習国家主席、中央アジア諸国抱き込みのため初の首脳会議主催【中国・ロシア・フランスメデイア】(2023/05/09)
習近平国家主席(シー・チンピン、69歳、2012年就任)肝いりで推進する一帯一路経済圏構想(BRI)は、人権問題で欧州からの反発に遭ったり、また、スリランカやケニア等が債務超過に陥ったりしていることで、思うほど進展をみていない。そうした中、同国家主導で中央アジア5ヵ国との首脳会議を開催し、BRI進捗の追い風となるよう画策している。
5月8日付中国
『新華社通信』、ロシア
『タス通信』、フランス
『AFP通信』等は、習近平国家主席がこの程、中央アジア5ヵ国との首脳会議を主催し、BRI構想発展の肝のひとつである中国~欧州間を結ぶ大陸横断鉄道網(トランス=ユーラシア・ロジスティクス、TER、注後記)の発展・拡充への追い風としようとしていると報じている。
中国外交部(省に相当)の華春瑩報道担当次官補(53歳、ホア・チュンイン、2021年報道局長より昇進)は5月8日、5月18~19日に中国中西部の西安(シーアン、陝西省省都)において中央アジア5ヵ国との首脳会議が開催されると発表した。...
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5月8日付中国
『新華社通信』、ロシア
『タス通信』、フランス
『AFP通信』等は、習近平国家主席がこの程、中央アジア5ヵ国との首脳会議を主催し、BRI構想発展の肝のひとつである中国~欧州間を結ぶ大陸横断鉄道網(トランス=ユーラシア・ロジスティクス、TER、注後記)の発展・拡充への追い風としようとしていると報じている。
中国外交部(省に相当)の華春瑩報道担当次官補(53歳、ホア・チュンイン、2021年報道局長より昇進)は5月8日、5月18~19日に中国中西部の西安(シーアン、陝西省省都)において中央アジア5ヵ国との首脳会議が開催されると発表した。
それによると、習国家主席が初の主催者となって、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領(69歳、2019年就任)、キルギスのサディル・ジャバロフ大統領(54歳、2021年就任)、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領(70歳、1994年就任)、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領(41歳、2022年就任)及びウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領(65歳、2016年就任)が出席するという。
中国国営メディア報道によれば、首脳会議開催の目的は、経済及び外国関係の強化であるという。
中国は、エネルギー資源確保の一環で、中央アジアに賦存する天然ガス開発促進のために数十億ドル(数千億円)を投じている。
また、習国家主席が主導し、既に数兆ドル(数百兆円)を投じたBRI構想が成功するかどうかは、中央アジアを通って欧州諸国とを結ぶTERの拡充・発展が鍵を握るとされている。
なお、これら5ヵ国は19世紀以降旧ソ連の属国であったが、1991年のソ連崩壊とともにいずれも同年に独立を果たしている。
更に、昨年のロシアによるウクライナ軍事侵攻以来、ロシアとの関係はギクシャクしたものになっていて、代わって中国との結び付きが強まってきている。
かかる背景もあってか、欧米諸国が厳しく非難する中国政府の新疆ウィグル自治区等に対する人権侵害問題について、これら中央アジア諸国は沈黙を守っている。
(注)TEL:中国呼称は中欧班列で、中国と欧州を結びユーラシア大陸を横断する貨物列車で、中国政府からはBRI構想の中核と位置付けられている。ドイツ鉄道・ロシア鉄道及び中国国家鉄路集団による合弁事業で、日本などとの航空貨物や海上コンテナとの積み換え分を含めた貨物を、中国とロシア、モンゴル、カザフスタンを経由してドイツなど西欧諸国との間で鉄道輸送する。
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中国メディア、約80%が防衛費増額のための増税に反対との日本の世論調査結果を引用報道(2023/05/08)
岸田政権は昨年12月、今後5年間で防衛力を抜本的に強化するため43兆円(1年当り8兆6千億円)とする「防衛力整備計画」を発表した。この政策に関し、直近の世論調査では、約80%が防衛費増額のための増税に反対するとの結果となっているが、中国メディアが当該記事を引用報道している。
5月7日付
『新華社通信』は、日本で直近に行われた世論調査の結果、約80%が防衛費増額のための増税に反対していることが判明したとの記事を引用報道している。
『共同通信』は5月6日、直近で実施した安全保障に関する世論調査の結果を公表した。
それによると、約80%が、もし岸田政権が防衛費増額用の資金拠出のために増税する場合には明確に反対するとの声を上げている。
この数値は、昨年末の調査時の64.9%から大幅増の結果となっている。...
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5月7日付
『新華社通信』は、日本で直近に行われた世論調査の結果、約80%が防衛費増額のための増税に反対していることが判明したとの記事を引用報道している。
『共同通信』は5月6日、直近で実施した安全保障に関する世論調査の結果を公表した。
それによると、約80%が、もし岸田政権が防衛費増額用の資金拠出のために増税する場合には明確に反対するとの声を上げている。
この数値は、昨年末の調査時の64.9%から大幅増の結果となっている。
日本政府は昨年12月、防衛力強化のために2023年度からの5年間で43兆円(3,190億ドル)を確保するとし、従来実績より50%余りも増額する計画を発表している。
同政府は目下のところ、資金確保には税外収入を充てるとしているが、2027年4月以降、これまで防衛費の上限とされてきた国内総生産(GDP)の1%枠を撤廃して2%とするとしている。
しかし、今回の調査によると60%近くの人が、5ヵ年防衛費増額計画は“不適切”としていて、また、88%もが岸田文雄首相(65歳、2021年就任)による当該計画の説明は“不十分”だと回答している。
更に、回答者の76%が、政府発表の防衛計画詳細について良く理解できていないとしている。
このような調査結果を待つまでもなく、政府の5ヵ年防衛費増額計画については、日本の平和憲法に反する行為だとして、世論はもとより野党や学者らから当然のように非難の声が上がっている。
なお、今回の『共同通信』の世論調査は、18歳以上の成人男女3千人を対象に、3月7日から4月17日の間に郵便によるアンケートを実施したもので、期間内の回答者2,043人のうち、1,959人の有効回答を基に分析している。
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