6月5日付米
『NYSEポスト』オンラインニュースの報道記事「カーター氏、中国は“万里の長城で孤立”と非難」:
「・SLD出席中のアッシュ・カーター国防相は6月4日、中国の海洋活動が関係国の懸念と反発を招き、結果として自国を“孤立させる万里の長城”を築くことになると非難する演説。
・中谷元防衛相も、関係国は国際法に基づいて秩序ある行動が求められると演説。
・これに対して中国代表団副団長の高官は、米国こそ南シナ海において軍事的緊張を高める行動を慎むべきであると主張。...
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6月5日付米
『NYSEポスト』オンラインニュースの報道記事「カーター氏、中国は“万里の長城で孤立”と非難」:
「・SLD出席中のアッシュ・カーター国防相は6月4日、中国の海洋活動が関係国の懸念と反発を招き、結果として自国を“孤立させる万里の長城”を築くことになると非難する演説。
・中谷元防衛相も、関係国は国際法に基づいて秩序ある行動が求められると演説。
・これに対して中国代表団副団長の高官は、米国こそ南シナ海において軍事的緊張を高める行動を慎むべきであると主張。
・同高官はまた、中国が孤立することは有り得ず、南シナ海における問題は関係国間の対話で解決していくことで合意しているともコメント。」
同日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』の報道記事「孫(スン)海軍上将、中国は孤立していないと強調」:
「・SLD出席中の中国の孫建国(スン・ジェングオ)中央軍事委副参謀長は6月5日、カーター長官の発言は誤っており、これまでも現在も、また将来も中国が孤立することはないと演説。
・また孫氏は、米国が南シナ海の中国主権地域において中国と対峙しようとすることは、“新たな冷戦”を引き起こすおそれがあり、断固反対するし、如何なる国も中国を公然と非難する権利はないとも主張。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュースの報道記事「米国と中国、SLD安保サミットの場において南シナ海問題で誹謗中傷合戦」:
「・SLDにおいて、南シナ海問題に関する米国側非難に対して、中国側が真っ向から反論。
・カーター長官が、中国の海洋進出やサイバー攻撃で関係国に懸念と反発を招いていると述べたのに対して、孫副参謀長は、南シナ海域外の国々は悪戯に事を荒立てることなく、建設的な対応をするべきだと対抗。」
同日付フィリピン
『ザ・マニラ・タイムズ』(
『AFP通信』記事引用)の報道記事「中国、米国の“挑発”は全く問題外と発言」:
「・SLDにおいて孫副参謀長は、米軍が行っている航行の自由作戦と称した軍事的圧力によって、中国をして国際仲裁裁判所の審理結果に従うよう無理強いしていると非難。
・一方、モンゴル訪問中のジョン・ケリー国務長官は6月5日、中国が南シナ海に防空識別圏(ADIZ、注2後記)を設定しようとしており、これは同海域の安定を損なうもので断固反対と発言。
・なお、香港の
『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』は、中国が、フィリピンの230キロメーター西の中沙(スカボロー)礁にも恒久設備を建設する計画と報道。
・これに対してカーター長官は、中国がこれ以上一方的な海洋活動を行うならば、更に最新鋭兵器(次世代ステルス戦闘機や無人潜水艇)を南シナ海に派遣すると警告。」
同日付中国
『チャイナ・デイリィ』(
『新華社通信』記事引用)の報道記事「中国、日米両
国に南シナ海関連で中国を公然と非難するのを止めるよう警告」:
「・中国外交部の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官は6月4日、SLDにおいてカーター長官と中谷防衛相がそれぞれ、中国の海洋活動を公然と非難したことに反発して、日米は中国の主権を脅かすような発言や行動を慎むべきと表明。
・同報道官はまた、両国は歴史的事実を無視して、相変わらず独断的解釈を押し通し、そして、当事者でもないのに南シナ海問題に口を挟んで、同海域の平和と安定を脅かしているとも非難。
・更に、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)との合意どおり、南シナ海問題を当事者間の対話で解決していくことに努めているともコメント。」
(注1)SLD:2002年設立のアジア安全保障会議の通称。日米中ロ等アジア太平洋地域の28ヵ国の国防相等が年に一度、シンガポールのシャングリラ・ホテルで一堂に会し、同地域の安全保障について討議。
(注2)ADIZ:各国が防空上の必要性から、領空とは別に設定した空域。常時、防空監視が行われ、(通常は)強制力はないが、予め飛行計画を提出せずここに進入する航空機には、識別と証明を求める。更に、領空侵犯の危険がある航空機に対しては、軍事的予防措置などを行使することもある。
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