インドネシア高速鉄道;中国”一帯一路経済圏構想”下のプロジェクトが漸く完工間近【米・中国メディア】(2022/10/14)
インドネシア首都ジャカルタ~バンドンを結ぶ高速鉄道建設プロジェクトが漸く完工間近となった。当プロジェクトは、2015年に日本コンソーシアムを破って中国が受注したものの、土地買収や環境アセスメント等の未整備で、2019年開業が2023年にまで大幅遅延する見込みとなっている。
10月14日付米
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース(2001年設立)は、「インドネシア、初の高速鉄道開業に拍車」と題して、7年前に日本コンソーシアムを破って中国が受注したインドネシア初の高速鉄道建設プロジェクトが、この程漸く完工間近となったと報じている。
インドネシアは、東南アジア初となる高速鉄道建設プロジェクトを2023年までに完工・開業すべく注力している。
同プロジェクトは、首都ジャカルタと200キロメートル東南のバンドン(西ジャワ州都、ジャワ島第2の都市)を結ぶもので、中国が推進する一帯一路経済圏構想(BRI)の一環で建設される。...
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10月14日付米
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース(2001年設立)は、「インドネシア、初の高速鉄道開業に拍車」と題して、7年前に日本コンソーシアムを破って中国が受注したインドネシア初の高速鉄道建設プロジェクトが、この程漸く完工間近となったと報じている。
インドネシアは、東南アジア初となる高速鉄道建設プロジェクトを2023年までに完工・開業すべく注力している。
同プロジェクトは、首都ジャカルタと200キロメートル東南のバンドン(西ジャワ州都、ジャワ島第2の都市)を結ぶもので、中国が推進する一帯一路経済圏構想(BRI)の一環で建設される。
同プロジェクトが完成すれば、2都市間移動にこれまで3時間かかっていたものが僅か40分に短縮されるため、長年悩まされてきた猛烈な交通渋滞緩和に貢献することになる。
ジョコ・ウィドド大統領(61歳、2014年就任、現在2期目)は10月13日、同プロジェクトがほぼ90%完工することとなったため、中国製高速鉄道列車が停められているテガルア駅(4駅のうちの一つでバンドン市内)を視察に訪れた。
同駅には、世界最大の鉄道車両メーカー中国中車(CRRC、2007年前身設立)傘下のCRRC青島四方機車車輛有限公司(1900年ドイツ総督府によって設立)によって製造された8両1編成の高速鉄道と検測車1編成が9月に搬入されている。
CRRCは2017年4月、同プロジェクト運営母体(中国鉄建とインドネシア国有企業連合との合弁会社)から、8両11編成及び検測車1編成を3億6,450万ドル(約529億円)で受注していた。
同大統領は訪問先で、“ジャカルタ~バンドン高速鉄道は人・物を迅速かつ効率よく移動させることになるため、益々競争力向上に貢献することになる”と強調した。
同大統領はかねて、来月半ばにジャワ島で開催される主要20ヵ国首脳会議(G-20サミット)後に、習近平国家主席(シー・チンピン、69歳、2012年就任)を招待して試験走行に同乗してもらう考えを披露していたが、10月13日の会見時には、“中国側と調整中で、まだ最終的に固まってはいない”と述べた。
同プロジェクトは2015年10月、競合していた日本コンソーシアムを破って中国鉄建有限公司(CRCC、1990年設立)が受注し、インドネシア国有企業連合との合弁会社の下、総工費78億ドル(約1兆1,310億円)、ジャカルタ~バンドン間142.3キロメートルの高速鉄道建設・運行事業を取り仕切っている。
同プロジェクトには、中国開発銀行(1994年)が75%融資し、残りはCRCC・インドネシア国有企業連合が負担することになっている。
かかるインフラ整備・拡張計画の具体的推進もあって、ウィドド大統領は2019年に2期目の当選を果たしている。
なお、ブディ・カリヤ・スマディ運輸相(64歳、2016年就任)は、日本側が支援してくれているジャカルタ地下鉄は2019年開業していて首都混雑緩和に貢献しているとし、第2段階の敷設プロジェクトも間もなく完工見込みであり、更に第3段階については、目下日本・英国共同体から融資提案を受けていると言及した。
同日付中国『新華社通信』は、「インドネシア大統領、ジャカルタ~バンドン間高速鉄道建設プロジェクトを視察」として、中国側肝入りの同国高速鉄道建設プロジェクトの完工を控えて、ウィドド大統領が視察したと報じている。
ウィドド大統領が視察に訪れたテガルア駅はバンドン市内にあり、ジャカルタ~バンドン間高速鉄道の終着駅である。
同大統領は現地で、プロジェクト建設工程は全般的にスムーズに進捗しているとコメントした。
同プロジェクト主体企業連合は、建設予定地の地形の複雑さや、折からの感染症流行問題に遭って、建設促進にかなりの困難を伴ったが、何とか乗り越えたとしている。
インドネシアは、来月に主催するG-20サミットにおいて、インドネシア・中国間の協力事業として紹介する意向である。
なお、同プロジェクトは現在、路床・橋・駅等の建設計画の92%を終えている。
また、9月1日に最初の8両1編成の高速鉄道車両及び検測車1編成が現地に搬入されていて、多雨・酷暑の現地気候に改良された同高速鉄道は最高時速350キロメートルで走行し、ジャカルタ~バンドン間を僅か40分で結ぶ。
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習国家主席、消息不明で失脚かとの噂が飛び交う中、10日振りに表舞台に登場【米・香港メディア】(2022/09/28)
習近平国家主席(シー・チンピン、69歳、2012年就任)は、9月中旬にウズベキスタンで開催された上海協力機構(SCO、注後記)に出席した後、暫く消息不明となっていた。来月中旬の重要な中国共産党大会を控えた時期であったため、失脚かとの根拠のない噂まで飛び出したが、この程10日ぶりに表舞台に登場している。
9月28日付米
『AP通信』は、「習国家主席、消息不明との噂が飛び交う中、漸く国営テレビに登場」と題して、習近平国家主席は、来月中旬に開催される中国共産党大会において異例の3期目の続投が決定されると予想される中、暫くの間消息不明となったことから、失脚かとの根拠のない噂まで飛び出したが、10日ぶりに表舞台に姿を現したと報じている。
習近平国家主席は9月27日、約10日振りに表舞台に登場した。...
