日本が来年にも調査捕鯨を開始、海外の反応(2015/12/01)
先週、日本の水産庁が、年明けから日本が調査捕鯨を開始することを発表した。もちろんこれには国際社会とりわけオーストラリア、環境保護団体から非難の声が寄せられている。捕鯨を開始する根拠、オーストラリアや環境保護団体の反応について各メディアは以下のように報じている。
11月28日付
『ヴォイス・オブ・アメリカ』は、日本が南極海で来年3月末までには捕鯨を開始する予定であることを報じたうえで、オーストラリア政府と環境保護団体が非難の声をあげていると報じている。日本の水産庁は先週金曜日に国際捕鯨委員会(IWC)に対して、日本は捕鯨数を従来より3分の2程度減らして333頭に設定して、以前のものから修正した計画に基づき、調査としての捕鯨を開始する意向であるという。しかしながら、この「修正した計画」に対しては、IWCから懸念の声が寄せられているという。...
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11月28日付
『ヴォイス・オブ・アメリカ』は、日本が南極海で来年3月末までには捕鯨を開始する予定であることを報じたうえで、オーストラリア政府と環境保護団体が非難の声をあげていると報じている。日本の水産庁は先週金曜日に国際捕鯨委員会(IWC)に対して、日本は捕鯨数を従来より3分の2程度減らして333頭に設定して、以前のものから修正した計画に基づき、調査としての捕鯨を開始する意向であるという。しかしながら、この「修正した計画」に対しては、IWCから懸念の声が寄せられているという。
同記事はオーストラリアの地元紙の記事を引用し、環境大臣のハント氏が、日本は一方的に国際司法裁判所の判決や科学者らの忠告に反して捕鯨を開始することは許されないと語ったとしている。国際司法裁判所は、去年の3月に、日本が調査捕鯨としている捕鯨は、実質的には商業捕鯨にあたるとした上で、数十年にわたり南極海で行ってきた捕鯨を止めるべきとする判決を下している。ハント氏は「オーストラリアは日本の南極海での捕鯨に強く反対している。このことは、日本が捕鯨に対して寄せられている科学的疑問に対して答える体裁をとったとしても何ら変わるものではない」と述べたという。また、同氏は、オーストラリア政府はこの問題についてIWCを通す間接的な方法にとどまらず、日本政府に直接働きかけていく方針であるとしたという。
11月29日付
『ザ・エポック・タイムズ』も日本が国際司法裁判所の判決にもかかわらず捕鯨を開始するとした上で、日本政府の言い分としては判決を考慮に入れて、従来よりも規模を縮小して調査捕鯨を行うとしていることを伝えている。
同記事は、日本が去年の11月にIWCに対してミンククジラのみを対象とした調査捕鯨を行うための計画書を提出していたことを伝えている。しかしながら日本は過去に、ミンククジラを捕獲するとしつつも、ザトウクジラを捕獲していた過去があることを伝えている。そして今回の水産庁の発表に対しては、イギリス、オーストラリア政府および環境保護団体が非難の声を上げているという。
同記事は日本の「朝日新聞」の記事を引用し、日本の鯨の研究家らは鯨を殺すことなく個体の表皮のみを調査する意向だが、水産庁は最終的には商業捕鯨の再開を狙っていると伝えている。
