクロン政権内の多くがロシア語を話せる事も話題にし、頼もしい事だと述べた。
また、プーチン氏は両国は世界の問題に関し解決に向け協力し前進できるとした。更に今回の会談が帝政ロシアのピョートル大帝のフランス訪問から300周年にちなんで行われたことについて、両国関係で特筆すべき出来事と述べた。」
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