南シナ海の中国海南省、他省に先駆けてガソリン及びディーゼル車販売禁止政策を発表【米・中国メディア】(2022/08/24)
中国は今夏、今世紀最悪の猛暑・干ばつに見舞われている。当局も、温室効果ガスによる気候変動が要因であると承知しており、新型コロナウィルス感染問題に伴う経済成長減速に遭っても、その削減対策に余念がない。そうした中、南シナ海の海南省(ハイナン)が、他省に先駆けて、ガソリン及びディーゼル車の販売禁止とともに電気自動車販売奨励政策を具体的に打ち出している。
8月24日付米
『AP通信』は、「中国の一省、ガソリン車販売禁止政策を発表」と題して、中国南端の海南省政府が、気候温暖化対策の一環で、ガソリン及びディーゼル車の販売禁止並びに電気自動車の販売奨励政策を発表したと報じている。
南シナ海の海南省が、気候変動対策の一環で温室効果ガス削減のため、ガソリン及びディーゼル車の販売禁止政策を実施する、中国で最初の省になるという。
同省政府が8月22日に発表したもので、2030年までにガソリン及びディーゼル車の販売を禁止するとともに、電気自動車購入に伴う減税政策を織り込んだ「二酸化炭素発生抑制実現計画(CPIP)」をリリースした。...
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8月24日付米
『AP通信』は、「中国の一省、ガソリン車販売禁止政策を発表」と題して、中国南端の海南省政府が、気候温暖化対策の一環で、ガソリン及びディーゼル車の販売禁止並びに電気自動車の販売奨励政策を発表したと報じている。
南シナ海の海南省が、気候変動対策の一環で温室効果ガス削減のため、ガソリン及びディーゼル車の販売禁止政策を実施する、中国で最初の省になるという。
同省政府が8月22日に発表したもので、2030年までにガソリン及びディーゼル車の販売を禁止するとともに、電気自動車購入に伴う減税政策を織り込んだ「二酸化炭素発生抑制実現計画(CPIP)」をリリースした。
中国全土で今夏、直近数十年間で最悪となる猛暑及び干ばつに襲われており、農作物の不作のみならず、河川や貯水池の大幅水量減少による水力発電への悪影響も出ている。
そこで同省としては、“省内全体で、(温室効果ガス削減のために)ガソリン及びディーゼル車の販売禁止政策を徹底する”としている。
中国工業情報化部(省に相当、2008年設立)の副部長が2017年9月、国家政策としてガソリン及びディーゼル車の販売禁止政策導入を検討している、と発表していたが、その後具体的な話はリリースされていない。
そうした中、海南省が先駆けて、当該計画を発表し、その一環で、2030年までに電気自動車占有率を45%まで引き上げるとの目標も打ち出した。
その上で、省内の都市を“ゼロエミッション・ゾーン(温室効果ガス発生ゼロ区域)”と設定し、市内におけるガソリン及びディーゼル車の通行が禁止されることになる、としている。
なお、中国中央政府も大気汚染が深刻な都市の空気浄化政策を推進しており、その一環での電気自動車の製造・販売に注力してきている。
昨年の世界全体での電気自動車販売総数の半分以上が中国で占められている。
同日付中国『新華社通信』は、「海南省、2030年までに化石燃料車販売禁止」と同省政策について報じている。
海南省政府が8月22日に発表した「CPIP」によると、公共交通及び商用車は全て2025年までにクリーンエネルギー車に置き換えられ、また、2030年までには化石燃料車の販売を禁止するとする。
化石燃料車の販売禁止政策は、中国における最初の省政府政策となる。
同省の政策には、電気自動車等のクリーンエネルギー車販売促進のための減税措置も含まれている。
なお、中国政府は、温室効果ガス発生量のピークを2030年までに迎えた上で、2060年までにはカーボンニュートラル(注後記)を達成すると発表している。
(注)カーボンニュートラル:環境化学の用語のひとつ、または製造業における環境問題に対する活動の用語のひとつ。カーボンオフセット、排出量ゼロという言葉も、同様の意味で用いられる。何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素を同じ量にする、という考え方。
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台風7号、COVID-19クラスター発生に喘ぐ中国のハワイと称される海南島を直撃【欧米・中国メディア】(2022/08/10)
8月9日午後に南シナ海で発生した台風7号(中国名ムーラン、注後記)が、中国のハワイと呼ばれ多くの中国観光客が訪れる海南島(ハイナン)を直撃する見込みである。同島は8月に入って新型コロナウィルス(COVID-19)感染が急拡大しており、感染対策に支障をきたす恐れがある。
8月10日付欧米
『ロイター通信』は、「台風ムーラン、COVID-19感染急拡大の海南島直撃の見込み」と題して、前日に発生した台風7号が、夏季休暇期間に観光客で賑わう海南島を直撃する見込みで、COVID-19感染急拡大の同島における感染対策に支障をきたす恐れがあると報じている。
台風ムーランは、南シナ海を横断して8月10日に海南島に上陸する恐れがある。
同島では目下、COVID-19感染が急拡大しており、夏季休暇で多くの観光客が訪れている同島での集団検疫等の感染対策への影響が懸念される。...