数ある環境保護団体の中でも戦闘的なことで特に知られる「シーシェパード」は、日本による捕鯨が行われるならば、捕鯨船に対して以前と同様の措置を講じるつもりであると発表しているという。「シーシェパード」のリーダーであるコーネリセン氏は「手つかずの自然が残る南極海が、再び密猟者らの危機にさらされている。我々は日本政府に対して、南極海が国際法、オーストラリア法、そして我々により守られており、鯨の聖域が侵されることがあれば、それは犯罪に該当することを警告する」とのコメントを発表したという。「我々は密漁に反対する。我々は南極海の貴重な生態系を脅かす密漁を発見、記録し、報告する用意がある。それは密漁がどんな形をとり、どの生物の生命を脅かしても同じだ。もし我々が密漁の場面に出くわしたならどんな対処方法をとるかは、今までの歴史をみれば明らかだ。常に、直接的に密猟を阻止する」。また、同団体はオーストラリアのターンブル首相に対しても日本の捕鯨船が日本を出発しないよう行動を起こすよう求めているという。
11月29日付
『ヤフー.com』は日本の捕鯨船が「シーシェパード」から10年近くにわたって妨害を受けてきたことを伝え、やはり国際司法裁判所の判決の判決を受けて昨年度は捕鯨を中止せざるを得なかったが、来年はそれにもめげず、調査捕鯨である論拠を揃えて捕鯨を開始する旨伝えている。
また、同記事は「シーシェパード」がこの日本の方針に猛反発していることを報じたうえで、日本の捕鯨が中断に追い込まれていた間、同団体が南極海近辺で希少動物の密漁やマゼランアイナメ(通称メロ)の密漁を監視しており、必要とあらば日本の捕鯨活動に対応する準備があることを示唆している。
同記事は日本の「NHK」の報道を引用し、日本がオーストラリア首相を12月に招待する意向であることを報じている。同記事の取材に対し、「シーシェパード」のオーストラリア担当であるハンセン氏は「ターンブル首相は12月に予定されている訪日の際、日本の恐ろしい密漁の実態を最優先議題として掲げるべきだ」と語ったという。
ただ、オーストラリア政府の対応もあまり当てにはならないようだ。同記事は、オーストラリア国内では以前から、税関の監視船を南極海での日本の捕鯨を監視するために使ってはどうかとの案が出されいていたが、外務大臣であるビショップ氏は未だに態度を明確にしていないという。同氏は国内のメディアに対して「政府は日本に対して捕鯨を再開しないこと、および国際社会で求められる義務を順守するよう求めてきた。先週末オーストラリアを訪れていた岸田外相にも直接このことを申し入れている」と述べたにとどまっている。
そして同記事は表面上は調査目的で捕獲された鯨肉は、食用に加工されていることは隠しようのない事実だ、と締めくくっている。
捕鯨を行っている国は他にもある。にもかかわらず日本がこれだけ非難され、日本としても引くに引けない状況になってしまっている。日本は面目を保ちつつ、捕鯨の規模を年々縮小していくのか。
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北朝鮮、国連事務総長を迎える一方でミサイル実験の可能性(2015/11/18)
北朝鮮に、国連事務総長が訪問する予定であると、各メディアが報じている。だがそ
の一方で同国が近々ミサイル実験を行うのではないかという情報もあるという。各メ
ディアは次のように報じている。
11月16日付
『CNN』では、国連事務総長であるパン・ギムン氏が北朝鮮を訪問する予
定であることを伝えている。今回の訪朝が実現すれば、国際機関の長としては実に20
年以上ぶりのものになるという。
同記事は韓国の「ヨンハプ・ニュース」を引用し、国連の情報筋によると、パン・ギ
ムン氏が今週中にも訪朝して金正恩氏と面会し、北朝鮮の核兵器問題や対韓国問題に
ついて話し合う予定であるとしている。...
