トランプ大統領がイスラム過激派掃討作戦の忠実なパートナーのクルド人勢力を裏切ったと著名トークショー司会者も猛烈非難【米・イランメディア】(2019/10/25)
ドナルド・トランプ大統領は10月23日、シリア北部から米軍が撤収することで、トルコ軍による同地域のクルド人勢力への攻撃を恒久的に止められた、と自画自賛する演説を行った。米軍の撤収については、これまでイスラム過激派掃討作戦に忠実に貢献してきたクルド人勢力を見捨てる行為だとして、与党・共和党からも造反者が出て、10月16日の下院において同大統領の撤収決定に反対する決議案が圧倒的多数で可決されている。そしてこの程、米テレビ著名トークショー司会者も、同大統領のお粗末な決定は、同地域への影響力拡大を目論むウラジーミル・プーチン大統領を喜ばせただけだと猛批判した。
10月23日付米
『ハフィントン・ポスト』オンラインニュース:「著名司会者コルベア、冷徹な事実検証を以てトランプ大統領の自画自賛演説を酷評」
著名トークショー司会者のスティーブン・コルベア氏(注1後記)は10月23日放送の「レイト・ショー」の中で、当日ドナルド・ドナルドトランプ大統領が行った演説を酷評した。
すなわち、同大統領がシリア北東部から米軍を撤収したことによって、トルコ軍に恒久的停戦をなさしめ、同地域に平和をもたらしたとする自画自賛の評価について、同地域における影響力を拡大しようとしていた、同大統領の盟友であるウラジーミル・プーチン大統領を喜ばせただけだと一蹴した。...
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10月23日付米
『ハフィントン・ポスト』オンラインニュース:「著名司会者コルベア、冷徹な事実検証を以てトランプ大統領の自画自賛演説を酷評」
著名トークショー司会者のスティーブン・コルベア氏(注1後記)は10月23日放送の「レイト・ショー」の中で、当日ドナルド・ドナルドトランプ大統領が行った演説を酷評した。
すなわち、同大統領がシリア北東部から米軍を撤収したことによって、トルコ軍に恒久的停戦をなさしめ、同地域に平和をもたらしたとする自画自賛の評価について、同地域における影響力を拡大しようとしていた、同大統領の盟友であるウラジーミル・プーチン大統領を喜ばせただけだと一蹴した。
これに先立つ10月中旬、米下院議会は354対60の大差(編注;共和党造反議員129人)で、同大統領のシリア撤収決定を非難する決議案を採択している。
そして同氏は、同大統領の決定は、これまで米軍と共に忠実にイスラム過激派掃討作戦に従事してきたクルド人勢力を、“完全に裏切るもの”だと非難した。
なお、国連は、トランプ大統領の米軍撤収の決定以降、同地域に暮らす8万人の子供も含めた18万人が追放されたと発表している。
一方、10月24日付イラン『イラン・デイリィ』紙:「クルド人勢力主体のシリア民主軍、トルコ軍によるシリア北東部への侵入を止めてくれたロシアに謝意」
クルド人勢力主体のシリア民主軍(SDF、注2後記)のマズルーム・アブディ司令官は10月23日、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相とワレリー・ゲラシモフ参謀総長とのテレビ電話で、ロシアがトルコから取り付けた合意によって、クルド人勢力がトルコ軍による攻撃によって“惨劇”に遭わないで済むようになったとして、謝意を表明した。
ロシアのプーチン大統領とトルコのタイイップ・エルドアン大統領は10月22日にソチで会談し、クルド人勢力をトルコ国境から30キロメーター程シリア領内に退去させた後、同地域を“安全地帯”としてロシア軍とシリア軍が共同で警備する、という停戦案に合意している。
SDFは、これまで支援を得ていた米軍が、10月初めのトランプ大統領による方針大転換によって同地域から撤収することとなり、クルド人勢力がトルコ軍による攻撃にさらされることとなったことから、米国に代わってシリア(ロシアが後ろ盾)に支援を要請することとしていた。
(注1)スティーブン・コルベア:著名なコメディアン・俳優・作家。エミー賞(テレビ番組等に与えられる賞)を3度受賞。2015年よりCBSテレビの「レイト・ショー」というトーク番組の司会役。
