フィリピン新大統領、領有権問題で譲歩せずと息巻くも、結局は中国マネーに屈服?【米・フィリピンメディア】(2022/12/30)
12月29日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース(1981年設立)は、「マルコス新大統領、訪中時に領有権問題を協議意向」と題して、1月初めに初訪中するマルコス新大統領は、就任以来、領有権問題で譲歩しない姿勢を出していたが、真の狙いは中国からの巨額の援助の獲得とみられていると報じた。
フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領は、来週訪中して習近平国家主席と会談する際、南シナ海領有権問題を話題にする意向である。...
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12月29日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース(1981年設立)は、「マルコス新大統領、訪中時に領有権問題を協議意向」と題して、1月初めに初訪中するマルコス新大統領は、就任以来、領有権問題で譲歩しない姿勢を出していたが、真の狙いは中国からの巨額の援助の獲得とみられていると報じた。
フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領は、来週訪中して習近平国家主席と会談する際、南シナ海領有権問題を話題にする意向である。
外務省のナサニエル・インペリアル次官は12月29日の記者会見で、新大統領が1月3~5日に訪中した際、様々な分野での協定に加えて、領有権問題で“判断違いや誤解を生じさせないよう”中比外務省間の直通電話の設定についても合意することが期待されている、と表明した。
同次官は、“大統領は会談で、南シナ海問題含めて両国関係に重要とされる問題について協議する意向だ”とした上で、“領有権問題は重要であるが、対中関係ではそれが全てではなく、農業・貿易・再生可能エネルギー関係についても合意できるものと思う”と言及した。
同大統領の訪中は、9月に訪米してジョー・バイデン大統領(80歳、2021年就任)と会談して以来3ヵ月余りも経ってからのことであり、また、領有権問題で新たな火種が起きたばかりの時期と重なる。
実は先週、フィリピン国防省は、『ブルームバーグ』が中国による無人島の新たな人工物構築について報じたことを受けて、南シナ海における同国軍の監視等の強化を決定している。
同省はまた今月初め、中国船団が無許可で南シナ海の(フィリピンが領有権を主張する)イロクワ礁及びサビーナ砂州海域に侵入して漁をしていたことについて“非常に遺憾な事態”だと声高に非難していた。
ただ、インペリアル次官は、“大統領の訪中を契機に、観光や橋梁建設分野での合意に加えて、15億人民元(2億1,500万ドル、約286億円)の支援が受けられることが期待される”とも付言している。
同日付フィリピン『フィリピン通信(PNA)』(1973年設立の国営通信)は、「マルコス大統領訪中で、10~15分野での合意形成期待」と詳報している。
インペリアル外務省次官兼アジア太平洋局長は12月29日の記者会見で、マルコスJr.大統領の1月3~5日間の訪中で、10~14件の協定が締結される予定だと表明した。
同次官によると、中比間の広範囲にわたる共同案件として、貿易・投資・農業・再生可能エネルギー・インフラ建設・共同開発・人的交流、更には海洋安全保障協力がカバーされるという。
同次官は、“中国資本からはフィリピン産業界への強い関心が覗え、特に農業・再生可能エネルギー及びニッケル精製事業への投資意欲がみられる”と言及した。
中国は目下、フィリピンから輸出されるニッケル鉱石・精鉱の70%を輸入している。
同次官はまた、ドリアン輸出契約も締結される見込みだとも付言した。
更に、(フィリピン主権海域としての呼称の)西フィリピン海において無用な問題が発生しないよう両外務省間の直接回線の設定の他、橋梁建設・観光業、また、中国主導の「一帯一路経済圏構想」への参画について新たな合意形成が期待される、とも語った。
その上で、同次官は、かかる背景もあって、中国側から15億人民元の支援金も期待されている、と結んだ。
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中国;米国がアジア重視政策アピールする中、フィリピンに巨額援助で再囲い込みを画策【米・フィリピンメディア】(2022/02/10)
2月7日付GLOBALi「
米国務長官、ウクライナ緊張の最中、アジア重視政策の一環で豪州他歴訪」で報じたとおり、欧州ウクライナ問題でロシアとの緊張関係が増す中、アントニー・ブリンケン国務長官(59歳)が、覇権主義的な行動を取る中国を牽制すべく、アジア重視政策の一環で豪州他アジア太平洋地域への外遊に出ている。そうした中、反米・親中国派の大統領が替わるかも知れない大統領選を控えたフィリピンに対して、中国が巨額の援助を行って、再度の囲い込みを画策している。
2月10日付米
『ユーラシア・レビュー』:「中国、フィリピン国防部に巨額援助」
フィリピン政府は2月9日、中国がフィリピン政府に対して軍需物資や建設機械など数千万ドル相当を贈与することで合意したと発表した。
約10億ペソ(1,974万ドル、約22億7千万円)相当の贈与対象の大部分は、2017年の5ヵ月に及ぶイスラム過激派との戦闘で荒廃したミンダナオ島西部マラウィ市の再建のために使われる。...