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8月10日付欧米
『ロイター通信』は、「台風ムーラン、COVID-19感染急拡大の海南島直撃の見込み」と題して、前日に発生した台風7号が、夏季休暇期間に観光客で賑わう海南島を直撃する見込みで、COVID-19感染急拡大の同島における感染対策に支障をきたす恐れがあると報じている。
台風ムーランは、南シナ海を横断して8月10日に海南島に上陸する恐れがある。
同島では目下、COVID-19感染が急拡大しており、夏季休暇で多くの観光客が訪れている同島での集団検疫等の感染対策への影響が懸念される。
8月10日午前10時現在、台風ムーランは香港の南西約400キロメートル(250マイル)にあって、時速約18キロメートル(時速11マイル)で北西方向に進んでいる。
香港天文台によると、同台風は南シナ海南部の広東省、海南島を直撃する見込みだとする。
台風がもたらす強風が8月11日午後まで続くとみられ、南沙諸島(スプラトリー)、西沙諸島(パラセル)、マックルズフィールド堆のみならず、琼州海峡(チュンチョウ、広東省・海南島間の海峡)、トンキン湾(ベトナム・海南島間の湾、広東省南岸、海南島等、南シナ海全域に影響をもたらす恐れがある。
中国当局は、危険度レベル4の注意報を発令し、危険な強風や大雨に注意するよう呼びかけている。
なお、“中国のハワイ”と呼ばれ、夏季休暇中に多くの観光客が訪れる海南島では、8月に入ってCOVID-19感染が急拡大していることから、中国当局は本土から多数の医療従事者を派遣して対応に備えようとしている。
海南島地方政府発表によると、8月1~9日の間の感染者は1,899人(うち無症状585人)となっている。
同日付中国『新華社通信』は、「中国当局、台風及び洪水被害への注意報発令」として、台風ムーランへの注意を呼びかけていると報じた。
中国洪水対策・干害救済本部は8月9日、台風ムーランが強風及び大雨被害をもたらす恐れがある広東省、広西チワン族自治区、海南省、福建省等に対して特別警戒警報を発令した。
同台風は、8月10日の昼から夕方にかけて、海南島北東部から広東省西部の範囲に上陸すると見込まれる。
海南省気象局によると、海南島と本土を結ぶフェリーは全面運休となり、また、同島北西部の省都海口市(ハイコウ)運輸・港湾局によると、同島の3つの港は8月9日午後2時以降全操業が中断されているという。
また、中国水利部(1954年設立)は注意報レベル4(最大危険度)を発令して、強風や洪水の被害に備えるよう呼びかけている。
(注)台風7号:台風の名前は、「台風委員会」(日本含む14カ国等が加盟)で各加盟国などの提案した名前が、あらかじめ140用意されていて、発生順に命名。今回の台風7号は中国名のムーランと呼称。なお、準備された140を繰り返して使用(140番目の次は1番目に戻る)され、大きな災害をもたらした台風などがあると、加盟国からの要請によって、その名前を以後の台風では使用しないように別の名前に変更することがある。
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