1月3日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース、フランス
『AFP通信』、豪州
『豪州AP通信』、香港
『香港フリーペイパー』等は、羽田空港で発生したJAL機・海上保安庁小型機(海保機)の衝突炎上事故について速報している。
・英国の航空コンサルタント「アセンド・バイ・シリウム」のポール・ヘイズ理事(航空安全部門)は『ロイター通信』のインタビューに答えて、“今回の衝突原因は、海保機が何故JAL機着陸直前に当該滑走路に進入したかに尽きる”とコメント。
・新鋭旅客機は、緊急脱出スライドの半分しか使用できなかったとしても、搭乗者全員が90秒以内に脱出できるような性能(乗員の訓練が行き届いていることが条件だが)。
・JAL機体提供のエアバス社(1970年設立)は、至急専門家チームを派遣し、事故原因究明等で日本政府に協力する旨表明。
・香港入境局(1961年設立)の発表では、同機搭乗の香港人10名は全員無事と確認。
・豪州政府は、同機搭乗の豪州人12名は全員無事であることを確認した上で、かかる惨事の中、搭乗者全員が無事脱出できたことを称賛。
・豪州アルバニージー首相(60歳、2022年就任)は、“友好国日本の友人らにできる限りの支援・救済を行う”旨表明。
・史上最悪の航空機事故は、1977年にスペイン・テネリフェ島(カナリア諸島)のロスロデオス空港で発生した、ボーイング・ジャンボ機2機の滑走路上での衝突事故で、犠牲者は計583人(両機の乗客乗員計644人)。
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南太平洋島嶼国のソロモン諸島(SI、1978年に英国より独立した英連邦王国)の首相は、今年4月に中国と安全保障条約を締結したが、爾来米豪等の高官が次々に文句を言うために同国を訪問してくることに嫌気がさしていた。そうした中、第二次大戦の激戦地となった「ガダルカナル島(SI最大の島)の戦い(注後記)」80周年を記念する現地式典に米国高官が出席したが、同首相は欠席して物議を醸している。
8月9日付
『豪州AP通信』は、「米国高官、SI首相は“貴重な機会を喪失”とコメント」と題して、第二次大戦中の激戦地となったガダルカナル島の戦い突入80周年を記念する慰霊式典に、SI首相が出席しなかったのは誠に残念だと表明したと報じている。
米国務省のウェンディ・シャーマン副長官(73歳、2021年就任)は8月8日、第二次大戦において激戦地となったガダルカナル島の戦い突入80周年を記念する慰霊式典に欠席したSI首相について、“貴重な機会を喪失した”とコメントした。...
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8月9日付
『豪州AP通信』は、「米国高官、SI首相は“貴重な機会を喪失”とコメント」と題して、第二次大戦中の激戦地となったガダルカナル島の戦い突入80周年を記念する慰霊式典に、SI首相が出席しなかったのは誠に残念だと表明したと報じている。
米国務省のウェンディ・シャーマン副長官(73歳、2021年就任)は8月8日、第二次大戦において激戦地となったガダルカナル島の戦い突入80周年を記念する慰霊式典に欠席したSI首相について、“貴重な機会を喪失した”とコメントした。
当該慰霊式典は8月7日、SI首都ホニアラ郊外で開催され、米国からは同副長官に加えて、駐豪州キャロライン・ケネディ大使(64歳、2022年就任)が列席した。
同副長官の父マル・シャーマン氏は海兵隊員として連合軍のガダルカナル作戦に参戦し重傷を負ったが、同大使の父ジョン・F.・ケネディ元大統領(1963年暗殺、享年46)も、艦長を務めていたパトロール魚雷艇が日本軍によって沈没させられ、九死に一生を得ていた。
SI地元紙は、マナセ・ソガバレ首相(67歳、2019年に返り咲いて4期目就任)が、今年4月に中国と安全保障条約を締結していたことから、当該式典を蔑ろにしたと報じたが、同首相事務所は即刻否定した。
同首相自身も『ソロモン・スター』紙(1982年創刊)に投稿し、決して当該式典を軽んじたことはなく、自身は先約で欠席を余儀なくされたが、3日間にわたる一連の式典には閣僚級を出席させている、と言及している。
ただ、シャーマン副長官は豪州『ABCニュース』のインタビューに答えて、“ガダルカナル島の戦いは第二次大戦を勝利に向かわせた大切な作戦であり、そこで命を落とした多くの人々を慰霊する大切な式典である”とした上で、“SI首相に直接、かかる重要な式典に都合で出席できないのは非常に残念である”旨話したと述べている。
中国がSIと安全保障条約を締結したことによって、豪州やNZの玄関口であり、かつ、米軍のグアム基地にも至近の距離にあるSIが、中国軍の海外拠点となる恐れがあることから、米国、豪州、NZが異口同音に深刻な懸念を表明してきている。
しかし、SI及び中国とも、当該条約で以てSIが中国の海外軍事基地になることはないと全面否定している。
シャーマン副長官も、SI首相が会談の席上、中国の海外軍事拠点にはならないと繰り返し述べていたとコメントした。
なお、4月にはカート・キャンベル米国家安全保障会議インド太平洋調整官(64歳、2021年就任)及びダニエル・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当、2021年就任)一行がSIを訪問して、SIが中国と締結した条約によって米国及び同盟国に脅威をもたらすことになったら、米国はSIに対して相応の対応をすると脅しをかけている。
ただ、豪州に続いて米国からも非難の声を浴びせられたソガバレ首相は、脅迫的かつ無礼な行動は許されないと逆に怒りを表していた。
一方、ガダルカナル島の戦いの慰霊式典の8月8日の行事には、日本政府を代表して鬼木誠防衛副大臣(49歳、2021年就任)が、また、NZからはピーニ・エナーレ国防大臣(2020年就任)が出席している。
(注)ガダルカナル島の戦い:第二次大戦において1942年8月7日から1943年2月7日の間に日本軍と連合軍が西太平洋ソロモン諸島のガダルカナル島を巡って繰り広げた戦い。ミッドウェー海戦と共に太平洋戦争における攻守の転換点となった。日本側は激しい消耗戦により、戦死者だけでなく兵員に多数の餓死者を発生させたうえ、軍艦、航空機、燃料、武器等多くを失った。
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