英研究:楽器演奏が高齢者の脳に好影響(2024/01/29)
楽器演奏が高齢の脳に、「記憶や問題解決能力等の側面で良い効果がある」とする研究が28日発表された。
1月28日付
『Yahooニュース』(英BBC):「高齢者の楽器演奏は脳の健康に吉」:
イギリスの研究によると、楽器演奏や歌唱が高齢者の脳の健康維持に効果があるという。
「高齢者精神医学の国際ジャーナル」で発表された報告書では、「音楽を脳の機能を維持するための生活環境アプローチとして活用すべき」だと述べてられている。
エクセター大学の研究では、脳のエイジングや認知症に関する研究の一貫として、40歳以上、平均年齢68歳となる1100人超を対象とし参加者の脳機能データを観測。...
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1月28日付
『Yahooニュース』(英BBC):「高齢者の楽器演奏は脳の健康に吉」:
イギリスの研究によると、楽器演奏や歌唱が高齢者の脳の健康維持に効果があるという。
「高齢者精神医学の国際ジャーナル」で発表された報告書では、「音楽を脳の機能を維持するための生活環境アプローチとして活用すべき」だと述べてられている。
エクセター大学の研究では、脳のエイジングや認知症に関する研究の一貫として、40歳以上、平均年齢68歳となる1100人超を対象とし参加者の脳機能データを観測。楽器演奏や歌唱、読書、音楽鑑賞、音楽的能力の影響を調査した。音楽に何らかの関わりのある生活を送ってきた被験者グループと全く関わりのないグループの認知データを比較した。
その結果、活動に複数の認知要素が求められる楽器演奏経験者で最も高い効果がみられたという。楽器の種類では、ピアノやキーボードが特に効果的であり、金管楽器や木管楽器も一定の効果があるとの結果となった。ただ音楽を聞き流すだけでは認知機能への効果は薄いとみられるが、歌唱ではコーラス・グループへの所属等、社会的側面による効果はみられた。
認知症研究者で筆頭著者のアン・コーベット教授は、「我々の研究は脳機能検査を使い、短期記憶や長期記憶、問題解決能力や楽器演奏経験の影響等、多方面の研究が可能となった。その結果、「楽器演奏が特に効果的で、高齢になっても継続して演奏している人により効果が見られた」としている。
また、「脳は他の筋肉と同じで、運動が欠かせない」ことから、新たな言語を学ぶように脳にとりチャレンジングな「楽譜を定期的に読む人は数学的記憶がより優れている」という。
この研究では、高齢になり音楽の趣味を始めた人は対象としていないが、現在のエビデンスに基づくと非常に効果があると予測される。
認知症支援団体「認知症UK」は、「認知症で他の能力やコミュニケーション力が途絶えた人でも、歌唱や演奏の継続を促すのは効果的だろう」としている。
同日付米『UPI』:「英研究、楽器演奏が高齢者の脳に与える効用」:
楽器演奏が高齢の脳に、「記憶や問題解決能力等の側面で良い効果がある」とする英国の研究が28日発表された。
10年単位で2.5万人を対象とした「PROTECT認知症研究」の一環として、40歳以上千人のデータを分析したところ、楽器演奏経験と、記憶や問題解決能力などの高次脳機能との関連性が認められたという。
PROTECT研究は、エクスター大学とキングズカレッジロンドン、国民保健サービス(NHS)との共同研究として行われている。
研究チームは参加者の「音楽との関わりレベル」と「認知検査結果」を比較。音楽への関わりが認知の衰えを緩やかにする効果があることを突き止めた。
歌を歌う行為も脳の健康との関係もみられたが、社会的に活動的である点以外の特定の効果は確認できなかったという。
ニュースリリースで認知研究者アン・コーベット氏は、脳の健康と音楽の影響を扱った研究は今回が初めてではないが、PROTECTのデータは、認知機能と音楽の大規模研究としては前例のないものだとし、多くのエビデンスから、高齢者への積極的な脳健康促進として、「音楽トレーニング」を取り入れることも提案している。
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マルチビタミンで記憶力低下防止、複数の研究成果(2024/01/19)
新たな研究結果から、マルチビタミンの摂取が成人の記憶や認知機能の低下を遅延させる可能性が確認されたと発表されている。
1月19日付
『Yahooニュース』(米NBC):「マルチビタミンが記憶力低下を遅らせるとする新エビデンス」:
新たな研究結果から、マルチビタミンの摂取が成人の記憶障害の予防になると発表された。
5千人以上を対象に行われた研究のリーダーでマサチューセッツ総合病院のチラグ・ヴィアス医師は、プラセボを飲んだ人と比較し、毎日マルチビタミンを飲んだグループでは、2年の間に認知機能の老化が抑えられる効果がみられたとする。...
