カナダ首相、日本・中国・ベトナム・韓国コミュニティの文化・慣習に敬意を払って、”中秋節”を祝うメッセージ発信【米・中国メディア】(2022/09/11)
9月10日は、中国では“中秋節(日本の十五夜、注1後記)”の祝日である。カナダは目下、中国と政治的対立関係にあるが、それは別次元の話として、ジャスティン・トルドー首相(50歳、2015年就任)がこの程、同国の中国他アジア系コミュニティの文化・慣習に敬意を払って、祝辞を送っている。
9月10日付米
『EINプレスワイア』(2007年設立のインターネット専用のプレスリリース発信メディア)は、カナダ首相の“中秋節”を祝うメッセージを掲載した。
ジャスティン・トルドー首相は9月10日、“中秋節”を祝うメッセージを発信した。
(メッセージ大要)
・私たちは今晩、カナダ国内のみならず世界に展開している中国、ベトナム、韓国、及び日系コミュニティと一緒に“中秋節”を祝いたい。...
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9月10日付米
『EINプレスワイア』(2007年設立のインターネット専用のプレスリリース発信メディア)は、カナダ首相の“中秋節”を祝うメッセージを掲載した。
ジャスティン・トルドー首相は9月10日、“中秋節”を祝うメッセージを発信した。
(メッセージ大要)
・私たちは今晩、カナダ国内のみならず世界に展開している中国、ベトナム、韓国、及び日系コミュニティと一緒に“中秋節”を祝いたい。
・“中秋節”は、何世紀もアジア地域において、月が最も満ち、かつ美しいとされる旧暦8月15日に定められて祝われてきた。
・“中秋節”当日、コミュニティの多くの家族・知人・仲間が集まり、提灯に灯をともし、月餅をやり取りし、またプレゼントの交換をしたりして、満月を愛でてきている。
・更に、家族の大切さを祝い、また、これまでの吉事に感謝した上で、これからの一年をつつがなく過ごせるよう祈っている。
・そこで私たちは、カナダにおける多様性を慮り、中国、ベトナム、韓国及び日系コミュニティの文化・慣習に敬意を払い、益々の繁栄を祈念したい。
・トルドー一家を代表して、ソフィー(注2後記)と私から“中秋節”おめでとう、との祝辞を贈りたい。
一方、9月11日付中国『新華社通信』は、「“中秋節”、世界各地で祝われる」として、中国の伝統行事が世界に広く知れ渡り、祝われていると誇らしげに報じている。
“中秋節”にあたる9月10日、世界各地の中国人コミュニティのみならず、中国人以外の多くの住民も祝った。
“中秋節”は数千年に及ぶ中国の伝統行事で、旧暦8月15日(今年は9月10日)に、故郷を離れていた家族も戻ってきて一堂に会し、月餅を食しながら満月を愛でる祭りである。
世界各地で行われた行事は以下どおりである。
●豪州:中国人街の象徴とされる、南部メルボルンのミートマーケットでは、200年余りも続く“中秋節”の行事が営まれた。
●ラオス:首都ビエンチャンでは、1日早く9月9日晩に、中国文化センターで中国映画鑑賞会が開かれ、“中秋節”の行事も開催された。
●ナイジェリア:首都ラゴスのオリエンタルホテル内で9月9日晩、約500人が集まって5時間半余りも歌舞音曲で祝った。
●米国:ワシントンDCの中華系米国博物館に多くの中華系米国人及びその他民族グループが一堂に会し、“中秋節”の行事を堪能した。また、ニューヨークのリンカーンセンターでは9月9日夜、“中秋節”を祝う「ゴールデンナイト・コンサート2022」が開催された。
●キューバ:首都ハバナのチャイナタウンでは、大通りに多くの提灯が飾られ、月餅作り競技会や、カードゲーム、書道、武芸等、中国の伝統行事が披露された。
(注1)中秋節:旧暦の8月15日にあたる日で、春節・端午節と並ぶ中国の代表的な節句の一つ。新月の日を「月の最初の日」として、次の新月までを1ヵ月とカウントする旧暦では、毎月15日がほぼ満月になるが、旧暦の7月・8月・9月と続く秋の真ん中にあたる8月の十五夜の日を「中秋」と呼び、この日の満月は一年で最も美しいとされている。そこで、古くから中国では、中秋節が国民の祝日となっていて(韓国も同様、「秋夕」という祝日)、この日を含め連休になることが一般的。家族で月にお供え物をして一家団欒を楽しむのが習わし。
(注2)ソフィー:ソフィー・グレゴワール氏(47歳)。元モデル兼テレビタレントで2005年にトルドー氏と結婚。子供は3人。
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中国:ウクライナ戦争勃発後初めて中央政府幹部をロシアに派遣【欧米・香港メディア】(2022/09/05)
中国は、表向きは西側諸国の対ロシア制裁を非難してきたが、ロシアとの高官レベルの往来は控えてきた。しかし、ウクライナ戦争でロシアが劣勢となった場合に起こり得る中国への影響を慮ってか、この程、習国家主席・李首相に次ぐ第3位の政府幹部をロシアに派遣して、強固な中ロ関係を内外に示すこととしている。
9月4日付欧米
『ロイター通信』は、「中国政府幹部高官、ロシアで開催される東方経済フォーラムに出席」と題して、中国政府が、ウクライナ戦争勃発後初めて幹部高官をロシアに派遣すると報じている。
中国の全国人民代表大会(共産党大会)常務委員会の栗戦書委員長(リー・チャンシュー、71歳、2018年就任)が、9月5日からロシアを訪問して、同地で開催される第7回東方経済フォーラム(EEF、注1後記)に出席することになった。...
