2月15日付米
『USAトゥデイ』紙:「米ホーランド・アメリカ社クルーズ船乗客の中に、新型コロナウィルス感染者」
『ブルームバーグ』及び『ロイター通信』報道によると、マレーシアの保健省が2月15日、カンボジア停泊中の米ホーランド・アメリカ社(1837年創業、本社シアトル)のクルーズ船“ウエステルダム号”乗客の一人である83歳の米国人女性が新型コロナウィルス感染者であることが判明したと発表した。
ただ、同婦人の夫は感染が認められていないという。
2月1日に香港を出航した本船は、当初2月15日に上海入港予定であったが、その後の中国本土での新型コロナウィルス感染拡大問題に遭遇し、日本、フィリピン、タイから入港を拒否されたため、最終的に受け入れを認めたカンボジアのシアヌークビル港に2月13日夜に到着していた。
そして、第1陣の数百人が空路でクアラルンプール(マレーシア)に向かったが、到着後の検査の結果、感染者が1人発見された。
米ホーランド・アメリカ社のバック・バンクス氏は『USAトゥデイ』紙他メディア宛の声明で、2,257人の乗員・乗客の中に発熱等を訴える人はおらず、同港で下船した乗客らには、文書で感染が疑われる症状がないことを確認した上で下船を許可したとしている。
更に、乗客全員のパスポートをチェックし、過去14日以内に中国本土に上陸したことがないことも確認していたとする。
2月14日朝にカンボジアで下船を認められた数百人の乗客は、歓声を上げて下船し、入港を許可したカンボジアのフン・セン首相に感謝の意を伝えた。
米ホーランド・アメリカ社広報担当のエリック・エルベジョード取締役は、乗客全員を2月16日までに下船させ、同社が用意したチャーター機でプノンペン空港まで移送し、その上で、自国宛の便に乗り換えて帰国してもらうと説明した。
なお、同氏によれば、自国までの航空券は同社が負担した上、今回のクルーズ船ツアー代金は返却し、更に、次回のツアーに招待する手筈としているという。
2月16日付マレーシア『マレーメール』オンラインニュース(『ロイター通信』)配信):「クルーズ船運航会社、カンボジア停泊中のクルーズ船乗客の新型コロナウィルス感染有無の再検査実施を要請」
クルーズ船“ウエステルダム号”の運航会社の米ホーランド・アメリカ社は2月16日、前日にマレーシア保健省から83歳の米国人女性乗客の新型コロナウィルス感染を確認したと発表されたことを受けて、再確認のため第2次検査も行うよう求めていると発表した。
同船受け入れを認めたカンボジア政府は、世界保健機関(WHO)及び米疾病予防管理センターの協力を得て検査を実施しているとしていることから、マレーシア政府にも、同検査結果を検証するよう求めている。
同船には1,455人の乗客及び802人の乗員が乗船しているが、日本、台湾、グアム、フィリピンそしてタイからも入港を拒否され、最終的に受け入れを認めたカンボジアに2月13日夜に到着していた。
同船の乗員・乗客は定期的に発熱・咳などの検査を行っており、症状が出ていない第1陣の乗客145人が下船し、空路マレーシアに移動したところ、唯一同米国人女性のみに新型コロナウィルス感染が認められた。
同婦人の夫に症状がみられるものの、今のところ新型コロナウィルス感染は認められていないという。
なお、横浜港停泊中のクルーズ船“ダイアモンド・プリンセス号”においては、3,700人余りの乗員・乗客のうち、既に285人に新型コロナウィルス感染が認められている。
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