破綻寸前のスリランカ、IMFに救済を求める(2022/03/18)
スリランカのゴーターバヤ・ラージャパクサ大統領は16日、新型コロナウイルスによる観光業の崩壊以来、経済破産寸前という状況に直面しており、国際通貨基金(IMF)からの融資を求めると発表した。
仏週刊紙
『クーリエ・インターナショナル』は、スリランカのデイリーファイナンシャルタイムズは、「15分足らずの短いスピーチで、大統領は、現在の問題の原因は通貨危機であり、これは現政権が原因はないと述べた」と報じている。スリランカ政府はこれまで、国際金融機関の力を借りれば島は危機を脱することができると考え、IMFへの要請を拒んでいた。今回IMFと協力することを決定したことで、数カ月にわたる憶測に終止符を打った。...
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仏週刊紙
『クーリエ・インターナショナル』は、スリランカのデイリーファイナンシャルタイムズは、「15分足らずの短いスピーチで、大統領は、現在の問題の原因は通貨危機であり、これは現政権が原因はないと述べた」と報じている。スリランカ政府はこれまで、国際金融機関の力を借りれば島は危機を脱することができると考え、IMFへの要請を拒んでいた。今回IMFと協力することを決定したことで、数カ月にわたる憶測に終止符を打った。
スリランカは、1948年の独立以来、最悪の経済・金融危機を経験している。外貨が不足し、輸入のための資金を調達することができなくなっている。スリランカのエコノミー・ネクスト紙は、「スリランカの食堂やレストランは調理用ガスの不足により3月17日から閉鎖を余儀なくされ、50万人の生活が脅かされる」と警告を発している。
米『ブルームバーグ』によると、スリランカは、外貨準備を強化し、迫り来る債務の支払いの返済のために努力していたが、ウクライナ戦争によって困難となり、国際通貨基金からの財政支援を求めることを決定したという。アジア最悪のインフレに見舞われ、必需品や燃料の調達に苦労しているスリランカに対し、中国やインドを含む同盟国は、二国間信用枠を遅らせていた。一方、ウクライナなどの旧ソ連諸国はスリランカの最大の観光資源であり、紛争の影響で収入が減少することが予想される。
仏紙『ルフィガロ』は、経済・金融危機は政治的な危機を招いていると伝えている。15日には、野党の呼びかけで、大統領の辞任を求める群衆が大統領府への侵入を試みた。港湾都市コロンボのいくつかの主要道路も、燃料不足のために数週間にわたって公共交通機関が著しく混乱していたにもかかわらず、集まったデモ隊によって封鎖された。
主要な外貨獲得源である観光部門は、新型コロナウイルスの流行開始と2019年のイースターのイスラム教徒の攻撃以来、完全に荒廃している。スリランカは外貨不足のため輸入資金を調達できなくなり、IMFの助言で切り下げに踏み切らざるを得なくなった。
仏誌『レゼコー』によると、数ヶ月前から、深刻な品不足に悩まされるスリランカでは国民の怒りが高まっているという。薬やガソリン、基本的な食料が不足している住民は日常的な停電にも悩まされている。大統領は国民に対して、「燃料や電気の使用をできるだけ控えることで、市民のみなさんもこの国の維持に貢献している。この困難な時期に、一人一人に課せられた責任を理解してほしい。」と呼び掛けている。
外貨がなければ、輸入のための資金を調達することができなくなるが、過去2年間で、外貨準備高は70%縮小した。ゴーターバヤ・ラージャパクサ大統領が政権を取った2019年11月の75億ドルから、先月は23億ドルに減少した。対外債務の返済だけでも、スリランカは今年69億ドルを必要としているという。
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EU、ウクライナ難民受け入れのための「暫定的保護命令」を採決へ(2022/02/28)
欧州連合(EU)は、ウクライナを支援するための取り組みの一環として28日、ウクライナからの難民を一時的に保護する特別措置の採決が行われる。
仏紙
『ル・フィガロ』によると、EU議長国フランスのダルマナン外相は28日にフランスのテレビ番組に出演し、戦争から逃れたウクライナ人は、すべてのEU加盟国において一律に亡命を認められるべきであると主張した。「彼らはフランスで歓迎されている。」と述べ、ヨーロッパが、経済、物質、人の連隊、そして亡命のために連帯していることを評価した。
すでに40万人近くがウクライナから避難しており、難民が最も多く非難しているポーランドとモルドバには、逃げて来る「人々を最高の条件で迎え入れるために」、「テント、医薬品、食料」が送られているという。...
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仏紙
『ル・フィガロ』によると、EU議長国フランスのダルマナン外相は28日にフランスのテレビ番組に出演し、戦争から逃れたウクライナ人は、すべてのEU加盟国において一律に亡命を認められるべきであると主張した。「彼らはフランスで歓迎されている。」と述べ、ヨーロッパが、経済、物質、人の連隊、そして亡命のために連帯していることを評価した。
すでに40万人近くがウクライナから避難しており、難民が最も多く非難しているポーランドとモルドバには、逃げて来る「人々を最高の条件で迎え入れるために」、「テント、医薬品、食料」が送られているという。さらに「医薬品を満載した」2機の飛行機が「今後数時間のうちに」ポーランドに着陸する予定だという。
仏地方紙『シュッド・ウエスト』によると、この暫定的保護の措置は、旧ユーゴスラビア紛争に対応して設けられたが、使われることはなかったもので、避難民が大量に流入した場合に一時保護を与えることや、これらの難民を受け入れるための負担をEU加盟国で分担する措置が規定されている。現在ウクライナからの難民は、EU各国にビザなしで入国し3ヶ月間滞在することができる。
仏放送局『フランス・アンフォ』によると、人道援助活動を行っている「国際ケア機構」のフィリップ・レヴェック事務局長は27日、ウクライナから国外に避難した人々の数は、ロシア侵攻開始以来、36万8000人の難民・避難民という国連の推計よりも「はるかに多いのは確かだ」と述べている。「これは氷山の一角で、まだまだたくさんいるはず。人道援助が必要なのは大部分がウクライナ内部になる。欧州内では、ルーマニアとポーランドで、受け入れ体制が整えられているところだ。」と述べている。
しかし「アフリカや中東で経験していることとは全く違うので、難しい状況だ。」という。ウクライナからの難民は、60歳以上の高齢者が25%を占めており、「基本的に女性や子供で構成されており、男性たちは残って戦っている。さらに、衛生面や医療面で、他の地域よりずっと高度なレベルに慣れている人々であり、ニーズは大きい。重篤で慢性的な病態を抱えた人々がすでに確認されている。今のところ、それらに対応できる能力をあまり持ち合わせていない」。
レヴェック事務局長はまた、現在は資金的な手段が不足しているため、寄付を呼びかけているという。「国際ケア機構」のスタッフはウクライナには入国できないため、すでにウクライナにいるアソシエイト・パートナーに資金を送っている。ウクライナでは「銀行はまだ機能している。物資はまだお店で買えるので、不足はない。当面は、資金の移動が最も重要で、今後数週間、基本的なニーズのひとつになると思う。」と説明している。
なお、『AFP通信』は、ハンガリーでは、大量に押し寄せてくるウクライナからの難民に対して、ハンガリー国民が積極的に支援の手を差し伸べていると報じている。反移民政策で知られるオルバン首相も、同国の厳しい亡命基準を緩和することを表明した。ハンガリー警察の発表によると、すでに7万人以上がハンガリーに避難している。しかし、「誰しもが突然難民になりうる」という現実に直面し、ハンガリーの市民だけでなく、慈善団体、関係都市の市長などが積極的に支援活動に取り組んでいるという。
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