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9月4日付欧米
『ロイター通信』は、「中国政府幹部高官、ロシアで開催される東方経済フォーラムに出席」と題して、中国政府が、ウクライナ戦争勃発後初めて幹部高官をロシアに派遣すると報じている。
中国の全国人民代表大会(共産党大会)常務委員会の栗戦書委員長(リー・チャンシュー、71歳、2018年就任)が、9月5日からロシアを訪問して、同地で開催される第7回東方経済フォーラム(EEF、注1後記)に出席することになった。
中国国営メディア『新華社通信』が報じたもので、栗委員長は習近平国家主席(シー・チンピン、69歳、2012年就任)・李克強首相(リー・クーチアン、67歳、2013年就任)に次ぐNo.3の地位にあり、ウクライナ戦争勃発以降に訪ロする最高幹部となる。
同委員長は、9月5日からウラジオストクで開催されるEEFに出席した後、9月7日から17日にかけて、モンゴル、ネパール、韓国を歴訪する予定であるという。
ただ、同委員長は、来月中旬に開催される中国共産党大会を最後に退任するとされている。
なお、習国家主席は今年2月、北京冬季大会開会式出席のために訪中したプーチン大統領と首脳会談した際、中ロ両国間は“無限の”パートナーシップ関係にあると表明している。
同日付香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙は、「中国No.3の栗戦書委員長が訪ロ」として、ウクライナ戦争勃発後初となる最高幹部の訪ロについて、習国家主席・プーチン大統領間首脳会談の露払いとなるとみられると報じている。
中国中央政治局(注2後記)第3位の地位にある栗委員長が、9月5日の週からロシア他を歴訪する。
中央政治局委員は習国家主席を含めて、2020年初めの新型コロナウィルス感染流行問題(パンデミック)発生以来、外遊を控えてきているため、栗委員長の訪ロでいよいよそれが解禁されることになるとみられる。
また、ウクライナ戦争勃発後以降、中国高官の訪ロは初めてとなるが、9月15日にウズベキスタンで開催される上海協力機構(SCO、注3後記)に中ロ両首脳が出席するとみられるため、今年2月以来の両首脳会談開催の露払いのための訪ロとも考えられる。
なお、中国外交トップである楊潔篪中央外事活動委員会弁公室主任(第16位の地位、ヤン・チエチー、72歳、2013年就任)は、パンデミック後も唯一外遊し、アントニー・ブリンケン国務長官(59歳、2021年就任)との会談のために訪米したりしていた。
(注1)EEF:ロシア極東部へ外国からの投資を促すのが主目的の国際会議で、2015年から毎年9月にウラジオストクの極東連邦大学を会場として開催。ウラジーミル・プーチン大統領(69歳)、安倍晋三首相(1954~2022年、2006~2007年及び2012~2020年在任)も毎年出席していた。
(注2)中国中央政治局:中国共産党を指導し、政策を討議・決定する機関。同委員会は25名で組成。通常5年に一回開かれる全国人民大会(共産党大会)で指名・承認される。なお、同局の上部機関に中央政治局常務委員会(トップ7人で構成)が実質的な最高機関である。
(注3)SCO:中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタンの8ヵ国による多国間協力組織、もしくは国家連合。2001年に、前身となる上海ファイブ(最初の5ヵ国)として設立されたために「上海」の名を冠するが、本部(事務局)は北京。
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