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11月16日付
『CNN』では、国連事務総長であるパン・ギムン氏が北朝鮮を訪問する予
定であることを伝えている。今回の訪朝が実現すれば、国際機関の長としては実に20
年以上ぶりのものになるという。
同記事は韓国の「ヨンハプ・ニュース」を引用し、国連の情報筋によると、パン・ギ
ムン氏が今週中にも訪朝して金正恩氏と面会し、北朝鮮の核兵器問題や対韓国問題に
ついて話し合う予定であるとしている。CNNの取材に対してはバン・キムンの広報担
当者の金子氏は同氏の訪朝に対して明言を避けたものの、「同氏は常に朝鮮半島の安
定と平和のために役立てればと願っている」と語ったという。また、韓国統一省は
「そのような話があることは把握しており、事態を注視している」とのコメントを発
表したという。
同記事は、これまで北朝鮮を訪れた国連事務総長は二人しかおらず、1979年にヴァル
トハイム氏と1993年にブトロス=ガーリ氏が訪朝したのみと伝えている。
パン・ギムン氏は今年の5月に北朝鮮の国境近くの町、開城市(ケソン市)を訪れる
予定だったが、突然北朝鮮側により中止されたとしている。また、同記事は北朝鮮が
自国民を強制労働同然の状況下で海外で労働させていることにも触れいている。
11月16日付
『アメリカ・アルジャジーラ』はやはり韓国の「ヨンハプ・ニュース」を
引用し、パン・ギムン氏の訪朝の正確な日にちや訪朝の目的などは明らかになってい
ないことを伝えている。
同記事は金正恩氏が2011年に父親の跡を継いで最高指導者になってから、中国の高官
をもてなしてはいるものの、一度も国家元首クラスの人物を国内に迎えてはいない
し、自身も外国を訪問していないとしている。
韓国の専門家は今年 5月に予定されていたケソン市への訪問が突然中止されたこと
について、おそらく北朝鮮側がパン・ギムン氏がアメリカや韓国の肩を持っていると
感じたからではないかと分析しているという。
北朝鮮の非核化協議は2009年から滞っており、同国はこれまで3度核実験を行ってお
り、2006年、2009年、2013年に国連から制裁を受けているという。しかし専門家らは
同国が2009年以降も小規模の核兵器工場を作り続け、自国のミサイル計画を推し進め
ていると分析しているという。
パン・ギムン氏の訪朝が実現すれば、北朝鮮は国際社会と協調していこうとしている
のではないかとも思われるが、他方ではその流れとは真逆の行動を起こしている。
11月16日付
『デイリーニュース』は「ヨンハプ・ニュース」を引用し、北朝鮮が同国
の東沿岸から日本海に向けたミサイルの発射実験の準備をしていると報じている。今
回の実験で用いられるミサイルは新しい型の弾道ミサイルで、一つのミサイルが高い
高度で複数のミサイルに分裂し標的を攻撃するタイプのものである可能性があるとみ
られている。韓国側は今回の実験で用いられるミサイルの型を見極めたい意向である
という。
11月16日付
『ヴォイス・オブ・アメリカ』は北朝鮮がミサイル実験を行うことを裏付
ける根拠を挙げている。韓国の軍事関係者によれば、北朝鮮が自国の東部沿岸を航行
禁止区域に指定したというのである。同地域は北朝鮮の元山市(ウォンサン市)の辺
りで、航行禁止区域指定は11月11日から12月7日にかけてのものだという。同国は国際
機関に対しては何の告知も行っておらず、国連の国際海事機関は同国から何の知らせ
も受けていないとしている。韓国の国防部は必要とあらば軍事的対応をとる準備があ
ると語っているという。
韓国の防衛専門家は今回実験で用いられるミサイルの型について、航行禁止区域が極
めて広範囲であることから、おそらくはノドンではないかとの見方を示しているとい
う。また、韓国の複数のメディアは、今年5月に北朝鮮が潜水艦発射型の弾道ミサイ
ルの開発に成功した旨発表したことを受けて、潜水艦発弾道ミサイルの実験を行うの
ではないかと見ていることも報じている。
ただ、同記事は韓国政府の情報筋への取材を行い、この数か月間北朝鮮は複数回にわ
たり航行禁止区域を発表しているが、ミサイルは発射されていないとしている。
また、同記事は国連事務総長のパン・ギムン氏が訪朝予定であることにも言及してい
るが、今回のミサイル実験の可能性との関連性については何も述べていない。
パン・ギムン氏の訪朝とミサイル実験の関連性は全く明らかではない。ただ、海外で
の強制労働問題などについて、少しでも国際社会からの批判を免れたいとの意図があ
るのであれば、無謀な行動は控え、理性ある対話が行える国と印象付けた方が得策で
あろう。
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