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1月19日付
『Yahooニュース』(米NBC):「マルチビタミンが記憶力低下を遅らせるとする新エビデンス」:
新たな研究結果から、マルチビタミンの摂取が成人の記憶障害の予防になると発表された。
5千人以上を対象に行われた研究のリーダーでマサチューセッツ総合病院のチラグ・ヴィアス医師は、プラセボを飲んだ人と比較し、毎日マルチビタミンを飲んだグループでは、2年の間に認知機能の老化が抑えられる効果がみられたとする。
この研究は、大規模な臨床研究である、「ココア抽出物とサプリメント観察研究(COSMOS臨床試験)」の一貫として行われた。マルチビタミンを毎日摂取(この研究ではセントラムマルチビタミン)、ココア抽出サプリ、または両方の摂取が心臓病やガンを予防をするかが試された。セントラムの製造元ファイザー社が試験で使用されたサプリとプラセボ錠剤を提供。菓子メーカー「Mars」もこの試験に協賛している。
3つ研究と最終結果が18日、「アメリカ臨床栄養ジャーナル」に掲載された。60歳以上の成人573人が、2年間毎日マルチビタミン又はプラセボ(偽薬)を摂取した。研究者は認知機能に関する3つの研究を評価。同様の事前の2つの研究では、認知機能の測定に電話やウェブを利用した。
3つの臨床試験からは、老齢化による記憶障害への一定の予防効果がみられた。統合結果ではマルチビタミンを摂取した健康な成人被験者では、論理的思考や注意力、計画力、日毎の記憶を呼びもどすなど、包括的な機能での効果がみられた。
一方、どの特定ビタミンやミネラルが影響したかは不明となっている。ヴィアス医師は、「認知機能に最も効果を示す微量栄養素の特定には、今後の研究が待たれる」とし、「加齢によりニューロンを囲む膜組織や脳細胞が衰え始めるが、ビタミンには一定の予防効果があるのかもしれない」と予測。また、被験者の過半数が白人だったため、今後は多様な人種での研究も必要となる」とする。
アリゾナ州メイヨークリニックのカゼッリ神経学名誉教授は、ビタミンだけが認知機能に効果があるとも考えられるが、アルツハイマー患者ではない健康な被験者における3年の期間での認知度の変化は極僅かだとする。
L.A.ジョナ・ゴールドリッチ・アルツハイマー病・記憶障害センターのザルディ・タン博士は、ビタミン12やビタミンEなど特定の要素不足は、認知機能の衰えとの関連があるとされており、ビタミンが不足した人には一定の効果があるとするが、健康的な食事をしている人に効果があるかは不明だとする。
1月18日付米『USニューズ&ワールド・レポート』:「毎日のマルチビタミン摂取で脳の老化防止効果」:
毎日マルチビタミンを接種すると、脳の健康を保てるとの新たな研究結果。
18日「米臨床栄養ジャーナル」に発表された研究によると、マルチビタミンの接種が高齢者の記憶や認知低下を予防するという。その効果は大きく、2年間毎日サプリメントを飲んだ場合、プラセボ(偽薬)を飲んだ人と比べ、脳の老化が抑えられたという。
一方で、健康的な食事だけでも同じ効果があるのかという点では疑問が残る。研究者の一人、メイヨークリニックのリチャード・カゼッリ神経学名誉教授も、健康的な食事を摂っている人にも大きな影響があるかは分かっていないとする。
マサチューセッツ総合病院精神医学科のチラグ・ヴィアス医師は「認知機能の低下は、特に高齢者にとって最も懸念される問題だ。毎日マルチビタミンを摂取することで、機能低下を抑えられるとすれば容易なアプローチとして今後非常に期待がもてる」とする。
大規模な臨床試験は、マサチューセッツ総合病院で、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、コロンビア大学、ウェイクフォレスト大学が参加し、ファイザーがタブレットを提供、国立衛生研究所や菓子メーカーの協賛で実施された。
3つの臨床試験でなるこのCOSMOS臨床試験では、毎日20種類以上の微量栄養素が含まれたこのマルチビタミンを摂ることで、脳機能と記憶の両方に効果が認められるという確かなエビデンスが得られた。
ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のセッソ副所長は、老化に関する他の要素にフォーカスを当て、マルチビタミンがどう認知低下防止にどう作用するのか、そのメカニズムの解明が待たれるとする。
L.A.のジョナ・ゴールドリッチ・アルツハイマー病・記憶障害センターのザルディ・タン博士は、「社会的活動、軽い運動、脳に負荷のかかるタスク、健康的な食事は重要で、食事から必要な栄養を取れていない場合にマルチビタミンが役立つ場合があるだろう」としている。
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