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2月10日付米
『ユーラシア・レビュー』:「中国、フィリピン国防部に巨額援助」
フィリピン政府は2月9日、中国がフィリピン政府に対して軍需物資や建設機械など数千万ドル相当を贈与することで合意したと発表した。
約10億ペソ(1,974万ドル、約22億7千万円)相当の贈与対象の大部分は、2017年の5ヵ月に及ぶイスラム過激派との戦闘で荒廃したミンダナオ島西部マラウィ市の再建のために使われる。
デルフィン・ロレンザーナ国防相(73歳)は、“長い付き合いのあるパートナーでないのにも拘らず、中国は戦禍にまみれたマラウィ市のことを特別に配慮してくれ、イスラム過激派との戦闘で失った銃器や弾薬等3億7千万ペソ(720万ドル、約8億2,800万円)も贈与してくれた”と称賛した。
最初の貨物は先月到着していて、無人機・探知機・浄水車・救急車・消防車・レントゲン装置・爆発物処理ロボット・防爆スーツ・輸送車等、約6億1,200万ペソ(1,190万ドル、約13億6,850万円)相当の軍需機器である。
国防相事務所によれば、激しい戦闘が終わって5年余りが経った現在も、市内には多くの不発弾が未処理で残されており、それらを安全に除去するための、バックホーシャベル・ダンプカー・フォークリフト・ブルドーザー等の建設機械も最初の貨物に含まれているという。
首都マニラのフィリピン国軍基地で、駐フィリピン中国大使の環希蓮氏(ファン・チーリアン)から贈与品目録を受領した同国防相は、“今回の中国からの大変な贈与品は、たとえ南シナ海で領有権問題を抱えていようとも、両国が如何に友好関係で結ばれているかを示すものだ”と表明した。
なお、次の貨物は今年後半に届けられる予定で、4億3,500万ペソ(840万ドル、約9億6,600万円)相当の機器だとされているが、当局は詳細を明らかにしていない。
なお、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領(76歳)は2016年に就任以来、南シナ海領有権問題で中国と戦争にでもなったら敵うはずもないとして、親中派を標榜してきており、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題では、中国からのワクチン供与について大層感謝していた。
ただ、フィリピン同盟国や国内野党勢力からの突き上げに遭って、2020年9月に国連総会で演説した際、“(2016年の)国際仲裁裁判所の裁定は国際法の一部と解釈されることから、今後誰が政権を執ろうが、弱体化されたり減少されたり、ましてや遺棄されることはない”と言及するに至っている。
同日付フィリピン『フィリピン通信』:「ロレンザーナ国防相、領有権問題があってもフィリピン・中国は友好関係と発言」
ロレンザーナ国防相は2月9日、中国とは領有権問題が存在するものの、両国は様々な分野で協力しあう友好関係にあると表明した。
同相が、当日にケソン市のフィリピン国軍基地で行われた、中国国防部(省に相当)から同国国防省宛の1億3千万人民元(10億5千万ペソ)相当の軍需機器贈呈式において発言したものである。
同相は、“中国とは西フィリピン海(南シナ海南部の南沙諸島海域)における領有権問題を抱えているが、かかる大層な軍需品の贈与を受けるに当たって、改めて両国が強い友好で結ばれているかが明らかになる”と言及した。
同贈呈式には、駐フィリピン環中国大使、杜続訂大使付き武官(トゥ・シゥーティン)、武官秘書官の林新虹少佐(リン・シンホン)、及び中国外交団一行が出席していた。
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