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9月28日付米
『AP通信』は、「習国家主席、消息不明との噂が飛び交う中、漸く国営テレビに登場」と題して、習近平国家主席は、来月中旬に開催される中国共産党大会において異例の3期目の続投が決定されると予想される中、暫くの間消息不明となったことから、失脚かとの根拠のない噂まで飛び出したが、10日ぶりに表舞台に姿を現したと報じている。
習近平国家主席は9月27日、約10日振りに表舞台に登場した。
北京で開催された、「新時代への邁進」と題する展覧会を視察したもので、李克強首相(67歳、2013年就任)他幹部を従えた姿が国営テレビで報じられた。
同国家主席は9月中旬にウズベキスタンで開催されたSCOに出席した後、暫く公から姿を消していた。
現下の中国新感染症防止対策“ゼロコロナ政策”上、国家主席と言えども帰国後1週間は自主隔離が必要であるが、経過後数日経っても消息が不明であった。
中国では、政権への如何なる異議も冷酷に取り締まられているが、しばしば内紛とかクーデターとかの噂が飛び出す不可解な事態が起こっている。
今後の指導体制が決定される10月16日開催の中国共産党大会直前に、習国家主席が数日間表舞台から消えたことから、またぞろ失脚かとの根拠のない噂まで飛び交っていた。
キングス・カレッジ・ロンドン(1829年設立の国立大学)中国研究専門のケリー・ブラウン教授は、“もし中国上層部の中で習氏に対する不満が高まっているならば、何らかの兆しが見えるはずだ”とし、“何ら動きが見えない以上、(習氏失脚等)何も起こらないと思う”とコメントした。
更に、内紛とかクーデターとかの噂に対して、中国人民解放軍は習国家主席の反腐敗運動の賜物で、厳しい管理下に置かれてしまっている、とし、“仮に(失脚等の)そのような声が上がっているとすれば、中国中央ではなく、香港とかその他中央政府に厳しく取り締まられているところから上がったものとみられる”とも付言した。
同日付香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙は、「習国家主席、再び公に姿をみせる」として、暫く姿をみせていなかったものの、習国家主席が中央政府幹部を引き連れて表舞台に登場したと報じている。
習国家主席が9月27日、北京で開催されている展覧会に現われた。
国営『新華社通信』によると、同国家主席が、過去10年間で中国が成し遂げた業績を振り返る「新時代への邁進」と題する展覧会を視察したという。
また、同国家主席には、中国共産党中央政治局(党を指導し、政策を討議・決定する機関、トップ25人で編成)の幹部十数人が随行していたと報じている。
同国家主席は、9月中旬に新規感染症問題発生以来2年振りとなる外遊を行って帰国したが、10日間公に姿をみせていなかった。
同国家主席は展覧会視察の際、指導部が“政治、経済、イデオロギーや自然界がもたらした試練に耐え、歴史的業績を収めた”と強調した。
その上で、自らが掲げてきた“社会主義現代化強国”の実現目標や政治理念の“中国の特色ある社会主義”について、“新たな一章を記し、新たな勝利を奪取しなくてはならない”とも付言している。
なお、かかる報道記事から、専門家は、来月の党大会での異例の3期目続投が益々盤石となったとみられるとコメントしている。
(注)SCO:中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタンの8ヵ国による多国間協力組織、もしくは国家連合。2001年設立(1996年前身の「上海ファイブ」設立)。上海で設立されたために「上海」の名を冠するが、本部(事務局)は北京。
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