(注2)SDF:シリアの反体制派グループ。シリア内戦下の2015年10月、シリアのクルド人民兵組織のクルド人民防衛隊(YPG)を主体として結成。所属組織には、「ユーフラテスの火山」などそれまでYPGと共闘してきたクルド系、アラブ系、シリア語系キリスト教徒の組織等、約40の組織が参加。
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トランプ大統領に追い風? 反トランプを前面に出したニュース・ドラマが1シリーズで打ち切り【米メディア】(2019/05/12)
ドナルド・トランプ大統領は、大統領選ロシア介入疑惑に関わるロバート・マラー特別検察官の捜査報告書の報道などで窮地に立たされている。しかし、米中貿易交渉で追加関税賦課を宣言して、中国に対して強く当ることで、支持率を再度高めようと躍起になっている。その大統領にとって追い風となるかのように、かつて10年間・10シリーズ続いた人気“ニュースキャスター・ドラマ”が20年振りに復活したが、反トランプを打ち出していたためか、僅か1シリーズで打ち切りとなった。
5月10日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「CBSテレビ、コメディ“マーフィー・ブラウン”を1シリーズで打ち切り」
CBSテレビは5月10日、昨年9月から20年振りに復活させたコメディ“マーフィー・ブラウン”(注1後記)を僅か1シリーズで打ち切ることを決めた。
同ドラマは、1988~1998年に放送された際には、エミー賞(注2後記)コメディ部門で作品賞を2度受賞した程の人気番組であった。...
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5月10日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「CBSテレビ、コメディ“マーフィー・ブラウン”を1シリーズで打ち切り」
CBSテレビは5月10日、昨年9月から20年振りに復活させたコメディ“マーフィー・ブラウン”(注1後記)を僅か1シリーズで打ち切ることを決めた。
同ドラマは、1988~1998年に放送された際には、エミー賞(注2後記)コメディ部門で作品賞を2度受賞した程の人気番組であった。
しかし、今回の再登場では、主な視聴者である50代以下対象の視聴率で65位に甘んじた。
同ドラマは、ドナルド・トランプ大統領による報道の自由が脅かされる中、これに抗う内容で番組が進行していた。
かつて放送された10シリーズにおいて、エミー賞主演女優賞を5度受賞していたキャンデイス・バーゲンが、主役として再登場し、また、ジョージ・レガルブート、フェイス・フォード、グラント・シャアッドも以前と同じ配役で出演していた。
従って、20年前と同じ配役で代わり映えがしなかったことが低迷の原因の一つと考えられる。
また、現在の視聴者は中流階級が主で、彼らは“NCIS(米海軍・海兵隊に関わる犯罪捜査ドラマ)”や“Blue Bloods(ニューヨーク市警を舞台とした警察ドラマ)”を好んでおり、反トランプを前面に出した同ドラマに興味を示さなかったものとみられる。
同ドラマ制作者は、暫く時間を置いてから次のシリーズを復活させたいと語っていたが、今回放送の視聴率は余りに芳しくなく、また、視聴者の感想も明らかにどっちつかずとなっている。
更に、同ドラマがニューヨークを舞台にしたものであるため、同テレビ局にとって製作費が予想以上に高くついたことも、打ち切りに繋がったものとみられる。
(注1)マーフィー・ブラウン:CBSテレビで1988~1998年の間に10シリーズ放送され、一世を風靡した人気シチュエーション・コメディ(登場人物の置かれる状況によって観客や視聴者を笑わせるコメディ)。ワシントン特別区にあるテレビ局の架空のニュースショー"FYI"を舞台としたニュースキャスター・ドラマ。エミー賞受賞の常連番組。
(注2)エミー賞:米国のテレビドラマを始めとする番組のほか、テレビに関連する様々な業績に与えられる賞。映画におけるアカデミー賞、演劇におけるトニー賞、音楽におけるグラミー賞に相当。第1回は1949年1月開催。
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